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配信
写真提供: 現代ビジネス
この連載の第1回目は世界のザ・ビートルズを取り上げたが、今回は日本のバンドです。 【写真】今年のレコ大は氷川きよしvs純烈…水面下で「いま起きていること」 吾妻光良＆ザ・スウィンギン・バッパーズの「150～300」という曲を紹介したい。 このバンドの音楽は広義ではブルースだが、強いて言うならば「ジャイヴ」である。 「ジャイヴ」とは1930年あたりのスウィングジャズから派生した、よりエンターテインメント性の高い音楽のことを指し、詞の内容や演奏者のキャラクター、奏法などがコミカルで、根底に「楽しくやろうぜ」的なニュアンスが常に流れているバンドサウンドである。 日本におけるこのジャンルの先駆者は、ハナ肇とクレイジーキャッツとかになるのだろう。 しかし、吾妻光良＆ザ・スウィンギン・バッパーズはスウィングバンドなので、メンバーの数がやたらと多く、管楽器、ピアノ、ベース、ドラム、ギターと、いつも15人くらいの大所帯でステージに立っている。 経済的な理由もあってか、殆どのメンバーが別の職業を持ちながら、もう40年以上も活動を続けている、かなり珍しいベテランさんなのだ(なのでメンバーが抜ける時の理由が、転勤だったりする)。
写真提供／長門芳郎
ギター兼ボーカルの吾妻光良氏がバンドのフロントマンなのだが、この人が超個性的!! 落ち武者のような風貌でダイナミック且つ巧みにギターを搔き鳴らす姿は、一度見たら絶対忘れられない。 以前はカバー曲や、それを日本語に訳してアレンジを加えた曲を披露していたが、近年は世情や健康などをテーマにした、面白く、親しみを感じるオリジナルソングを、底抜けに軽快なダンスミュージックとしてブチかます。 僕の好きな「150～300」、この数字は血圧のことで、日常生活での怒りで、どんどん血圧が上昇していく様を、ビッグバンドの重厚でハイテンポな演奏と、吾妻氏のデンジャラスなギターで、「カッコイイけど馬鹿馬鹿しい」感じに仕上げた名曲なのである。是非一度、聴いて頂きたい。 そう言えば、去年の年末、吾妻氏がステージ上で「最近、プロになりました」と言っていた。還暦過ぎて、仕事を退職なさったのかもしれない。 プロフィール ろっかく・せいじ/1962年生まれ。俳優。1982年、劇団「善人会議」(現・扉座)を劇団員のひとりとして旗揚げ。以降、舞台、映画、ドラマなど幅広く活躍している。一方、「六角精児バンド」を結成してミュージシャンとしても活動し、今年4月には初のソロアルバム『人は人を救えない』(P-VINE RECORDS)をリリースした。
六角精児/週刊現代（講談社）
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