Conton Candy | Skream! ライヴ・レポート 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト – Skream!

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LIVE REPORT
Japanese
Skream! マガジン 2022年09月号掲載
2022.08.21 @Shibuya eggman
Reported by 吉羽 さおり Photo by Ryohey
Conton Candyにとって初のツアーとなった”angel tour”が、8月21日にShibuya eggmanで最終日を迎えた。Skream!での2nd EP『angel』のインタビュー(※2022年8月号掲載)時に、自分たちにとっては背伸びをした対バンを迎えてのツアーだとConton Candyの3人は語ってくれたが、このファイナルでゲストに迎えたのは高校は違うがひとつ上の先輩で、イベントで一緒になることが多かったというリュックと添い寝ごはん。お互いにちゃんと話をするのはこの日が初めてだったというが、高校時代からその活動を見ていた同士が、記念すべき初のツアーでステージを分かち合った、その爽やかな邂逅に観客の間にもどこか甘酸っぱい歓喜が湧き上がっている。「青春日記」で始まったリュックと添い寝ごはんのステージは、ブリージーで甘美な最新曲「サマーブルーム」や、さらなるグルーヴィな新曲も挟んで手拍子を巻き起こしながら、”好きに踊っちゃって”(松本ユウ/Vo/Gt)と「グッバイトレイン」で軽やかにステップを踏ませていった。夏の1ページを、心くすぐるほのかな海や日焼けの香りや、眩しくも切ない日差しで、鮮やかに彩るような音楽。そんな記憶に刻んでいくようなステージだ。

会場に流れるBGMもConton Candyのメンバー3人が選曲し、また自分たちの登場SEも新たに作るなど、空間作りにも力を入れて臨んだ今回の”angel tour”。このツアーを特別なものにしようというフレッシュで熱っぽいエネルギーが、1曲目の「執着」から炸裂する。八島紬衣(Vo/Gt)はノイジーにギターをかき鳴らし、双子のリズム隊、鈴木楓華(Ba)と鈴木彩楓(Dr)は呼吸の合ったビートでアンサンブルの屋台骨を担うだけでなく、コーラスやハーモニーでキャッチーな歌に余韻や陰影を生んでいく。前作『PURE』に対して、今作『angel』は短期間の間にも試行錯誤やチャレンジをして、よりクリエイティヴにポップにバンドの世界を広げていったそのテンションが、ライヴでより顕著に伝わってくる。思いが溢れ出していく鼓動のリアルさをサウンドに埋め込んだ「envy」や「コスモス」のエモーショナルな演奏、爆発的な想いでグッと鋭さを増すヴォーカルなど、冒頭から心掴まれる曲を響かせていく。

チケットがソールド・アウトしたフロアを眺め、紬衣は、”自分たちがこんなに大きなハコを埋められるようになるとは思っていなかった”と語り、初のツアーができたこと、そのファイナルを迎えられた喜びや観客やリュックと添い寝ごはんへの感謝を述べた。中盤では『PURE』からの曲「音の鳴る方へ」などを披露し、”3人でやっていく覚悟や思いが詰まった1枚になった”(紬衣)と『angel』の背景を語って披露したのは「濁り」。『angel』収録であり前メンバーが書いた「濁り」に、”いつまでもあなたの曲を歌い続けられますように”(紬衣)と添えて、学生時代からのConton Candyとしての歴史を継ぎながら、バンドとしてアップデートしていく意志を音に練りこんでいった。

後半では、『angel』収録の中でも試みのある1曲「エンジェルスモーク」をプレイ。迸る思いをパワフルなギターに乗せるノイジーなサウンドとはひと味違う、淡々と抑制されたフレーズのループやメロディ、空間的なアンサンブルが心地よい。狂おしいほどの思いが空気に漏れ出して自分の周りの空間を満たしていく切なさ、ほろ苦さが、ライヴではより濃厚だ。ここからまたステージを重ねながら強く、Conton Candyを印象づける曲になっていきそう。そしてこの曲に続いたのが、バンドの名を広く知らしめることになった”大切な曲”「ロングスカートは靡いて」。フロアに湧き上がる大きな手拍子に勢いを増した演奏で颯爽と駆け抜けると、ラストは「月と太陽」へ。曲中に、”この曲はあなたたちを救うために書いた歌。つらいときに、寄り添ってくれますように”(紬衣)と叫び、優しく力強く音を重ねていった3人の顔には頼もしい笑顔が滲んだ。アンコールでは、9月15日に配信リリースが決定した新曲「moonwalk」がライヴ初披露され、充実した初のツアーを締めくくるとともに、その目線をさらに先へと進めていったConton Candy。本編では、もう1周くらいできそうといい、いつかワンマンができたらと語っていた3人だったが、そんな日もすぐにやってきそうなバンドの上昇感や、観客の熱っぽさを感じたツアー・ファイナルとなった。

[Setlist] ■リュックと添い寝ごはん
1. 青春日記
2. くだらないまま
3. ホリデイ
4. わたし
5. ノーマル
6. サマーブルーム
7. 新曲
8. あたらしい朝
9. グッバイトレイン

■Conton Candy
1. 執着
2. envy
3. コスモス
4. 音の鳴る方へ
5. ディープレッドタルト
6. 濁り
7. エンジェルスモーク
8. ロングスカートは靡いて
9. 月と太陽
En. moonwalk
En. 102号室
1st EPから約1年、新たな曲を作りながらライヴ活動をしてきた3ピース・ガールズ・バンド、Conton Candy。この2nd EPでは、ライヴを重ね磨き上げてきたバンド感とともにサウンドスケープや曲の表現力が広がって、映像やドラマが浮かび上がったり、胸がチクチクとするような記憶を蘇らせたりと、ポップでリアルな作品になっている。ノイジーなギターと勢いのあるドラム&ベースで一気に引き込む「執着」は、切ない痛みと同時にどこか甘美な中毒性があるギター・ロックに。また衝動を爆発させるパワーとはひと味違った、引き算や余白のあるサウンドの「エンジェルスモーク」は、新たな挑戦で3人の妙味を聴かせる。背伸びしたり飾りたてたりすることなく、10代の繊細さと大胆さとが炸裂しているのが爽快だ。(吉羽 さおり)
リュックと添い寝ごはんのメジャー1stフル・アルバム。今作は、高校生活の集大成とも言える前作『青春日記』のフレッシュな気持ちは継承しつつも、タイトルの”neo neo”が示す通り、新しい自分たちを提示した作品に。初メジャー作品ということで、サウンドはさらに磨き上げられているが、いい意味でメジャー・デビューだからと肩肘を張りすぎずに、やりたい音楽を昇華しようとしているところが好印象。アルバムが”何にもない日に僕たちは 家で寝転ぶ”(「海を越えて」)というフレーズで幕開ける空気感も彼ららしい。新曲は、全体を通してレトロな夏の風景を浮かび上がらせるナンバーが多く、それが冬にリリースというところにもユーモアがある。2020年マスト・チェックなバンドの初フル・アルバムは聴き逃せない。(三木 あゆみ)
2017年秋結成、卒業を間近に控えた高校3年生3ピース・バンドの1stミニ・アルバム。信念をじっくりと鳴らす「サニー」や、ポップ・センス溢れるギター・ロック「ノーマル」といったバンドの代表曲に加え、フレッシュでパンキッシュな表題曲、ボサノヴァ風の弾き語り、軽快なポップ・ナンバーなどバラエティに富んだ楽曲が揃っている。そのなかでアクセントとなるのが、感傷性を帯びた松本ユウ(Vo/Gt)の歌声、鮮やかで豊かなコード・ワーク、メロディアスなベース・ライン、時折見せる棘のある言葉。スタンダードで聴き心地のいい音楽かと思いきや、随所で心の奥へと深く切り込んでくるという、さりげないギミックや毒気が小気味よい。変化の途中の自分自身の姿と理想の音楽を生々しく詰め込んだ意欲作。(沖 さやこ)
あの日のあなたや、今のあなたが映り込んだ優しくて刺激的なギター・ロック―― 飛躍的な1枚となるEP『angel』完成
他愛もない会話とかも曲にしたい “生活感”みたいなものが伝わったらいいなと思っています
Eggs主催のオンライン・フェス”Live Eggs ONLINE 2020″開催決定――話題の2バンド!”正反対”な同い年フロントマンによる対談インタビュー
どうなっていきたいのか迷ってる自分のまま――どんどん走っていくのもいいな、と思ってもいるんです
2022.08.21 @Shibuya eggman
2020.08.26 @渋谷TSUTAYA O-nest
2020.07.11 @Veats Shibuya / 心斎橋VARON / 札幌Sound lab mole
2020.06.28 @Streaming+
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Skream! 2022年09月号

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