ヴァンパイア・ウィークエンドやヨ・ラ・テンゴも登場! 伝説のレコード店の21年間を追ったドキュメンタリー映画『アザー・ミュージック』の監督コンビに訊く(GQ JAPAN) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース

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「アザー・ミュージック」の店内
ニューヨークのレコード店「アザー・ミュージック」のスタッフと客として出会い、やがて夫婦となったドキュメンタリー作家コンビ、プロマ・バスーとロブ・ハッチ=ミラー。2人が、この店の知られざる歴史を“ディグ”った映画が、9月10日(土)に公開される。7月、ライターの村尾泰郎が彼らにインタビューした。 【写真を見る】アニコレやオノ・ヨーコ、ハリウッドスターらも集うレコードショップとは(全15枚)
2016年、米・ニューヨークの小さなレコード店が20年の歴史に幕を閉じた。クリス・ヴァンダルーとジョシュ・マデルが経営する「アザー・ミュージック」は、独自の嗅覚によって、多彩なジャンルを横断する「未知の音楽」を取り揃え、客は知識豊富なスタッフと音楽談義をしながらレコードを買う。そのユニークな品揃えと接客で、アザー・ミュージックは知る人ぞ知る名店として愛されてきた。ドキュメンタリー映画『アザー・ミュージック』は、閉店を迎えたアザー・ミュージックを追いながら、店の魅力に迫っていく。そこから浮かび上がるのは、レコード店が音楽文化にたいして果たす役割だ。夫婦で監督を手掛けたプロマ・バスーとロブ・ハッチ=ミラーが、映画について語ってくれた。 ■人との会話を通じて音楽を知る喜びや情熱を感じてほしい ──プロマさんとロブさんは、それぞれアザー・ミュージックに縁があったそうですね。 ロブ・ハッチ=ミラー(以下、ロブ):私が初めてアザー・ミュージックに行ったのは、まだマサチューセッツに住んでいる時でした。ミュージシャンの従兄弟に教えてもらったんです。最初はちょっと入りづらい気がしたのですが、店員と話をしているうちにだんだん店のことが好きになって、頻繁に通うようになりました。大学卒業後にニューヨークに越してきた時には、アザー・ミュージックは居心地が良い我が家みたいな場所になっていました。 プロマ・バス(以下、プロマ):僕は大学進学でニューヨークに移り住み、アザー・ミュージックのことを知りました。故郷のアリゾナには、こんな店はなかったので、すぐに通うようになりました。そして、ラッキーなことに2002年から2005年までの3年間、店で働くことができて、そこでロブと出会ったんです。だからアザー・ミュージックは人生の一部。閉店することを知って、すぐにジョシュとクリスに会いに行ったのですが、涙が出てしまいました。かつてCBGBがニューヨークの音楽シーンの象徴であったように、アザー・ミュージックも重要な場所だったことを記録にとどめたいと思い、映画を撮ることを決意したんです。 ──映画を拝見してまず印象的だったのは、スタッフがみんな個性的だということです。雰囲気も開放的で、お店というより音楽好きのコミュニティのようでした。 プロマ:クリスもジョシュもすごく人を大切にするんです。人をキュレーションする、と言っても良いかもしれない。閉店することが決まってから、クリスのアイデアで、かつて店で働いていたスタッフをゲストとして呼んだのです。アザー・ミュージックの精鋭ともいえる歴代のスタッフが再集結して働く様子を撮ることができたのは、素晴らしい体験でした。 ロブ:私たちはほとんどのスタッフと顔見知りだったので、カメラを店内に持ち込んで撮影してもよそ者扱いされなかったし、彼らは撮影に対してオープンに向き合ってくれました。 ──女性スタッフが多かったのが印象的でした。映画のなかで語られていましたが、アメリカのレコード店では、女性のスタッフがほとんどいないそうですね。 ロブ:レコード店は男性の溜まり場になりがちなんですよね。そこに女性が入って行くと「音楽のことなんて何もわかってないくせに」という態度を取られることがよくあります。でも、アザー・ミュージックの女性スタッフは、同僚からもお客さんからも信頼されていて知識も豊富なんです。私がアザー・ミュージックに馴染めたのも、彼女たちの存在が大きかったと思います。 ──アザー・ミュージックのスタッフは女性も多く、アジア系やアフリカ系アメリカ人など人種も様々。多様性を絵に描いたような店ですよね。 プロマ:そうなんです。そうしようと意識していたわけではなく、自然とそうなりました。 ──みんな音楽に詳しいスタッフばかりなので、店で働いていた時はライバル心を燃やしたりしませんでしたか? プロマ:1960~70年代のフォークやロックが詳しい人もいれば、ヒップホップやディスコなどダンス・ミュージックに詳しい人もいる。僕はインディ・ロックのことを多少知っていましたが、彼らには到底及ばないと思っていました。なので、彼らはライバルというより音楽の先生みたいでしたね。毎日、これまで知らなかった音楽を彼らから学びました。そして、毎日、好きなバンドに生で会うことができました。店にいると学校で開かれるパーティよりも楽しかったし、学校以上にいろんなことを学びました。 ──アニマル・コレクティヴやヴァンパイア・ウィークエンドのメンバーが店員として働いていたり、地元のバンドが自主制作した作品を持ち込んだり。アザー・ミュージックが2000年代のニューヨークのインディ・シーンの盛り上がりに大きな影響を与えていた、というのも興味深かったです。 プロマ:アザー・ミュージックは音楽シーンの一部だったんです。僕が好きだったバンド、たとえば、ヤー・ヤー・ヤーズやインターポールのメンバーが自分たちの作品を店に持ち込んだり、買い物をしたりしていて、その場に居合わせることができたのは最高の経験でした。ニューヨークにはほかにもレコードショップがありましたが、アザー・ミュージックと同じような存在にはなれませんでした。 ──やはり、オーナーのクリスとジョシュの存在が大きかったんでしょうね。映画を見ていると2人のキャラクターは対照的で、だからこそ良いコンビのように思えました。 プロマ:クリスは優しくてスタッフの面倒をよくみてくれる。自分のシャツを人に与えてしまうようなタイプなんです。レコード屋では珍しいことなんですけど、店のスタッフに保険を適応してくれました。ジョシュは典型的なレコード屋の店長で、ワンマンで行動的。まったく違う性格の2人が化学反応を起こした。そうして店の個性が生まれたんだと思います。 ロブ:レコード屋のオーナーって「オレの知らないことはない!」と思い込んでしまいがちなんです。そして、店を1人で牛耳ってしまう。クリスとジョシュの場合は、どんどん新しいことを知りたいと思って勉強をする。そして、新しいスタッフを雇って、自分の知らない部分を補ってもらうということを、意識的にやってきました。それがなかったら、ここまでアザー・ミュージックの世界が広がることはなかったんじゃないかと思います。 ──この映画を通して感じたのは、コミュニケーションの大切さです。最近ではAIがいろいろ勧めてくれますが、音楽が好きな者同士で会話する楽しさはありません。アザー・ミュージックは商品を買うだけではなく、情報や喜びをシェアする場所でもあったんですね。 プロマ:私たちはネット社会に対する批判的な気持ちでこの映画を作ったわけではありません。ネットのおかげで、昔以上に未知の音楽にアクセスできる機会が増えたわけですからね。レコード店のあり方はこれから変わっていくだろうし、音楽の聴き方も変わっていくと思います。そんななかで、会話を通じて新しい情報を得る興奮というのが失われつつあるのかもしれませんね。撮影中に16歳の男の子が店に来ましたが、60年代の子どもよりはるかに音楽の知識を持っていました。でも彼は、人との会話を通じて音楽を知る喜びや情熱を、あまり知らないかもしれない。そんな気がしました。 ロブ:音楽へのアクセスの仕方はいろいろあっていいと思うんです。ただ、店でレコードを買ったり、ライヴに行ったりする体験を実際にするのは大切だと思うんですよね。人と会って話をしたりすることの楽しさ。それが、この映画で描きたかったことなんです。 『アザー・ミュージック』 9月10日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー (c) 2019 Production Company Productions LLC 配給:グッチーズ・フリースクール 公式ホームページ:http://gfs.schoolbus.jp/othermusic/ 取材と文・村尾泰郎
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