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INTERVIEW
Japanese
2022年09月号掲載
メンバー:三橋 隼人(Gt) 尾形 回帰(Vo) 武田 将幸(Gt) ※アー写左から
インタビュアー:高畠 正人
約1年10ヶ月ぶりに届けられたHEREの新曲は「詩になる」。これまでの量産態勢モードから一転、今作では制作にじっくりと時間をかけ、バンドの内面から湧き上がるエネルギーを4曲に集約した。特に表題曲の「詩になる」は、ヴォーカル 尾形回帰が、大切な人の死や、自身の子供の誕生など、人生のターニング・ポイントを経て辿り着いた境地。ツイン・ギターのキレや、リズム隊との相性も強固になった本作の誕生をメンバー全員インタビューで祝う。
-新曲「詩になる」は精力的なリリースを続けてきたHEREにしては珍しく期間が空きましたね?
尾形:状況が状況だったので焦らずにいこうと曲作りをしていたら2年近く空いてしまいました(笑)。
-さすがにコロナ禍で尾形回帰の曲作りへの意欲も減退していた?
尾形:いやいや(笑)。去年から曲作りは進めていましたよ! 今回収録されている「ただ嗤え」も「どれほど僕が君のことを愛してるとかどうだっていい」も、去年の5月には武田と三橋にデモ音源を送ってましたから。

武田:尾形からデモ音源が送られてきて、それにギターを入れてくれってことだったんですけど、なかなか手がつけられず、結局レコーディングの直前になってやり始めたんですよね(笑)。
-放置プレイだ。
武田:送られてきたデモ音源にギターを入れる0から1の工程に対して、僕はすごく腰が重いんですよね(笑)。切羽詰まってこないと動き出さない(笑)。

尾形:待ってたよ!

武田:あ、あぁ。
『詩になる』が無事にリリースされたわけですけど、現在のバンドの調子はいかがですか?
三橋:まだまだコロナ禍が続いているので、ライヴ本数は多くないですが、出演するライヴは内容をしっかり考えて、演奏のクオリティはめちゃいい状況です。

武田:そうだね。メンバーもコロナになったりして大変だったけど、今やコロナに罹ってないのがサポート・ベーシストの壱君だけなので、集まると最初に壱君の安否確認をしていますね(笑)。

三橋:そうそう(笑)。
-健康第一です。調子も良さそうですね。
三橋:目指してきた域に足を踏み入れている実感があります。まだまだアゲていきますよ!

武田:あと、単純に新曲たちはまだ”新曲感”が滲み出ちゃうので、ひたすら合奏の訓練をしていますね。

尾形:そんななか、心休まるひとときはバンド練習のあとにメンバーでご飯を食べに行くことです。いつもカレーかラーメンの2択ですが(笑)。
-表題曲の「詩になる」はどういう経緯で生まれた楽曲なのでしょうか?
尾形:今年の1月にHEREの元メンバーであるドラマーの宮野大介が闘病の末に亡くなって、3月には僕の息子が誕生しました。
-怒濤の日々を送られたんですね。
尾形:子供が生まれるのはわかっていたので、2~3月のツアー(”HEREのPOWERを君にあげるツアー2022″)以降で育休をとり、ライヴ活動を少しお休みすることは決めていたのですが、その発表をする直前に宮野の訃報が入ってきて……。自分たちの気持ちの整理がつかないままそれらの発表をしてツアーが始まったんですよね。
-自分たちの混乱すらもパフォーマンスで昇華していたように思います。10年後に振り返っても大変だったと思うんでしょうね。
尾形:そういうなかで改めて人生というものを考えさせられました。命の儚さ、尊さを痛感しました。限られた時間の中で自分はどんな言葉を紡いでいったらいいのかと。これらの経験をもとにバンドとしてまたひとつ成熟していくと思うんですが、「詩になる」は、その幕開け、リスタートになる曲です。
-「詩になる」は、”うた”、”歌”、”唄”ではなくて、”詩”という言葉が当てられています。なぜ”詩”だったんでしょうか?
尾形:自分たちの生き様や考え方。感じたことをいかに言語化していくかにこだわったので、言葉としての”詩”ということで、”詩になる”ってタイトルにしました。
-曲調はHEREのど真ん中とも言えるハード・ロック。曲作りでのエピソードなどはありますか?
尾形:サウンド的な面だとAメロ、Bメロなどパートごとに転調を繰り返していて、その曲調が歌詞のテーマでもある輪廻転生だったり、走馬灯だったり、目まぐるしく移り変わる時代を表しているようにも感じて気に入っております。歌い出しの頭でキーが変わるので歌うのは大変なんですが。

三橋:武田さんからデモが届き、不足しているレンジを探りました。アイディアの段階では、ダウン・チューニングのギターで重厚感を出すやり方も提示しましたが、最終的にはスピード感を重視したレギュラー・チューニング・アレンジに落ち着きました。地味ですがいいアレンジになったと思います。

武田:今回のレコーディング前日に、エンジニアの日下(貴世志)さんが発熱したという連絡がありまして、一気に血の気が引きました。HEREの音源制作に日下さんは絶対になくてはならない存在なので、延期という言葉がすぐに浮かびましたね。
-大ピンチじゃないですか! 
武田:ですが、長年DIYでスーパー・インディーズ・バンドとして活動してきた底力を発揮しまして、僕がエンジニアをやりつつギターも弾くという力技で、どうにか目標としていたものは収録することができました。これは尾形のソロ作品でエンジニアとして参加した経験が大きかったです。
-まさかのところで役に立つ経験値。まさにDIYバンドですね。
武田:手に職をつけることになるので、改めてこのバンドいいな! と思いました(笑)。
-いやいや。普通のバンドのメンバーはレコーディング・エンジニアをやらないですから!
武田:やったほうがいいですよ。
-「ただ嗤え」は今回の4曲の中でも新しいフェーズに入っている曲の気がします。一筋縄ではいかない曲の構成のような。
尾形:前作『風に吹かれてる場合じゃない』(2020年リリースの6thフル・アルバム)から、さらなる新しいHEREサウンドを求めて作曲しました。この曲も各パート転調を繰り返していたり、16ビートのノリだったりと挑戦している部分がいくつかあります。この曲ができたから結果的に『詩になる』の誕生にも繋がったと思いますね。

三橋:転調、展開が多いので、しっかりと身体に染み込ませて弾かなければ振り落とされてしまいます(笑)。

武田:今までHEREにありそうでなかった感じの曲で、単純に合奏の難易度が高く絶賛練習中ですね。情熱と勢いでバーン! みたいな曲も大好きなんですけど、そろそろこういう曲もクールにキメられるようになりたいです。斜に構えてるようなクールさではなく、テンションの高い冷静さというか……。

尾形:(サポート)ドラムのマーシー(角谷正史/→SCHOOL←)は大変そうでしたけどね。Aメロが入る前の”ダダダーッ”のキメが、ノリが変わって難しいらしいです。人ごとのように言って申し訳ない(笑)。
“うたになる”でも”歌になる”でもなく言葉に重きを置いた”詩になる”。人生において抗えない場面に直面したとき目の前にあったのは生も死も含めて”心”が通じ合えているかどうか。森羅万象の中で表現に向き合った尾形回帰(Vo)の本気作。前アルバムで強固となったサウンドも絶頂を極め、武田将幸と三橋隼人のギターの音色も華やかで艶が増している。Track.2はインビシブルマンズデスベッド時代の盟友、西井慶太をアレンジャーに迎えた軽快なロック・チューン。スカ調のビートが刻まれるところが興味深い。Track.3は壱(Support Ba)、角谷正史(Support Dr/→SCHOOL←)が転調を繰り返す複雑な曲を支えておりライヴでの重要曲になる予感。新境地と対峙したバンドの希望を感じる全4曲。(高畠 正人)
前作『OH YEAH』が結成10周年の集大成だったとすると、6枚目の本作はHEREがこの先、何十年も活動していくエンジンを新たに積むことに成功した快作。「風に吹かれてる場合じゃない」で、現状は大変だけど前を向いて生きようと高らかに歌う尾形回帰に勇気づけられ、武田将幸&三橋隼人によるギター弾きまくりハード・ロック「最高ですから最強なんです」に胸を焦がし、イントロ・フレーズが印象的な「BOON BOON BOONでPON PON PON」でハッピーになり、HERE初のスカ・パンク・ナンバー「それではさようなら」で気分が軽くなる。壱(Ba)、ハジメタル(mezcolanza/Key)、#STDRUMS(Dr)、角谷正史(→SCHOOL←/Dr)ら、お馴染みのサポート陣との相性も完璧でライヴでの演奏が楽しみな全10曲。(高畠 正人)
年明けに発表したシングル『スーパーポジティブ』では、80sを彷彿とさせるニュー・ウェーヴ・テイストに挑戦。これまでのハード・ロック寄りなサウンドから大きく方向転換したかと思いきや、最新アルバム『OH YEAH』では、それが手始めだったとばかりに、ビート・パンクやラップなど、ロックを演奏するのが楽しくて楽しくて仕方がないという無双状態に。9mm Parabellum Bulletのサポートとしても名を馳せる武田将幸&三橋隼人のツイン・ギター面目躍如のHERE王道のロックンロール/メタル調の楽曲ももちろん健在。10年やり続けたからこそ歌えたという尾形回帰渾身のロック・バラード「OH YEAH」など、充実の全12曲を収録している。スケール感をアップしたHERE、ロックへの愛に溢れた5枚目。(高畠 正人)
昨年TOWER RECORDS限定で1stアルバムをリリースし、アルバムを引っ提げたツアーでは、アルカラ、9mm Parabellum Bulletとの3マンで盛大なファイナルを迎えたHERE。2作目の本作でいよいよ全国流通を果たす。上記バンドとガチンコ勝負するところからも濃さは伝わるが、そのサウンドはとにかくシアトリカル。喜怒哀楽も、笑いもハングリーに詰め込んだロック・オペラとなっている(不定期でロック+演劇のライヴ”PHOENIX”も開催しているという)。キャッチーで、大合唱や合いの手を呼ぶメロディに、ハード・ロック全開のギター・ソロで派手に煽り、かと思えば凛々しいビートでシリアスに攻める。毒を盛って、盛って、そして引き算によるタイトなロックンロールを聴かせる。これが中毒者を増やしているんだろう。(吉羽 さおり)
自分たちの生き様を言語したときの言葉が”詩になる”だった
今回のアルバムはメンバー3人の音でガツンとスタートさせたかった
“ロック現場主義”を掲げたDIYバンドの新たな挑戦。9月4日Zepp DiverCity TOKYOでフリー・ワンマンを敢行!
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Skream! 2022年09月号
26時のマスカレイドの"26時の音楽図鑑"
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cinema staff 「萌えもemo」
フクザワさんによるあの曲のイメージイラスト

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