セバスチャン・イザンバールが語る新作の内容やプロポーズ、故カルロス・マリンへの想い – https://www.udiscovermusic.com/

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ラジオDJ、ライナー執筆など幅広く活躍されている今泉圭姫子さんの連載「今泉圭姫子のThrow Back to the Future」の第64回。
今回は2022年9月28日に5年ぶりのソロ・アルバム『FROM SEB WITH LOVE』を発売としたイル・ディーヴォのセバスチャン・イザンバール(Sébastien Izambard)の『From Seb With Love』ついて、9月末に来日していた時の最新のインタビューなどをふまえて執筆いただきました。
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イル・ディーヴォのセバスチャン・イザンバールが、自身3枚目のソロ・アルバム『From Seb With Love』をリリースしました。ジャズ、フレンチ・ソング、ポップス、R&Bなど、ジャンルを超えたカバー・アルバムとなり、オリジナル曲「I Do」も収録されています。「このアルバムは、僕にとって重要な意味を持つ。イル・ディーヴォとは違う、もう1人の僕の歌を聴いてもらえたら嬉しい。今、世界が大変な時にこそ、このアルバムで心躍らせて欲しい」と、プロモーション来日時にこう話してくれました。
 
全世界で3,000万枚以上のレコード・セールスを誇る多国籍メンバーで結成されたイル・ディーヴォ。フランス人メンバーのセバスチャンは、クラシック、ミュージカル、オペラといった世界から出てきた他のメンバーとは異質の存在で、ポップ・ミュージシャンとして活動していました。そしてイル・ディーヴォのメンバーで2021年末に亡くなってしまったカルロス・マリンとの出会いによって、イル・ディーヴォのオーディションを受け、見事合格し、2004年イル・ディーヴォとしてデビューしたという経緯があります。そんなセバスチャンのソロ・アルバムは、本来のポップ・ミュージックのセンスが活かされた作品と言えるでしょう。
「世の中には名曲がいっぱいある。選曲は、決して楽な作業ではないけれど、一度始めてしまうと、すんなり選ぶことができた。子供の頃に聴いていた “La Mer/Beyond The Sea” は、ぜひ歌いたかった。フランスの歌を多くの人に聴いてもらえるチャンスだと思ったんだ。イル・ディーヴォはスローな曲が多いけれど、ソロでは、スウィングジャズが好きな僕のリズムのある曲も楽しんでもらいたい」
オリジナル曲「I Do」は、ガールフレンドにプロポーズするために書いた曲とのこと。ニューヨークのセントラルパークのスケートリンクでプロポーズ。彼女の耳にヘッドフォンをあて、曲を聴いてもらったそうです。返事はもちろん「YES!」とここまではとてもロマンチックですが、その後は大失敗だったようです。「用意した指輪が小さくて入らなかった(笑)。知り合いを介して、指輪のサイズは調べてもらったんだけど、直径と半径を間違えてしまって。かなり小さくて、ピンキーリングにもならないサイズだった」と。
「上を向いて歩こう」は、日本のファンへの贈り物。作曲の中村八大さんの息子さんの力丸さんから、英語で歌詞の意味が説明された手紙が届き、そのお陰でヴォーカルレコーディンがスムーズに進められたとのことです。「僕の日本語で、うまく伝えられるかどうか心配だった」とのことですが、完成度の高い日本語カバーに仕上がっています。
ブルーノ・マーズ、マーク・ロンソンの「Uptown Funk」は意外な選曲でした。「僕は、R&Bもラップもよく聴く。この曲のオープニングのブラスは、コンサートの最後の曲として演奏したら、みんなで盛り上がれるんじゃないかって思った。それにレイ・チャールズで知られる“Hit The Road Jack”をミックスしたらって、イメージも膨らんだんだ」。コンサートをイメージしての選曲だったようです。
 
2021年12月19日、イル・ディーヴォのメンバー、カルロス・マリンが亡くなりました。新型コロナ感染でした。突然襲った喪失感。仲間を失う悲しみは、計り知れないものがあります。その悲しみを乗り越えてイル・ディーヴォは、2022年春、ジャパン・ツアーを敢行しました。
私にとっても、外国アーティストの来日公演は久しぶりで、コンサート会場に足を運ぶときめきはありましたが、そのステージは、とてもエモーショナルで切ない場面がたくさんありました。
「僕達にとってもいろいろな思いの中で行われたツアーだった。カルロスは日本が大好きだった。だから、コンサート会場や行く先々に彼との思い出が蘇って、悲痛な思いだった。このツアーは、ファンが後押ししてくれたから、やろうと決心した。カルロスが亡くなって、イル・ディーヴォはもう終わりにしようと考えた。でも、ファンの声が届き、何よりも、カルロスがこのレガシーを守って欲しいと思っているのではないかって感じたんだ。だから、あのツアーはカルロスを追悼し、スペシャルゲストを迎えてやることにしたんだ。今のイル・ディーヴォはよりパワフルになったと思う。カルロスがいない寂しさはあるけれど、いつも僕達のそばにいてくれると信じている」
このアルバムの中からの数曲を、生前カルロスに聴いてもらったことをセバスチャンは教えてくれました。
「アメリカにいる時に聴いてもらったんだ。前のアルバムがポップ過ぎたかなと思っていたんだけど、カルロスは、今回はパーフェクトで、グレイトだって言ってくれた。ソロを作ることはとても刺激的だ。僕はシンガーとしてだけでなく、プロデュース、アレンジ、ソングライティングもやるけれど、自分のクリエイティヴなものを生かし、それを届けられることは喜びだ。カルロスが亡くなってから気づいたんだけど、人生は、朝起きて、こうして無事に1日を送ることができるだけでありがたいって。1日1日のありがたさをカルロスが教えてくれたんだ」
今後の予定で、イル・ディーヴォとしては、次の作品の曲を書いているところで、プロデュースにも関わっていくとのことです。「いつも新鮮な気持ちで、ハッピーでいたい」というセバスチャン。これもカルロスが教えてくれた生き方なのでしょう。笑いあり、ホロリありのインタビューでした。
インタビューの模様は、今後FMヨコハマのPodcast「Radio HITS Radio」で聞くことができます。
Written By 今泉圭姫子(インタビュー通訳:丸山京子さん)

セバスチャン・イザンバール『FROM SEB WITH LOVE』
2022年9月28日発売
CDiTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music
 
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