誰もが知っている洋楽曲50選:世代を超えて愛されて、忘れられないようなフレーズのある曲たち – https://www.udiscovermusic.com/

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“誰もが知っている曲”を選ぶというのは、一見するだけでは簡単なことのように思える。とはいえしばらく考えてみると、実はかなり大変なことだということがわかる。
「誰もが」知っている歌とは、どういうものだろうか。それはたとえば、世代を超えて愛されている曲を意味している。あるいは誰が聞いても忘れられないような印象的なフレーズのある曲。歌詞の最初の部分だけを口ずさんでも、その場にいるほとんどの人が残りの部分を歌ってくれるような曲。
それくらい幅広く知られているような曲は、メディアが細分化されてしまった近年ではとりわけ見つけるのが難しい。今回は、誰もが知っていると思われる曲のリストを紹介しよう。とはいえ、ここにはあなたが知らない曲がいくつかあるかもしれない。ただし一言注意しておくが、たとえここに知らない曲があったとしても、それは一度聞いてしまえばきっと忘れられなくなるに違いない。
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「Bohemian Rhapsody」が誰もが知っている曲である理由は10種類くらいある。とはいえ最も象徴的な理由として考えられるのは、間奏の部分がオペラ風のファルセットになっていることだろう。
壮大なロック・ソングの中にこのようなパートをシームレスに挟みこむというのは、クイーンにしかできない芸当である。また、この曲はポピュラー・カルチャーの中にも度々登場してきた。たとえば1992年に映画『ウェインズ・ワールド』で使われたことで、クイーンを知らない当時の若者たちもこの曲を知ることになった。
また、映画『ボヘミアン・ラプソディ』は不滅の名曲であるこの曲を主軸に据え、これがどの時代でもヒットすることを証明した。
 
「Single Ladies」は、説教臭い歌になることなく、それでいて女性に力を与え、男性に異議申し立てをすることに成功している。この曲の有名な歌詞「それが好きなら、それに指輪をはめればいいのに /If you liked it then you shoulda put a ring on it」は瞬くあいだに伝説的なものとなり、協力する気のないパートナーとの関係から抜け出せない人々へのメッセージとなった。
この曲のおかげもあって、歌い手であるビヨンセは音楽業界で最高に影響力のある自立した女性のリーダーになった。その結果、「Single Ladies」は誰もが知っている不朽の名曲となったのである。
 
『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』がテレビ史上最も混乱したシリーズ最終話に「Don’t Stop Believin’」を使用する以前、このジャーニーの曲はスタジアムやバー、ラジオで定番曲となっていた。
もしあなたの応援する野球チームが9回目に1点差で負けていたら? そういうときこそ「Don’t Stop Believin’」だ。バーに座ってデートの相手が2時間も遅刻しているのに待ち続けている? そんなときこそ、このジャーニーの曲を流すのにふさわしい。「Don’t Stop Believin’」は、希望を失いつつある人のためのアンセムである。
 
エモ・ブームは2000年代中頃の音楽界で最も熱いムーブメントだったが、その中でもパニック!アット・ザ・ディスコより熱いバンドなどなかった。名前の最初の部分に感嘆符をつけ、エモ・ミュージックに対してユニークな視点を持っていたこのグループは瞬く間にチャートを駆け上ったが、その主な原因になったのがこの「I Write Sins Not Tragedies」だった。
この曲の人気が長続きしている理由はいくつかある。たとえばサビの部分は、結婚前の浮気を巧みに表現した内容になっている。とはいえ誰もが知っているのは、この曲の冒頭のストリングスのパートだ。このエコーのかかった弦の音を幕開けとして、パニック!アット・ザ・ディスコは愉快なまでに悲劇的な物語を語っていく。
 
ボン・ジョヴィは、シンプルな言葉でメガ・ヒットを生み出した。バンドのフロントマンであるジョン・ボン・ジョヴィは、「Whoa」のような素直で単純な言葉でも、曲に似つかわしい情熱を込めれば、ある時代のロック・ミュージックを代表するような曲にできると証明したのである。
サビの最初の「Whoa」からさらに一段と盛り上がる2度目の「Whoa」まで、聴く側は一緒に歌わずにはいられない。少なくとも「Livin’ on a Prayer」には、誰もが知っていて、聞けば必ず歌える言葉が含まれている。
 
ブリトニーの名曲「Baby One More Time」が誰もが知っている曲になった理由はいくつかある。まず、この曲がブリトニーのデビュー・シングルだったという事実がある。この曲は卑猥で抜け目がなく、遊び心があり、ポップス界の最新のスーパースターがからかっているような内容だった。
さらには「Hit me baby one more time」というシンプルな歌詞も含まれている。この一節はアメリカではかなりの賛否両論を呼んだ。とはいえ、ここで暗示された裏の意味を批判する声がどれほど上がったところで、この曲の勢いは止まらなかった。そしてこれは1998年の最大のヒット曲となった。
 
グロリア・ゲイナーの大ヒット曲「I Will Survive」は、ディスコのプラトニックな理想形と言える。ドラマチックなイントロ、脈打つようなビート、そしてもはや伝説となったサビは、過去30年間に音楽を聴いたことのある人なら誰でもすぐに思い出せるものとなった。
この曲からは逃げようとしても逃げることができない。とはいえ、この曲の虜になった人はダンスフロアで踊ることになるので、大した問題ではないはずだ。
 
ブランドン・フラワーズが「Mr. Brightside」で描いているような瞬間は、誰にでも訪れる。ひとつの恋にピリオドを打ったとしても、以前の恋人がどこにいて、何をしているのか、誰と一緒にいるのか、どうしても気になってしまうのだ。
ザ・キラーズが嫉妬と悲しみの感情をうまく表現したおかげで、この曲は2000年代を代表するロック・ソングとなった。冒頭は「檻の中から出てきて、うまくやってるんだ / Coming out of my cage and I’ve been doing just fine」という自分を偽るような歌詞で始まり、サビの終わりではフラワーズが「’Cuz I’m Mr. Briiiiiightside」と口ずさむ。そのあいだに、この曲はひとつの世代を象徴するアンセムとなった。
 
オアシスが地球上で最大のバンドになるうえで大きな役割を果たしたのが「Wonderwall」だった。サビだけでも誰もが知っている曲になっていたはずだが、2番目のヴァースのドラム・フィルもみんなのお気に入りだ。冒頭の「ようやくお前にツケがまわってくる 今日はそんな日になりそうだ / Today is gonna be the day that they’re gonna throw it back to you」という歌詞は、まさに伝説的としかいいようがない。
 
ヒット曲を出したグループは数あれど、ABBAが出したヒット曲の数を上回るグループというのは滅多にお目にかかれない。そんな彼らの最も記憶に残るアンセムといえば「Dancing Queen」だろう。
この曲は、ディスコの雲のベッド上に浮かぶ、きらめくような艶やかなコーラスが特徴的である。あの印象的なリフレインはすぐに脳裏に焼き付けられるが、「金曜日の夜、明かりが少なくなってきた / Friday night and the lights are low」のような歌詞もさまざまな時代をくぐり抜けて今日まで響き続けている。
 
地味で陰気な曲が誰もが知っている曲になることはほとんどない。とはいえ、やはりアデルは稀に見る素晴らしい才能の持ち主だった。「Hello」はとても魅力的なバラードで、その我慢強さのおかげでアデルの見事なサビが最大限のインパクトをもたらしている。
彼女は、「あの世からこんにちは 何度も電話したよ/ Hello from the other side. I must’ve called a thousand times」と歌う。この部分を聴くと、人間関係の中でコミュニケーションの断絶を経験したことのある人なら、誰でも自分のことのように感じられるだろう。
 
スマッシュ・マウスの「All Star」はネット上で話題になる前から、地球上で最高に人気のある曲のひとつだった。その魅力的なサビ、映画『シュレック』での重要な役割、そしてウィットに富んだシュールな歌詞の融合により、この曲はたちまち時の試練に耐えうる名曲となった。
 
「Barbie Girl」は、あるひとつの世代の若者にとっていわば青春のサウンドトラックとなった。アクアはこの曲で“バービー”というブランドの楽しく遊び心のある美学を見事に表現していた。その一方で、彼女の歌詞は青年期の本物の経験に根ざしていた。この曲は子供向けの人形を題材にしていたが、それにとどまらず、途方もなく大きなものに成長したのだ。
 
誰もが知っているバックストリート・ボーイズのヒット曲というのは、確かに数多く存在する。しかし聞いた途端にすぐにわかる曲という点では「I Want It That Way」に勝るものはない。
サビの「Tell me why」という短い一節でさえ、ある世代のファンならたちどころに記憶を呼び覚まされるだろう。この曲は、アメリカで大人気のボーイズ・グループが開講したポップスに関する特別上級クラスであり、完璧に仕上げられた売れ線の曲のお手本である。
 
「Sweet Child O’ Mine」といえば、スラッシュのギターが思い浮かぶ。それは確かだ。とはいえこの曲には、並外れた要素がたくさん詰まっている。アクセル・ローズのヴォーカル・パフォーマンスは世界トップクラスだ。
またこの曲は、ポップ・カルチャーの中で大きな役割を果たし、その結果、高い評価を勝ち取ることにもなった。アダム・スコットが『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』で披露したファミリー・バンドによるアカペラ・トリビュート・ヴァージョンは、決して誰にも忘れられないはずだ。
 
見事なまでに突拍子もないアウトキャストのヒップホップは「Hey Ya」という曲を通じてメインストリームのポップス・ファンにも認知されるようになった。この曲には、彼らの奇妙さがよく表れている。
とはいえここでは、そうした要素はあまり冒険を好まない音楽リスナーにも受け入れられる程度にうまく抑えられている。「ポラロイド写真のように振ってみて / Shake it like a Polaroid picture」というフレーズは、ポラロイドというブランドが途絶えた後も生き残っている。それは非常に素晴らしい偉業と言っていい。
 
マイリー・サイラスの「Party in the U.S.A.」は誰もが知っている曲だが、その理由は21世紀のポップスの中でも最高に強力なサビが含まれていることにある。気ままなパーティーの楽しさをこれほど上手に表現している曲はほとんど見当たらない。
 
楽曲そのものと同じくらい人気のあるミュージック・ビデオというのは、どれくらいあるものだろうか? 少なくともマイケル・ジャクソンの場合、ヒット・チャートのトップを飾るという大記録を成し遂げた曲の中に、ミュージック・ビデオの世界でも画期的な功績を残したものがいくつかある。
マイケルはたったひとりの力でMTVをメインストリーム・カルチャーに押し上げた。そして彼の曲の中でも一番大きな役割を果たしたのが「Billie Jean」だった。そう断言してもいいだろう。
 
映画『アリー/スター誕生』の中でレディー・ガガとブラッドリー・クーパーが感動的な挿入歌「Shallow」を歌うとき、映画館に集まった人々は同時に鳥肌を立てることになる。クーパーとガガは互いを引き立て合い、歌はどんどん盛り上がっていく。そうした内容や映画との関連性によって、これは誰もが知っている曲になっている。
また、フィービー・ブリッジスやコナー・オバーストなどのアーティストによるカヴァー・ヴァージョンも、この曲の知名度を上げるひとつの要因になっている。「Shallow」は、本当の意味で現代のアンセムと言える。
 
ジェイ-Zは地球上で最も有名なセレブのひとりだが、彼自身のヒット曲「Hard Knock Life (Ghetto Anthem)」は、映画『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』でマイク・マイヤーズ演じるドクター・イヴィルがパロディにしたことで影が薄くなってしまった。
当時既にこの曲はラップのメガヒットだったが、あの映画によってさらに知名度が上がった。これは、ヒップホップが世界中の若者の共通言語になりつつあることを示す初期の兆候だった。
 
グウェン・ステファニーの「Hollaback Girl」は、肩で風を切るような威勢の良さをそのまま人間にしたような曲である。彼女の情熱的な歌声、独特なミュージック・ビデオ、そして彼女の全体的なスタイル……。
ステファニーは世界でも有数のスーパースターであり、「Hollaback Girl」は彼女をその座に就けることになった傑作だった。この曲名のフレーズは一般的な用語として定着している。それは、誰もが知っている曲であることを示す最も確かな証と言えるかもしれない。
 
シンディ・ローパーの「Girls Just Wanna Have Fun」は、パーティーや気楽なライフスタイルを気軽に賛美している曲だ。それにもかかわらず、フェミニストのアンセムのような曲になっている。
これは女性たちに団結を呼びかけ、自分たちの邪魔をする人間を振り払おうとするスローガンとも言える。この曲はアメリカでフェミニズム運動が盛んになっていた1983年にリリースされ、フェミニストたちのゆるやかな集団の非公式なサウンドトラックとなった。
 
ホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」は、音楽史上に残る偉大なヴォーカル・パフォーマンスのひとつである。あのメロディーをホイットニー・ヒューストンのように歌うのはほぼ不可能に近い。それゆえ、ある女の子はカヴァーを録音しようとして延々と挫折し続けた。その模様がインターネットで公開された結果、この曲はネット上でも流行することになった。
言うまでもなくホイットニーのヴァージョンは歴史に残る永遠のヒット曲だが、熱心なファンのおかげでこの曲が再び流行したことを嘲笑ってはいけない。
 
マライア・キャリーの「We Belong Together」は、優れたポップ・ソングである。まさにオールタイム・ベスト・ソングと言っていい。とはいえクリスマスが近づくたびに、彼女の別の曲が圧倒的な勢いになる。その曲「All I Want For Christmas Is You」が再びチャートのトップに上り詰めると、その余波で彼女のほかの曲も人気が再び盛り返していく。その結果、不思議なことに、「We Belong Together」が普段にも増して耳に入ってくるのである。
 
「Wannabe」は、1990年代に最大級の人気を誇ったポップ・グループの最大のヒット曲である。この曲が誰もが知っている曲になった理由はたくさんあるが、そうした理由は聞き始めたとたんにわかる。曲の最初の「Yooooooo」という音に続いて、ポップ・ミュージックの中でも最高にスムースなサビが聞こえてくる。これらが合わさることで、「Wannabe」は議論の余地なく大ヒットとなった。
 
ボストン・レッドソックスのファンは「Sweet Caroline」を実にめずらしいかたちで利用している。彼らは自分たちのチームが勝っていようと負けていようとホームゲームでは必ずこの曲を歌い、チームの勝利を締めくくったり、大逆転を狙ったりする。ニール・ダイアモンドは野球場の中だけで人気のあるアーティストなどというわけではなく、ほかにもたくさんのヒットを出している。とはいえ、レッドソックスの熱烈なファンのおかげで野球につきものの存在となった。
 
「Shake It Off」で推進力あふれる冒頭のマーチング・バンドのパーカッションを聞いた瞬間から、テイラー・スウィフトが素晴らしいヒット曲を作り上げたことはすぐにわかる。
しかもこれはただのヒットではない。何しろ、テイラーの曲はどれもヒットしているのだから。この曲は何かが違う。これは、どんな状況にあっても前に進もうとする不屈の精神に捧げた勝利の讃歌なのである。
 
「Stacy’s Mom」は画期的な曲だった。この曲が発表されたときのインパクトは巨大だった。それは、うまく説明できないほどの巨大さだった。確かに、この曲はくだらなくてバカバカしいものだったが、同時に信じられないほどキャッチーでもあった。ここには誰もが認めたくないような親しみやすさがあり、それがさらに曲を強力なものにした。
この曲は、美しい母親を讃える歌である。その美しさゆえ、隣の家に住む少年が芝刈りを志願したくなるというわけだ。
 
あらためて「Despacito」という楽曲を振り返ると、これは、2年連続でチャートのトップを走っていたような印象を受ける。クラブ、バー、バル、フェスティバル……どこに行ってもこの曲が流れていた。
言うまでもなく、ジャスティン・ビーバーの参加によってこの曲にスターの雰囲気が加わったのは確かだ。とはいえこれが誰もが知っている名曲になったのは、「Despaaaacito」と官能的に歌い上げたルイス・フォンシのおかげだった。
 
2019年という時代を生きている人間がリル・ナズ・Xを知らずに過ごすことはできない。カントリーとラップを融合させたアーティストはこれ以前にも存在したが、そうしたサウンドの融合をリル・ナズ・Xほど楽しげに実現した人間はいなかった。
ビリー・レイ・サイラスは、この曲に参加して本物のカントリー歌手のお墨付きを与えた。そして、とてつもなくキャッチーな決めフレーズのおかげで、この曲は誰もが知っている曲になった。
 
エルトン・ジョンの「Rocket Man」は、実に注目に値する曲だ。その理由は、地球上で彼ほど高い音を出せる人がほとんどいないという点にある。挑戦してみれば、恥をかくこと間違いなし。とはいえ少なくとも、人間なら誰にでも挑戦する権利が平等にある。
今やこの曲はカラオケの定番になっている。なぜなら難しいからこそ失敗が許されないからだ。さらに、同じタイトルのエルトンの伝記映画『ロケットマン』が公開されたことで、この曲は新たな命を吹き込まれ、新たな観客を獲得した。
 
安っぽいシンセサイザーやパリッとしたサウンドのドラムスが入ったボーイズ・II・メンの「I’ll Make Love To You」は、一瞬で時代の徒花だとわかる曲だ。とはいえこれは非常に盛り上がる曲なので、時代も超えて誰からも愛されるセックス賛歌となったのである。
絹のように滑らかで、何とも言えないほどロマンティック。そんなこの曲のおかげで、何世代もの子供たちがこの世に生まれることになった。
 
たしかに『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』主役のトニー・ソプラノは同意しないかもしれないが、「Mom’s Spaghetti」というフレーズを聞いて私たちが思い浮かべる曲はたったひとつしかない。
それは、エミネムの映画『8マイル』を象徴する名曲であり、歴史に残る偉大なスポーツ・トレーニング・ソングでもある。これを一度聞けば、壁を突き破って走り出したくなるはずだ。
 
誰もが知っているザ・ビートルズの曲を選ぶというのは、骨折り損のくたびれ儲けである。なぜなら、ほとんどのザ・ビートルズの曲は誰もが知っている曲だからだ。
とはいえ「Here Comes the Sun」は確かに誰もが知っている曲のリストの中に含まれている曲であり、今回の企画で選んでもまったく問題はない。この曲はビートルズの典型的な曲だ。キャッチーで美しく、創意に富んでいる。ポールとジョンのハーモニーは伝説的であり、この曲の甘美さは、音楽が創造され、消費される限り、いつまでも絶えることがないだろう。
 
マーク・ロンソンとブルーノ・マーズによるモダン・ファンクのリバイバルは、懐古趣味を満足させるための特別上級クラスと言えるだろう。過去に頼るのではなく、むしろ過去を利用して、現代的なお手本を作り上げているのである。
この曲は、ジェームス・ブラウンやパーラメントの全盛期に間に合わなかった不運な世代にファンク・ミュージックを紹介することになった。
 
楽しく過ごすことを表現した曲といえば、ブラック・アイド・ピーズの「I Gotta Feeling」がすぐに思い浮かぶ。金曜の夜になるとこの曲が学生寮で流れ、大きなパーティーに参加する前にゲームに興じる若者たちの気分を盛り上げていた。この曲はポジティブな雰囲気を醸し出し、あらゆる人に肯定感を与えてくれる。
 
ロス・デル・リオの「Macarena」のあの印象的なダンスは、歴史上で最も人気のあるダンスかもしれない。「Thriller」のダンスもかなりの人気があるのは確かであるし、ある世代にとっては「Soulja Boy」も伝説的なものとなっている。とはいえ「Macarena」のように世代を超えてファンを生み出し続けているダンスはほかにない。
これは5歳から95歳までのありとあらゆる人が知っているダンスであり、誰もが知っているダンス (もっと具体的に言えば、誰もが知っている歌) でもある。
 
「One Dance」の冒頭で聞けるピアノと南米風のパーカッションは、リリース当時、ダンスフロアを席巻していた。ドレイクのあの歌うようなラップはこのグルーヴの中にうまく収まっており、そのゆったりとした奔放さからは時代にぴったりの独特な切れ味が感じられる。
 
最初のドラム・ヒットがスピーカーから鳴り響くと、その後の流れはもうご存知の通り。リアーナの「Umbrella」は、稀に見る曲だ。このドラム・ビートは聞いた途端にわかる特徴的なものだが、サビもそれに負けてはいない。まさにポップ・ミュージック史上最高の決めフレーズである。
この曲は、まるで気象予報士が作ったラブ・ソングのように聞こえる。リアーナは音楽界でも最高に強力なディスコグラフィーの持ち主だが、これはそんな彼女の楽曲の中でも特に傑出した作品である。
 
あなたは「Bailando」のショーン・ポールのイントロを聴いても、腰を振らないでいられるだろうか。そんなことは実のところ不可能である。リズム・セクションは推進力に満ちており、それが曲を引っ張っている。
また、これを聴き込んだ世界中のファンは、ポールの真似をして「エンリケ! 歌ってくれ!」と叫ぶタイミングを正確に心得ている。これは実に魅力的な曲だが、ポールの個性とアドリブの才能によって単なるキャッチーな楽曲という以上のものになっている。
 
今から振り返ると、マルーン5がカーディ・Bをコラボレーションのパートナーとして起用したのは、ロック・ミュージックの中でも最高にシンプルで賢い選択のひとつだった。アダム・レヴィンの繊細な歌声のおかげで、この曲は穏やかな仕上がりになっている。
これは、人生を支えてくれる人との関係を愛情たっぷりに歌い上げた曲だ。この曲は、ポスト・ティンバーレイク世代のポップ・ジャムであり、カーディの素晴らしい個性のおかげで至高の世界へと昇華されている。
 
今回のリストにボン・ジョヴィが登場するのはこれで2度目だ。そのこと自体が、彼らの比類のない能力を証明している。このバンドは、スタジアムで盛り上がるアンセムを作るのを得意としているのだ。この曲は困難な課題に立ち向かうことについて静かに考えをめぐらしているが、その一方で史上最悪のタトゥーの元ネタにもなった。その点に関しては、ボン・ジョヴィに永遠に感謝しなければいけない。
 
ネリーの「Hot in Herre」の冒頭で流れる不吉でキャッチーなピアノのフレーズがきっかけとなり、ダンスフロアでのグラインドや目の下に包帯を巻くファッションが流行した。そのイントロに続いてビートが刻まれ、ネリーが伝説的なフローを披露していく。
それによってこの曲は単なる興味深い曲に止まらず、2000年代初頭のアメリカ南部のラップを代表する曲にまで出世することになった。
 
聴く側がケイティ・ペリーの「California Gurls」の歌詞に自分を重ねるかどうかはさておき、ケイティはカリフォルニア州の女性の美学を新たに定義し直した。
この州の大きさを考えると、女性がそのような巨大な力を持つことは非常に驚くべきことである。とはいえスヌープ・ドッグのヴァースとケイティのワイルドでセクシャルなビデオのおかげで、この「California Gurls」は新たなカリフォルニア・ガールのイメージを生み出すことになった。
 
ブライアン・アダムスの「(Everything I Do) I Do It For You」は素晴らしいバラードであり、ロマンティックな曲で好まれる要素をすべて含んでいる。アダムスが歌の中で心の内をさらけ出しているため、この曲には少し陳腐な雰囲気が感じられる。
さらにはパワー・コードやアリーナ向けのドラム、たっぷりと盛り込まれたバック・コーラスといったロックの典型的な要素もいっぱいに詰まっている。そうした表面的なきらびやかさはあるものの、ここでアダムスが歌っている感情は普遍的なものであり、現代の恋愛にも通じるものがある。
 
ローリング・ストーンズは、ある世代の苦悩を「Paint It, Black」というフレーズで言い表し、それを曲に仕上げた。そんな芸当ができるバンドはほとんどない。
キース・リチャーズが奏でるヒリヒリするようなギターとチャーリー・ワッツが叩き出す推進力に満ちたドラム・ビートに導かれ、この曲は社会に対する不満を歌い上げたアンセムとなっている。このようなキャンバスは、ミック・ジャガーの威勢のいいヴォーカルが活躍する場としては申し分なかった。
 
「Baba O’Riley」のオープニングのリフレインは、ロックンロールの歴史の中に残る傑作である。もしこのリフレインが5分間続くだけの曲だとしても、今回のリストに入る資格は十分にある。
とはいえこの曲が素晴らしいのは、リフレインの上に重ねられた力強いピアノのコードとキース・ムーンの化け物じみたドラムスである。「Teenage Wasteland」としても知られているこの曲は、通常の規範に逆らってよりいい人生を求める歌である。
 
4・ノン・ブロンズの「What’s Up?」はアコースティック・ギターとエレクトリック・ギターの催眠術のようなブレンドが主軸となった曲で、それをリンダ・ペリーの素晴らしいヴォーカル・パフォーマンスがさらに引き立てている。
この曲は、1990年代のオルタナティヴ・ロックを象徴する作品となった。言葉のないサウンドと時折現れるリフレインが同居するサビの部分を聴けば、すぐにこの曲だとわかる。それは、モダン・ロックにおける偉大な瞬間のひとつである。
 
ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」のオープニングのコードは、もしかすると音楽界で最も有名なものかもしれない。カート・コバーンのギターが弱々しく始まることで、デイヴ・グロールが叩くあの有名なドラム・フィルの大爆発が強調されている。
世界中の向上心に燃えたパーカッショニストがこのグルーヴをひたすら練習したが、それはこの曲を構成する要素の一部に過ぎない。とてつもないクライマックスとなるサビの部分のおかげで、これは過去30年間に作られたロック・ソングの中でもとりわけ強力な作品のひとつとなった。
 
ジョン・レノンの「Imagine」は、誰もが知っている曲である。その理由は、この曲が時代を超えた価値観を持っている点にある。戦争や飢餓、腐敗した組織に悩まされている現代社会の中で、平和と優しさに満ちた世界を実現しようとするレノンのメッセージは真実味を帯びている。
今、そのメッセージの力はかつてないほど強まっているかもしれない。レノンがこの曲を作ったのはビートルズ在籍時ではないが、この曲はビートルズが世界に与えた多大な影響と切っても切れない関係にある。
 
“誰もが知っている曲”50曲目は是非みなさんが思い浮かべる1曲を下記のコメント欄にお寄せください。
Written By Sam Armstrong
 
 
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