「低音を聞くと人は踊りたくなる」という研究結果が示される – GIGAZINE(ギガジン)

POP



パスワードの再発行

ダンスフロアや激しい音楽ライブでは低音のビートが響いており、低音は「思わず体が動いて踊り出したくなる」印象があります。そのような低音とリズムの感覚について、カナダのマックマスター大学の研究者らによると、ダンスフロアを盛り上げるには「低音がすべて」であり、さらにそれは低音だからノりたくなるというようなものではない「意識を超えたもの」であると研究で示されました。

Undetectable very-low frequency sound increases dancing at a live concert: Current Biology
https://doi.org/10.1016/j.cub.2022.09.035

Bass instinct: low notes really do get people dancing, research finds | Neuroscience | The Guardian
https://www.theguardian.com/science/2022/nov/07/bass-instinct-low-notes-really-do-get-people-dancing-research-finds

研究では、ダンスフロアやエレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)のコンサートで流れる音楽について、超低音波サウンドが導入された場合に、イベントの参加者をより多く動かしたことが観察されました。マックマスター大学の神経学者であるダニエル・キャメロン氏によると、「低音は、周波数が低く実際には耳に聞こえていなくても、実際に人々を踊らせる効果があると実証できました。これは、『このような音が聞こえてくると踊りたくなる』という意識的な認識からくるものではなく、意識を超えたものです」と述べています。

研究チームは、カナダで開催されるEDMコンサートで非常に低音の周波数を流すVLFスピーカーを設置し、コンサートの参加者のうち調査の参加に同意した43人にモーションキャプチャー用のヘッドバンドを着用させました。そこで、VLFスピーカーを2.5分ごとにオンとオフで切替えることで、低周波が流れている時と流れていないときの動きの違いを比較しました。

結果として、低周波が流れている時間、参加者は平均で11.8%多く動いていたことが観察されました。キャメロン氏はこれを、低音により人々がより激しく、あるいはより誇張された動きでダンスしたことを意味すると指摘しています。

この結果に関連して、マンチェスター大学で音楽やダンス・芸術が神経に与える影響や効果について調査するMcMaster Institute for Music & the Mindによる2014年の研究で、「人々は高周波の音の変化よりも、低周波の音の変化により気づきやすい」ということが示されています。このように、ベースラインのような低音は人体に「神経同調」を与えてリズムを追いかけさせる効果があるなど、低音と体の動きに生理学的なつながりがあると考えられています。

なぜ人間の脳は音楽の低音を愛するのか? – GIGAZINE


しかし、キャメロン氏らの研究ではさらに、「低音で体が動くのは、音楽の変化に対応してではなく、無意識のレベルの反応である」ということが示されています。VLFスピーカーによる実験を行ったコンサートの参加者51人に、さらに「体で音楽を感じるか」「体で感じたことがダンスなどの動きに影響を与えるか」についてアンケートが行われました。その結果は、多くの人が「音楽で得た感覚に身体的動作が影響される」と回答しましたが、この回答結果は低周波の実験を行っていない通常のコンサートでも同程度の回答となっています。また、同じコンサートに低周波スピーカーが用いられたかどうか判断する実験でも、参加者はそれらを偶然以上の根拠で区別できなかったとのこと。これらのことから、「低周波は身体的感覚に影響を与えていないが、身体の動きには影響している」とキャメロン氏は結論付けています。

スコットランドのダンディー大学で認知神経科学を研究するアン・カイテル氏は今回のマックマスター大学の研究に対し、「非常に低い周波数の音が出席者の動きにわずかでも影響し、その影響が個人的なものではなく全体で一貫しているように見えます」と研究の有用性を評価しています。また合わせて、「実際のコンサート中で個人がどう動くかを観察する」という、研究室では行うことができない「野性の研究」は非常にまれだが重要である点も高く評価できると述べています。カイテル氏によると、将来の研究分野として「音が身体的活動に無意識に影響を与える」という点を掘り下げて研究し、さまざまな音を人々の脳活動がどのように受容し、どのように身体的活動に影響を与えるのか、という調査が期待されているとのことです。

・関連記事
今まで未解明だった「音楽」が脳で処理されるメカニズムが明らかに – GIGAZINE

なぜ人間の脳は音楽の低音を愛するのか? – GIGAZINE

「音楽で感動できるタイプ」かどうかは脳内部位の連携の活発さに左右されていることが判明 – GIGAZINE

音楽を演奏することは脳にどのような影響を与えるのか? – GIGAZINE

チンパンジーは音楽が流れると自然に踊りだすことが判明、メスよりオスの方が踊る – GIGAZINE

・関連コンテンツ
<< 次の記事
Twitterの元エンジニアが「非倫理的なシステム」を作らされそうになった時のエピソードを打ち明ける
前の記事 >>
イーロン・マスクの買収後Twitterのデイリーユーザー数が「史上最高」を記録、一方で100万アカウントが消え去ったという指摘も
in サイエンス, Posted by log1e_dh
You can read the machine translated English article here.
直近24時間に読まれた記事のランキング
2022-11-04から2022-11-10の再生回数ランキング

source

最新情報をチェックしよう!
広告
>すべての音楽情報をあなたに・・・

すべての音楽情報をあなたに・・・

インターネットで情報を探すとき、あなたはどうやって探しますか?いつも見ているページで情報を得る?検索エンジンで好きなアーティスト名を検索してでてきたものを見る?本当にそれであなたの欲しい情報は手に入れられていますか?

CTR IMG