Absolute area | Skream! インタビュー 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト – Skream!

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INTERVIEW
Japanese
2022年12月号掲載
Member:山口 諒也(Vo/Gt)
Interviewer:稲垣 遥
2022年は“出れんの!?サマソニ!? 2022”を勝ち抜いて“SUMMER SONIC 2022”に出演。ライヴ・シーンで評価を上げてきている3ピース、Absolute areaがニュー・ミニ・アルバム『Future』をリリースする。これまで過去の恋愛や情景を丁寧に描いたナンバーが同世代を中心に支持を得てきた彼らが、コロナ禍を経て未来をテーマに全6曲を制作した理由と、”挑戦”を掲げた2022年のAbsolute areaについて、そしてバンドの”未来”について、フロントマンの山口諒也に語ってもらった。
-12月号掲載ということで、2022年のAbsolute areaを振り返ってみたいのですが、バンドにとって、または山口さんにとってどんな年になりましたか?
2022年は僕ら”挑戦の年”って言ってて。今回作ったミニ・アルバムももちろん挑戦ですし、配信でのリリースもちょこちょこしてまして、それもまた挑戦ではあったんですけど、特にライヴに挑戦が詰まってました。5月にやったライヴ(”ONE MAN LIVE! 2022「mirroring」”)では、3人だけじゃなくて初めてキーボードにサポートを入れたり、バックスクリーンに映像を流しながら演奏したり、ライヴに付加価値をつけるというか、どういうふうにライヴを作っていったらお客さんに喜んでもらえるんだろうって考えて、ほんとにいろんなことを試してみた1年間でしたね。
-”挑戦の年”と掲げた当初思い描いていたことは、ある程度できましたか?
自分のやりたいものというか、実現させたいことをとりあえず今いろいろやってみようみたいなのはありましたね。
-今年は”出れんの!?サマソニ!? 2022″を勝ち抜いて”サマソニ(SUMMER SONIC 2022)”に出たことも大きかったと思うのですが、いかがでしたか?
“サマソニ”はほんとに僕にとっては刺激的な日で、僕らは2日目の出演だったんですけど、前日も遊びに行かせていただいて、肌でフェスっていうものを体感して。独特な雰囲気があって、普段のライヴとはだいぶ違うというか、やっぱ盛り上がる曲みたいなものがないと戦っていけないなって思いました。今のままじゃだめだなって思って、それが曲を作るうえでひとつのヒントになりましたね。
-初見の人でも楽しめる曲を作ろうとか。
そうですね。でも、大きいステージでも、しっかりと自分たちの曲に自信と誇りを持って歌えたっていう実感はあったので、そこはほんとにやり切れたなと思います。
-これからの課題も、いい感触も得られたんですね。そして、9月には初のファン・イベント(”Absolute area fan event『雨宿り』”)としてアコースティック・ライヴも行ったんですよね。
はい。まぁアコースティック・ライヴもあったんですけど、いろいろ企画を考えてトークもしたんです。それも新たなアブソ(Absolute area)の一面を見せられたなと思ってて。MCの方がいるからこそ引き出せるメンバーの面白さ、良さみたいなものを、一番近くで応援してくれているファンのみなさんに見せることができたんじゃないかなと思うので、ほんとにやって良かったなって感じてますね。さっきの”サマソニ”もそうだし、新しい挑戦をすることで発見がたくさんあったなと思ってて。MCもメンバーがどんどん絡んできてもらうほうが面白いなとか。
-そんなふうに得るものがあった1年の締めくくりに、今回ミニ・アルバム『Future』がリリースされることになりました。先ほどおっしゃった様々な経験も生かされていくことになったんでしょうか?
そうですね。ミニ・アルバムは2作出してるんですけど、スロー・テンポ、ミディアム・テンポの曲が結構多かったんです。今回一番大きく変わったのは、わりとアップテンポなもの多めで構成してて。ライヴで盛り上がれる曲とか、盛り上がれる要素みたいなものをたくさん入れて作っていこうと思ってたので、今年の経験が結構大きかったのかなぁと。何が足りないのかが見えてきたから、そこのピースを埋めるみたいな感覚で曲を作っていましたね。
-そうですよね。聴いていて今までにないアブソが出ていて、すごく変化を感じる作品だなと思いました。そして、今作のタイトルが”Future”ですけど、このテーマはどんなところから出てきたんですか?
コロナ禍っていうのはバンドにとって空白の期間で、活動的にも思うように進められなかったり、音源の制作に関してもちょっと間が空いちゃったりっていうのがあったので、みんなそうだったと思うんですけど、とにかく未来のこと、コロナ禍が明けたときのことをずっと考えてたんじゃないかなと。そのときに、アブソが歌いたいのもやっぱり未来のことだったし、歌の内容に限らず今回の音源はアブソのこれからを見せる、これからが見えるCDにしたいなって考えてて。タイトルって入れる曲が決まってきてからわりと決めるんですけど、気づいたら歌詞の中に”未来”というワードがめちゃくちゃ入ってて(笑)、そうなったらシンプルに”Future”がいいかなみたいな感じで決めましたね。
-これまでは過去をフィーチャーする楽曲が多かったアブソですが、そもそもどうしてこれまでは過去に、そして今回は未来に焦点を当てることになったんでしょうか。
過去のことをテーマにして歌っていても、それって結局今や未来に繋がっているものだと思うし、過去の出来事がこれからの歩み方を考えさせるものだなと考えているので、さっきの経験の話じゃないですけど、過去のことをどう未来に繋げていくかっていうことなんじゃないかなと。
-なるほど。そんな今作の1曲目の「僕が最後に選ぶ人」を聴いたときに、あまりにもポジティヴというか、曲調も含めて明るくてびっくりして。これまでも、最終的には前を向けるように帰結していたとは思うんですけど、今回振り切り具合が気持ちいいなと。どんなきっかけでできた曲なんですか?
まずはアップテンポのポップな曲を作ろうっていうところから始まっていったんですけど、歌う内容に関しては、どんな感じで決めたんだろうな……。
-私はタイトルからしても音からしてもウェディング・シーンを想像したので、何かインスピレーションを得るタイミングがあったのかなと勝手に思っていました。
あぁ~。でも年齢的にももう24になってて、周りに結婚される方もいて、そういうのももしかしたらあったのかもしれないですね。でも「僕が最後に選ぶ人」は、個人的には挑戦のひとつで、僕の好きなJ-POPって90年代とか2000年代のもので、アブソの楽曲はその年代のJ-POPを意識してたんです。だけど、この曲に関しては本当に今の世代のJ-POPの曲を作ろうみたいなテーマがありました。今回曲のアレンジを丸ごと投げて作ってもらったっていうのも、今までの僕の曲作りにはなかった要素で、これまではずっと自分が宅録でデモをほとんど完成形に近い形まで進めていって、そこからバンドに演奏してもらう作り方だったんです。でも、今回はある程度のイメージだけ伝えて、まるっと投げちゃってたんで、これも新しい挑戦でしたね。
-山口さんはご自身で細部までこだわって曲作りをしているイメージだったので、それは意外だったんですが、どうして今そういう選択ができたと思いますか?
そうですね。過去の自分だったらそれは嫌だって言ってたと思うんです。自分の曲は完成形まで頭の中で思い描いて作っているからこそ、他の誰かの手が加わることによって全然違う方向性になったりして、そのギャップを今まで受け入れられなかったんですよ。そういう変化を受け入れられなかったからこそ、今まで人と衝突することが多くて。メンバーもそうだし、関わってくれている大人の方だったり、エンジニアさんだったり。そこに対する後悔が自分の中で結構あったので、もっといろんなものを吸収したほうがいいなっていうか。
-過去の自分を振り返った結果、受け入れられるようになってきたと。
はい。そこが振り切れた要因になったのかなって思いますね。1回委ねてみて、もしどうしても違うってなったらそこは擦り合わせればいいやというくらいにはなりました。
-そうなってくると曲の幅が広がっていきますよね。
そうですね。トーク・イベントもそうだし、なんでもやってみたら新しいことが見えてくるっていうのがあったので、新しいアブソの楽曲が僕自身も見てみたくなったのかもしれないです。
-この曲が1曲目にあることでバンドの変化やアルバムのテーマを示す幕開けですね。音の面でも、序盤はストレートなピアノ・ロックな感じなんですが、2番からはマーチング・ドラムとチェンバロが鳴って、音がどんどん増えて迫ってくる感覚で、それこそ今っぽいです。
今の楽曲ってほんとに忙しいですよね(笑)。”そうか、こんな忙しくするんだ”ってくらい忙しいなと思うんですけど、今の時代、リスナーさんの耳を傾けさせるアレンジってああいうふうになっていくんだなぁと。時代に合わせて曲が短くなっていくとか、アレンジが変わっていくのは面白いなって、その波に乗るべきだなと思ったというか。アルバムって曲をたくさん入れられて、それ以外の自分のやりたい音楽も残せるのがいいところだなと思うので、流れに乗ってみて、まずはたくさんの人に聴いてもらえるような楽曲を作るのが大事だなって考えました。どんどん(時代の流れも)取り入れて変化していかないとなって思いますね。
-新しいサウンドで言うと、続く「遠い春の夢」もそうですよね。ストリングスと電子音がずっとループしていて、ギターもサビで少し鳴っているだけで、打ち込みの割合が大きいという。
バンド・サウンドとはちょっと違うところがありますよね。1曲目の「僕が最後に選ぶ人」に寄せたところはあるんですけど、ひとつ違うのが、この曲はアレンジャーさんに投げずに自分が進めていったんで、1曲目みたいな今の時代に合ったJ-POPを自分のアレンジで作ってみたものです。
-ご自身でやってみて、難しかったところはありますか?
うーん、難しさは意外となくて、でも同時にきっともっと良くはなるんだろうなって感覚はずっとありました。1曲目が丸投げだったというのもあったからか、とりあえず自分で形にするのが大事だなって。なので自分のできる天井を確かめるじゃないですけど、自分で指揮を執ってやってみようって思ってました。
-そして、「マイナスの要素たち」はコロナ禍でできた曲なのかなと思ったんですけど。
そうですね。コロナ禍でできました。いろんな経験をしていくなかで、自分の足りない部分を見つけていって、変わっていったことそのものを歌っているような気がしてて。それは出来事としてはマイナスな経験だったりもするんだけど、プラスの経験よりもマイナスな経験のほうが、人が変わるきっかけになるのかなって思うんです。コロナ禍から今までの生き方、過ごし方の中でできた歌詞だと思うし、伝えたいメッセージとしては、間違ったとしてもそこからその経験が自分を作っていくんだよってことですかね。
-まさに、そのメッセージが心に残りました。また、この曲はヴォーカリゼーションやメロディ・ラインに、山口さんのバックグラウンドにあるミスチル(Mr.Children)を彷彿させる部分が前面に出ているように感じたのですが。
はい(笑)。この曲はミスチルの「箒星」でしかないですからね(笑)。ドラム・パターンとか。
-そこはあえて出していこうという感じだったんですか?
そうですね。リスペクトを込めて。あとライヴで盛り上がる曲になると思うんで、もう思いっきりやってやろうと考えてましたね。
-そのなかでもアブソらしさを意識した部分というと?
アブソらしさって難しいんですけど、僕が作ればアブソなのかなっていう感じですね(笑)。
-この曲と「ANNIVERSARY」のドラムにはキンモクセイの張替智広さんを迎えていますね。一緒にやってみていかがでしたか?
ここもひとつ新しい挑戦ではあって。(張替さんを迎えたのは)デモの曲を再現するうえで、グルーヴとか雰囲気を出すためにかなり難しいリズム・パターンがあったのと、スケジュールもかなりタイトななかで作っていく必要があったのとか、いろんな理由があったんです。で、長年のプロのドラマーの方と作るっていうのはすごく刺激的で。張替さんのドラムは歌のレコーディングと近い気がしてて、叩けてるか叩けてないかって話じゃなくて、叩けてるなかでテイクのひとつひとつでニュアンスが全然違うんです。レコーディングって本来こういうもんなんだなって思うし、曲のアプローチの仕方は僕自身も勉強になったし、ドラムのきょっくん(高橋 響)もきっとかなり吸収できるところが多かったんじゃないかなと。しかもここからライヴで演奏するって部分で、彼は相当プレッシャーみたいなものはあると思うんですけど、そこにうまいこと応えてもらえたら僕も嬉しいですし、どう変化するのかなってのも楽しみだし。
コロナ禍やフェス出演など、この3年間の様々な初めての経験の中で見つけた自分たちに必要なものや、新たにやりたいこと。それらを惜しげもなく詰め込んだポジティヴな1枚だ。リード曲「僕が最後に選ぶ人」は、鍵盤の音色やドラムの変化で畳み掛けていくアップテンポなポップ・チューン。さらに電子音やストリングスのループを据えた「遠い春の夢」とサウンド面での挑戦を見せると、壁にぶつかった瞬間に得た気づきから生まれたメッセージ・ソング「マイナスの要素たち」や、年月を重ねてきたふたりの日常を絶妙な温度感で描く「いくつになっても」、「ANNIVERSARY」を経て、ノスタルジックな景色から壮大に夢を描く「橋を越えれば」で美しく締めくくる。経験を取りこぼしなく実力に変え、頼もしく未来へ向かうアブソに期待。(稲垣 遥)
平均年齢19歳の3ピース、Absolute areaのニュー・シングル。2曲の中にバンドの魅力がぎゅっと詰まった、名刺代わりに相応しい1枚である。「あなたへ」は、複雑な気持ちをまっすぐに歌うメロディのピュアさと、ミドル・テンポながら頭から最後までエモーションを止めないアレンジのスキルが詰まった、バンドの可能性を感じる楽曲。幅広いリスナーに愛されそうなキャッチーさを誇っているが、熱く骨太な演奏には、ラウドロックという彼らのルーツが見える。「ミライゾウ」は、ライヴで映えそうな口ずさみたくなるノリの良さのなかに、しっかり意志が込められた楽曲。ライヴを大事にしていきたい、という彼らのスタンスが表れている。若さだけではないセンスを持った新星の登場だ。(高橋 美穂)
なんでもやってみたら新しいことが見えてくるっていうのがわかったので、今までにないアブソの楽曲が僕自身見てみたくなった
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