日本ジャズ発祥の地・神戸 84歳女性シンガーが「テネシーワルツ」に込める夢と希望(産経新聞) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース

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現在も「ヘンリー」のステージに立つ石井順子さん(左端)=11日夜、神戸市中央区
【関西の初】 1868年の神戸港開港をきっかけに、神戸は海外との玄関口となり、異国情緒あふれるモノや文化がやってきた。ジャズもその一つ。1923(大正12)年に国内初の日本人プロジャズバンドが結成されたことから、神戸は「国内のジャズ発祥の地」とされる。今も「神戸ジャズストリート」などのイベントが開かれ、ジャズはミナト神戸に根づく。来年4月はジャズ発祥から100年。多くの人々の熱意に支えられた神戸のジャズ文化は、変わらない輝きを放ち続ける。 【写真】ジャズを熱唱する石井順子さん=昭和30年ごろ ■独自アレンジ 国内初の日本人プロジャズバンド「ラフィング・スターズ」は、宝塚管弦楽団に在籍したバイオリン奏者、井田一郎氏が中心となって結成した。 当時、「ジャズ」という言葉は浸透しておらず「踊るための曲」といった印象が強かったことから、ラフィング・スターズは「ダンスバンド」や「ダンスミュージック楽団」などと呼ばれていたという。バンドは市内のホテルや繁華街の旧居留地(同市中央区)のダンスホールなどで演奏を披露した。 「井田さんたちがジャズを独自にアレンジし、日本人にも親しまれる形にしていった」。日本学校ジャズ教育協会関西本部で理事長を務める日下雄介さん(81)=同区=はこう話す。 井田氏は、神戸に次々と入ってきたルイ・アームストロングやジョージ・ルイスらのレコードをアレンジし、日本人が聴きやすく親しみやすい形にして演奏を続けたという。しかし、戦時下の1940年代にダンスホールは次々と閉鎖。ジャズは敵性音楽として日陰へ追いやられた。 ■夜の街を彩る 終戦を迎えた1945(昭和20)年、米軍の進駐軍キャンプなどからジャズは再び広がり、ラジオなどを通して親しまれるようになった。ナイトクラブやキャバレーなどで盛んに演奏され、夜の街を彩った。 神戸・三宮でジャズバー「ヘンリー」を経営し、現在もジャズシンガーとしてステージに立ち続ける石井順子さん(84)。戦後の復興期、阪神・淡路大震災(平成7年)など、さまざまな時代の中で神戸のジャズ史を刻んできた。 飲食店を営みジャズ好きだった両親は、いつも店内でジャズのレコードを流していた。石井さんも幼い頃からジャズを口ずさむように。中学生のとき、ラジオ局の主催する歌のコンテストなどに出場し、近所でも有名になった。同級生から大人まで石井さんを「マドンナ」と呼び、登校中に大量のラブレターを渡されることもあった。 高校2年のころ、父親が事故で大けがをする。ショックで体調を崩した母親に代わり、妹と2人の弟を支えるため、神戸の音楽喫茶「月光」や米軍の基地などでジャズを歌い始める。小柄な体からは想像もつかないハリのある力強い歌声で観客を魅了した。 その一方で、終戦間もないこともあり「敵国の音楽を歌う非国民だ」と心ない声をかけられることも多かったという。 40代になってヘンリーを開業するが、阪神・淡路大震災で店は全壊。心に傷を負い、歌う気にはなれなかったが、震災から2カ月後「歌で神戸を元気づけてほしい」と誘われた。 震災の傷が残る街を目にし「ほんまに歌ってええんかな」と恐る恐る舞台にあがったという。披露したのは「テネシーワルツ」。「歌っているときは悪いことでもしているようだった」が、歌い終えると一人のおばあさんがそばにきて、涙ぐみながら石井さんの手を取った。 「あの曲は、震災で亡くした主人とダンスを踊った思い出の曲でした。ありがとう」。自分の歌で少しでも人に元気や希望を与えられるなら生涯歌いつづけよう、と決めた瞬間だった。 今でも毎週金曜日は生バンドとともに店内のステージに立ち、30曲以上の持ち歌で客を魅了する石井さん。10月に開催された「第39回神戸ジャズストリート」でもステージに上がり、若者から記念写真をせがまれていた。 「若い人たちにたくさん聴いてもらい、自分たちがいなくなった後もジャズを絶やさず大切な文化を継承してほしい」と目を輝かせた。 ■若者に場残す 神戸市中央区のジャズレストラン「ソネ」。昭和44年の開業以来「生のジャズが聞ける店」と老若男女を問わず親しまれている。神戸ジャズの拠点にもなり、「神戸ジャズストリート」の期間中も多くのアーティストがライブを開いた。 オーナーの曽根辰夫さん(70)は「若い世代にも生きたジャズを与え続けられる場所でありたい」と話す。ジャズの魅力は奏者たちのアドリブが重なり合って生み出すその時だけのサウンドだという。レコードやCDでは味わえない魅力を感じてほしい、というのが曽根さんの願いだ。 ジャズの街・神戸が生まれてまもなく100年。「ジャズの街神戸」推進協議会は「100年を記念した盛大なイベントを企画し、町を活気づけたい」と話している。(鈴木源也)
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