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<ライブレポート>オーチャードホールにて目撃する、小室哲哉初のフルオーケストラ公演
 流麗かつ荘厳な音楽の響き。日本を代表する稀代のヒットメーカーである音楽家、小室哲哉が自身のヒット曲をオーケストラ楽団を率いてライブする初のフルオーケストラ公演【小室哲哉 Premium Symphonic Concert 2022 -HISTORIA-】を2022年11月27日に行った。 その他の画像  素晴らしく芸術的なライブだった。渋谷・Bunkamura オーチャードホールでのクラシック・コンサートらしく、事前にセットリストを発表した試みもよかった。自身のユニットTM NETWORK、globe、PANDORA(※小室と浅倉大介によって2017年に結成された音楽ユニット。フィーチャリングでBeverlyが参加)はもちろん、渡辺美里、中森明菜、trf、篠原涼子、安室奈美恵、華原朋美など数多のアーティストに楽曲を提供してきた“歴史”をオーケストラの響きによって紐解いていく歴史的な公演。小室哲哉が80年代~90年代、そして00年代から現在に至るまで築き上げてきた、これまでとこれからが交差して、まるでオーパーツのように時空を超えた輝きを放つ歴史的な一夜となった。  挑戦し続けたことで生まれた個性、そして未来を切り開いてきたヴィジョン。変わらぬアートへの探求こそが、時代を席巻したヒット曲を生み出し、そして次世代へ継承するべくフルオーケストラ表現へと帰結した。そこに残ったのは小室哲哉が類稀なるメロディー・メーカーであることの証明だ。  小室哲哉は、1992年12月にソニーミュージックから、自身のルーツとなったクラシックの名曲をコンパイルしたCD『SAGA』をリリースしている。コンセプトは“架空のプログレッシブ・ロックの大作アルバム・フィルムのサウンドトラックのように”だった。注目したいのがジャケット・アートワークで撮影されたのが渋谷・Bunkamura オーチャードホールであったことだ。  あれから30年。  小室哲哉は、自身が夢見たフルオーケストラでのコンサートというフィールドへ足を踏み入れた。そもそも、小室はオーケストラ的な表現とは真逆のシンセサイザーによる音色によって日本中を躍らせたダンスミュージックのパイオニアとして知られる表現者だ。しかし、そのルーツにはシンセサイザーを世に知らしめた音楽家、冨田勲が1975年にリリースしたアルバム『展覧会の絵』、そしてロックとクラシックが融合したプログレッシブ・ロックがある。プログレ界の代表的なバンドに、エマーソン・レイク・アンド・パーマーがいた。小室が敬愛した鍵盤にナイフを突き刺すキーボーディスト、キース・エマーソンが所属した3人組だ。本公演はいかに小室がクラシック音楽から影響を受けたかが発見できる一夜なのである。  定刻が過ぎて、薄紅色のタキシードでステージに登場した小室哲哉。その出で立ちはモーツアルトを彷彿とさせる、と言ったら言い過ぎか。いや、小室は1991年にヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト没後200年に記念された音楽座ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』の音楽を担当したことがある。クラシック文化との縁は、実は深いのだ。  第一部1曲目は、TM NETWORK「Get Wild」だった。アニメ『シティーハンター』エンディング曲としても知られる、海外人気も高い作品だ。オーケストレーションに施されたアレンジは、よりプログレ色強めの重厚感でいっぱいな新感覚の「Get Wild」となった。途中、エマーソン・レイク・アンド・パーマーの代表作である1971年にリリースした、19世紀のロシアの作曲家モデスト・ムソルグスキーが1874年に作曲したピアノ組曲『展覧会の絵』における「プロムナード」のフレーズが鳴り響いた。1曲目から予想を上回る感動だ。そう、本公演は“ただヒット曲をオーケストラでカバーするだけ”のようなものではなく、小室哲哉による誰もが知る歴代の作品をヒストリカルかつクリエイティブに再構築した芸術的な攻めのライブ表現となった。  事前に取材したインタビューでは、自身が生み出したヒット曲とクラシックの名曲の融合をほのめかしていたが、大胆に小室ヒストリーをアップデートする試みに鳥肌がたった。なお、ステージの小室の周りにはピアノと並んでシンセサイザーMemmorymoogが設置されていた。moogの響きは、オーケストラ・サウンドに似合う。さらに、近年の愛機Montageなどシンセサイズ・プレイがホール空間に響き渡る。そう、繰り返すが“ただヒット曲をオーケストラでカバーするだけ”ではなかったのだ。  大きな拍手に迎えられ、ここで小室による「大変緊張しています。」と第一声が伝えられた。  自らが生み出してきた我が子のように大切な作品たち。「My Revolution」(渡辺美里)、「BEYOND THE TIME –メビウスの宇宙を越えて-」(TM NETWORK)、そして「寒い夜だから…」(trf)、「恋しさとせつなさと心強さと」(篠原涼子)と、まるで宇宙空間に吸い込まれそうな壮大なサウンドを奏でるヒット曲が続きながらも、1993年に中森明菜へ提供した「愛撫」から醸し出される芳醇なるメロディーには、観客も新鮮な驚きを隠せなかったようだ。2022年の今、あらためて再評価したい小室ソングだ。そして、優しく大きな海を感じる「NEVER END」(安室奈美恵)。近年、再評価の声も大きなglobeによるせつなきバラード「PRECIOUS MEMORIES」が奏でられていく。  小室ソングには、オスティナートというメロディーを繰り返す技法がとられている作品が多い。クラシックなアレンジと相性がよいことは、目の前で実証されている。そこに小室らしさである転調がよきスパイスとなり、メロディーの美しさが活き活きと輝きだすのだ。  初演ながら、完成度高い演奏を繰り広げるパシフィックフィルハーモニア東京による楽団の素晴らしき好演。今夏開催されたTM NETWORKのライブ【TM NETWORK TOUR 2022 “FANKS intelligence Days”】(DAY8,9)にも出演した小野かほりが、パーカッションで華やかにビートを牽引していたのもよかった。本公演で、指揮と編曲を担当した、もう一人の主役である藤原いくろうとは同じ音大出身だった縁もある。見事なチームワークで初のフルオーケストラ公演は、想像を上回る感動で時を進めていく。  20分の休憩を挟んだ第二部は、小室が1990年にリリースしたサウンド・トラック『天と地と』に収録された「炎」による重厚かつアグレッシヴな展開からリスタート。もともと、サントラでは当時数億円したシンセサイザー,サンプラーのお化けであるシンクラビアを多用したバーチャルなオーケストレーション表現を用いた作品が、原点回帰であるフルオーケストラとして生音で聴けたことに感動したファンは多かったのではないだろうか。そしてそのまま、事前発表されたセットリストには掲載されていなかった小室によるボーカル曲「天と地と~HEAVEN AND EARTH~」がサプライズで披露された。2022年の今聴いてもまったく古びることないエバーグリーンな名曲だ。小室ソングのサステナブル(持続可能)な可能性を体現するシーンとなった。うん、美空ひばりが生きていたら歌って欲しかったな、なんて。  小室は、自嘲しつつ「とうとう歌ってしまいました」と会場を沸かせつつ、globeによる大ヒット曲「DEPARTURES」へ。一気に雪の風景が目の前に広がるかのような儚げなピアノによるメロディー、音の響きを広げるオーケストレーションの重なりが美しい。  ここで、「FACES PLACES」のイントロとともにステージにゲスト・ボーカリスト、Beverlyがあらわれた。小室とは楽曲提供や、PANDORAでの活動など信頼関係を築いたシンガーである。一切ピッチのズレない、しかしとてもヒューマニティーに富んだエモーショナルな歌声。まさに、天を突き抜けるかのような驚異のハイトーンボイスを堪能させてくれた歌姫の登場。続いて篠原涼子に提供した歌詞のメッセージ性がしみるレア曲「GooD Luck」、海外人気も高いPANDORA「Be The One」にてオーケストラ・サウンドと溶け合い、ハートに響きまくる異次元の世界へと誘う歌声を披露。途中、耳馴染みのあるクラシック名曲がインパクトとして織り込まれる凄み。最上級の感動に、会場の誰もが驚きを隠せなかったことだろう。世界へ伝えたい、唯一無二の見事なパフォーマンスが繰り広げられていたのだ。  ここでBeverlyがステージから去り、小室がいくろうにアイコンタクトして早くもオーラス「I’m proud」、「CAN YOU CELEBRATE?」を迎えるステージ。それこそ、原曲においてもフルオーケストラによるレコーディング音源が制作された、90年代を代表する人気のTKヒッツだ。心揺さぶられ押し寄せる高まる感情の波。思わず涙するオーディエンスもたくさんいた。  大きな余韻が残るなか、鳴り止まない拍手のスタンディング・オベーション。しかしながら、照れ屋な小室らしく、間髪を開けずにステージに舞い戻り「音楽家なら必ず1曲は作りたいクリスマスソングなんですけど、僕の『CHRISTMAS CHORUS』を聴いてください」と、再びセットリストには予定がなかったナンバーを小室による歌唱でサプライズに披露。まさに一足早いクリスマスプレゼントだ。本作は小室が、1989年にリリースしたソロアルバム『Digitalian is eating breakfast』に収録された、自身の創作活動において思い入れの深いナンバーである。  そして、楽曲のラストからそのままにオーケストラ楽団によるサプライズで「ハッピーバースデートゥーユー」がエモーショナルに奏でられ、ハッと緊張の糸がほどけ笑顔がこぼれた小室。2022年11月27日、この日は小室哲哉64歳の誕生日だった。フルオーケストラでの自身の楽曲によるコンサート。音楽家の夢、ミュージシャン冥利につきる、忘れられない素晴らしき誕生日となったであろう。それこそ、演目候補となる曲はまだまだたくさんある。願わくば毎年恒例で楽しみたいスペシャルな公演となった。  そして、本公演は年内2022年12月9日(金)、兵庫・兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールでも開催される。ゲストボーカルにBeverly、西宮公演のみのスペシャルなゲスト奏者に小室の弟子的存在、浅倉大介の出演も発表されている。いわば、西宮公演でPANDORA一夜限りの再集結ということだ。チケットは現在発売中。音楽ファン必聴、奇跡の一夜は見逃すわけにはいかない。 Text: ふくりゅう(音楽コンシェルジュ) Photo: 岩田えり ◎公演情報 【小室哲哉 Premium Symphonic Concert 2022 -HISTORIA-】 2022年11月27日(日) OPEN 16:00 / START 17:00 東京・Bunkamuraオーチャードホール ※終演 2022年12月9日(金) OPEN 17:30 / START 18:30 兵庫・兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール 出演:小室哲哉 ゲストボーカル:Beverly ゲスト奏者(兵庫公演のみ):浅倉大介 指揮・編曲:藤原いくろう ラテンパーカッション:小野かほり 管弦楽:パシフィックフィルハーモニア東京(東京)京都フィル・ビルボードクラシックスオーケストラ(兵庫) チケット:12,000円(全席指定・tax in.) ※未就学児入場不可 チケット一般発売中 公演に関するお問合せ 【兵庫】キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~18:00/日・祝 休業)
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