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INTERVIEW
Japanese
2022年10月号掲載
Member:kyoka(Vo) Aito(Gt) 風児(Ba) REO(Dr)
Interviewer:フジジュン
名古屋発、表現力豊かな紅一点のヴォーカルが圧倒的歌唱力で存在感を放ち、テクニカルなバンド・サウンドで聴く者を魅了するES-TRUSの、実に2年半ぶりとなるミニ・アルバム『Dear』が完成。5つの楽曲が紡ぐ、ひとつの物語。ラウドなサウンドで心を揺さぶる前作までとは異なり、kyokaの歌心や独創的な歌詞の世界観が映える。大きく変化した音楽性や、コロナ禍での心変わりについて、メンバーにじっくり話を訊いた。
-約2年半ぶりの2ndミニ・アルバムとなる『Dear』を完成したES-TRUS。やはり新作のリリースに2年半という月日がかかったのは、コロナ禍でなかなか制作やライヴが進められなくてというところが大きいですか?
kyoka:そうですね。前作の1stミニ・アルバム『True or False』は2020年4月リリースだったんですけど、ちょうど緊急事態宣言でCDショップも臨時休業に入ったタイミングでした。こだわりの作品だったし、初の全国流通だったので、すごく残念で。次に出すものはもっとこだわりたいと思って、なかなか踏み出せなかったというところはありました。ライヴはコロナが収まってきてから、これからどんな方向に進んでいくかを見定めながら、少しずつ今まで通りのペースに戻して地道にライヴ活動をしてきました。
-昨年の7月にZepp Nagoyaで主催のライヴ・イベント(”ES-TLive 2021 -Turn over the FATE-“)、12月にZepp Tokyoでの無観客配信ライヴ(”ES-TLive 2021 Zepp Tokyo Thanks & So Long!”)を行って。ライヴができるようになって、メンタル面の変化はありましたか?
kyoka:メンバーと一緒にバンド活動ができるって嬉しさはあったんですが、お客さんが声出しできない状況に変わったのでなかなか勢いが出なかったりして、最初はかなり試行錯誤しながらライヴをしていました。今は制限の中でも、”これがES-TRUSのライヴです”って全力で楽しめるようなライヴを作れるようになったので、今の楽しさもあるんじゃないかなと思えるようになったし、コロナ禍があったから、ES-TRUSが1段階成長したなっていうのはすごく思います。

REO:1段階、成長した実感はあるよね?

Aito:そうだね。最初は”みんな、どういう気持ちでライヴ観てるんだろう?”って不安もありながらライヴをしてました。最近はその経験のおかげで、どんなライヴをしても自分たちの気持ちは変わらず、全力で届けるってメンタルにも持ってくことができるようになったし、1段階強くなったと思います。
-なるほど。なぜコロナ禍のことを掘り下げたり、遠まわしに話を聞いてるかと言うと……2年半ぶりのミニ・アルバム、どうしたんですか(笑)?
kyoka:本当に”どうしたんですか?”ですよね(笑)。
-だって、以前の楽曲たちと比べたとき、ガラッと方向性が変わってて。ラウドなサウンドがなくなって、より歌を重要視したポップなサウンドに変貌してるじゃないですか?
Aito:そうですよね、たしかに”どうしたんですか?”って思いますよね(笑)。
-そこで今までと違った表現にたどり着いたのには、コロナ禍で考えたことや、ライヴ様式が変わったことや、いろんな要因があったんだろうなと思って。2年半のことを詳しく聞きたかったんです。
kyoka:考えの変化はありましたね。前まではライヴでどれだけ動けるか? どれだけ汗をかけるか? どれだけ声を出せるか? を重視して、ライヴに来たら音楽を聴くというよりは、みんなで一体になって楽しむっていうほうを大事にしていたんですけど、コロナ禍になって、それができなくなっちゃって……じゃあ、どういうライヴをしよう? と考えたときに、ES-TRUSが真剣に音楽を届けると、それをちゃんと観てくれている方や聴いてくれている方もいるんだってことを改めてすごく感じて。”ES-TRUSのライヴは楽しいよ!”って伝えるだけじゃなくて、その人に音楽を届けるってこともしていいんだと気づいたときに、新しい試みもしてみようと思って、今回は今までとガラッと変わった楽曲制作に挑戦してみようということになったんです。

REO:今までとは真逆レベルの変化ですもんね。今まで聴いてくれていた方は”方向性変わった!”ってなるけど、初めて聴く方にはすごく親しみやすい作品になったなと思います。ここから深掘りしてもらえたら嬉しいし、すごくフックになるアルバムになったと思っています。
-うん。だから勘違いしてほしくないんですけど、ガラッとイメージは変わったけど、だから良くないって話じゃなくて。すごくいい作品になったなと思うんです。こういった表現方法だからこそ伝えられるkyokaさんの歌心や言葉たちもあるし、一曲一曲でしっかり楽曲世界が作れているし、作品全体の物語性もあるし。こういった表現方法ができるっていうのも、大きな成長の証ですよね。
Aito:気づいたら、こういう方向性になっていた感じでしたね。今までは曲の段階で”ライヴでこうしたい”っていうのに重きを置いて、パフォーマンス込みで曲を作っていたんですけど、それだと良くも悪くもやっぱり”ライヴで聴くといいよね”みたいな感じがあって。今回は楽曲だけで勝負できるというか、純粋に”ES-TRUSとして曲を作る”っていうことを重視して作っていったら、自然とこういう形になっていきました。

REO:最初はちょっと不安だったよね? 今まで聴いてきた人に”え、違うじゃん?”みたいに思われたらどうしよう? という気持ちもあったし。でも曲を作っていって、レコーディングして完成して、改めて聴き返したら”めちゃめちゃいいじゃん、俺たちの曲!”と思って、すごく自信が持てました。MVを出すときもみんなの反応が実はちょっと怖かったんですけど、観てくれた方の反応を見る限り、意外とすんなり受け入れてくれてほっとしました。
-YouTubeのコメント欄も、すごく好意的なコメントが多いですよね。
kyoka:そうですね。今回の5曲は、私が歌メロと歌詞を一部だけ作って、ヴォイス・メモに録ってあった曲を掘り出してきたんです。”ES-TRUSと言えば激しいロック”みたいなイメージが自分の中でもあったので、そこに残してた曲はES-TRUSの雰囲気ではないかなと思っていたので、とにかく思いついたからメモしていたものでした。それをメンバーに聴かせて、”今回は違う方向性でこういう曲を出してみよう”って決まったときは私もやっぱり不安でしたけど、レコーディングをして、みんなで一緒にデモを作っていったら、”やっぱりいい曲作れるんだな”って安心にも繋がりました。だからES-TRUSが今まで出してきた曲とは全然違うかもしれないけど、ES-TRUSじゃないとは思われないだろうなって自信はあります。
-そこは僕も本当にそう思ったところで。過去楽曲を聴き返したときに、表現の仕方こそ違えど、根本のところは変わらないなと思って。なんだろう? と考えたら、やっぱりkyokaさんのヴォーカルなんですよね。そこをどう見せるかって違いこそあれど、根っこの部分は全然変わってないなと感じたし、これもES-TRUSの進化の過程なんだろうなと思いました。
風児:楽器の話で言うと、今まではそれぞれ個性強めで目立っていこうみたいな気持ちもあったし、より激しくみたいな方向性だったんですけど、ヴォーカルを中心にしたライン作りをするという部分がこの『Dear』で大きく変わったところだし、こだわったポイントです。

kyoka:今までは”俺が主役だ!”って、みんなが思ってたもんね(笑)。だから今回は、楽器隊がしっかりヴォーカルを支えてくれているのが、やっていてすごく心地いいです。

Aito:大人になったよね、俺たち?

kyoka:そうだね(笑)。バンド全体でカッコよく見られるバランスが取れれば、結果それぞれのメンバーのためになるみたいなのは最近、すごく思いますね。
-それぞれがバンド全体のバランスを考えて、ワンステージ上の表現ができるようになってね。ホントだ、大人になってる(笑)。ライヴでは新曲たちも交えつつ、今までやってた激しい曲も変わらずやるんですよね?
kyoka:はい。だからライヴの中で、起承転結じゃないですけど、いろんな世界観が味わえるライヴができるようになるんじゃないかと思っています。また表現の幅が大きく広がって、その日その日のライヴがより楽しくなりそうです。
-ライヴでお客さんに面と向かって届けるっていうのは、やっぱり特別ですからね。
kyoka:今もライヴハウスに来るのが怖い人がいたり、直接会うだけがすべてじゃないっていう状況に変わってしまったので、気持ちの伝え方とか、どう発信していくかみたいなことをより考えなきゃいけないなというのは思っています。”とりあえず楽しもうぜ!”と言っていたMCも、来てくれた人への気持ちをもっと伝えなきゃってところで変わっていったと思うし、歌詞も今までは自分の気持ちしか書いていなかったんですが、誰かに向けて書くということに重点を置いたから、この『Dear』で結構変わったのもあると思います。前作のミニ・アルバムは「君がいて」という楽曲だけが、誰かに伝えようって気持ちで書いた曲だったので、今回はアルバム全体を通して誰かに伝えるための1作になりました。

-”Dear”というのも届け手がいるからの言葉ですもんね。
kyoka:そうですね。”親愛なる、大切な人に届けたい手紙”がアルバムのテーマになっているので、今回の5曲はそこがこれまでと大きく違うところなのかなと思います。
-どの曲も一人称、kyokaさんの場合は”僕”と表現していますが、”僕”に対して、届け手である”君”が出てきます。
kyoka:はい。今までは自分の中の気持ちをただ書いている歌詞が多くて、”君”に向けて喋り言葉で書くとか、そういうのはやってこなかったんです。前向きな歌詞を聴いたり書いたりするのも苦手で、書いている途中で”いや、でもそんなに上手くいかないよな”と思ってしまったり。本当に伝えたいストレートな言葉を歌詞で使おうとしても、”みんな聴いたことある言葉だから、自分が歌ったときに意味をちゃんと届けられないな”と思ってしまって。自分に自信がなくて歌えなかったというのも、前向きな歌詞を書かなかった理由のひとつなんです。それがコロナ禍でメンバーと会えない時間が長く続いて、人との距離感や伝える気持ちの大事さを考え始めて、自分のことより相手のことみたいに考えられるようになって。”あまり考えすぎても仕方ないか”と思ったら何かポンッと外れた気がしたんです。
-今聞いてて思ったんだけど、「オレンジ」とか前向きな曲だけど、”似た者同士の行進曲だ”って歌詞があるように、みんなに向けた曲ではなかったりするわけじゃないですか? そこに「メモする」とか「Calling」とか、心の内側を歌いながら、結果前を向いてという曲もあって、kyokaさんにしか書けない言葉でしっかり書けてると思いますよ。
kyoka:嬉しいです! ありがとうございます。

初の全国流通となった1stミニ・アルバム『True or False』から約2年半。2ndミニ・アルバムではライヴ仕様のラウドなサウンドを封印し、”この間に何があったの!?”と思わせるような、歌を重要視したサウンド作りに変貌した。しかし表現方法は変われど、kyoka(Vo)の圧倒的な歌唱力や独創的な歌詞の世界観は凄みを増すばかりで、よりバンドの個性や存在感を増した感のある今作。バラード曲「華向」で始まる5曲は、日々の生活に寄り添うような身近さと、”僕と君”の物語を1枚を通じて綴るような物語性があり、聴き手を選ばないポピュラリティと、”これは私の歌だ”と思わせる共感性を併せ持っている。ここから大きく飛躍していくであろう、ES-TRUSのターニング・ポイントとなる重要な1枚だと思う。(フジジュン)
本物志向のリスナーを唸らせるラウドロック・サウンドという枠組みの中に様々な音楽のエッセンスを凝縮するという意味で、このバンドの魅力を物語るのは、間奏がジャズになるリアレンジ版の「NOT HATCH」、仮タイトルが”激しいバラード”だったという「媚愛」、ヒップホップとラテンのテイストも含む「暁-akatsuki-」の3曲か。紅一点シンガーを擁する名古屋の5人組が結成から4年。満を持してリリースする初の全国流通盤は、ライヴの定番曲に新曲も加えた、これまでとこれからを繋げる全7曲を収録。マイナスの感情を歌うことが多かった彼らが爽やかさとシンプルさという新境地を打ち出したバラード「君がいて」をリード曲に選んだのは、彼らがすでに、ここから始まる新たなキャリアを見据えているからだ。(山口 智男)
コロナ禍で”人に音楽を伝えること”を改めて考えた、ES-TRUSの重要な成長過程となる1枚
“これが私たちの代表曲です!”――名古屋の5人組ロック・バンド、ES-TRUSが満を持して全国デビュー
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Skream! 2022年12月号
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