授業で子どもたちにストリートダンスの楽しさ教える谷奥麻美さん …

　今夏から和歌山市内の小中高校の授業で、谷奥麻美さん（34）はプロダンサーの仲間とともにストリートダンスを教えている。「踊り方に決まりはありません。音楽に合わせて笑顔で楽しんで」。子どもたちにはいつもそう伝えている。
　和歌山市で生まれ育った。テレビに映る歌手・安室奈美恵さんの踊りに引き込まれ、小学3年生からダンス教室に通った。
　ストリートダンスをはじめたのは中学時代。和歌山市駅やJR和歌山駅の「わかちか広場」で仲間と踊った。現在は市内でダンススタジオの運営に携わる。家に帰れば4人の子どものお母さん。「子どもが大好きで今も保育園の先生になりたい」と話す。
　昨年12月、学校で必修科目になったダンスを、運動会や授業参観で発表するために指導で苦労している先生が多いと、大阪のダンサー仲間から聞いた。
　役に立てることがあるんじゃないか――。中学時代に駅で一緒に踊っていた仲間に声をかけ、チーム「Havifun　Wakayama」を結成した。チームのリーダーを務める。メンバーは地元や海外で実績を積む5人のプロダンサーらだ。
　すぐに市教委であった小中学校の校長会に出向き、ダンスの振り付けや構成で先生を手助けしながら、子どもたちにダンスの楽しさを知ってもらいたいと呼びかけた。今年7月、文化庁が取り組む「文化芸術による子供の育成事業」の芸術家の派遣事業として活動をスタート。今年度は小中高の14校で指導することが決まった。
　11月24日は、市立加太小で子どもたちとふれあった。ビートの利いた音楽が流れる体育館で「先生、腕の振り方を見てください」と子どもたちに囲まれた。アドバイスにと、体を小気味よく動かすと「かっこいい！」と歓声が上がった。
　ダンスと出会ったことで、いまの自分があると思っている。「子どもたちにはダンスを楽しんでほしいし、目標を持ってもらいたい。新しい自分を発見して自信をもてるようになってほしい」
　ダンス授業の問い合わせは、チーム事務局（080・6113・1146）。（高田純一）