中田裕二×渡會将士、クラブチッタ川崎が仕掛けるツーマンシリーズ第二弾は「同世代で最も才能がある」と認め合う2人が登場 – http://spice.eplus.jp/

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中田裕二 / 渡會将士
――まずお二人の出会いから聞いていいですか。
渡會:実は、バンド時代はほとんど絡んでないんです。
中田:ほとんどというか、皆無でしたね。
渡會:自分がデビューした時にはもう、椿屋四重奏という名前はみんなに認知されていて、サーキット系のイベントででっかいステージに出てるイメージがあったんで、勝手に先輩だと思ってました(笑)。それからずーっと交わらないまま、お互いバンドからソロになって、それからかな。
中田:FoZZtoneはすごいクオリティの高い音楽をやっていたし、洋楽的な要素もすごいあって、ほかのバンドとちょっと違う、独特なイメージはありましたね。
渡會:形容しづらいというのは、自分たちでも思ってた(笑)。
中田:かっこいいバンドだなと思ってて、遠くから怯えてましたよ。すげぇ奴がいるって。だから逆に近づかなかったのかもしれない(笑)。本当に接点がなくて。同い年と知ったのも最近というか。
渡會:それこそ仙台で、お互い弾き語りで出てて、中村(マサトシ)さんと裕二くんが一緒に演奏するところに、強引に参加させてもらうことがあって。
中田:あれが最初だっけ、「MEGA☆ROCKS」っていうサーキットフェスで。そうだ、お互いCHAGE and ASKAが好きだっていうことで、セッションしようということになって、ワッチが飛鳥さんの振り真似をするという(笑)。
渡會:二人(中田&中村)の間で、すでにチャゲアスのスタイルが完成されてたから(笑)。そこに呼ばれたんだけど、やることなくて、二人の後ろで飛鳥さんの振り真似をして、おかしな空間を作っていたという。
中田:それが、すっごいうまいんですよ。
渡會:それもあって、飛鳥さんのライブに裕二くんが誘ってくれて、一緒に行ったんだよね。
中田:でも本当の最初は、山梨でしたっけ。誘ってもらったのは。
渡會:ああ、そうだ! 自分の弾き語りの全都道府県ツアーで、ところどころツーマンが入ってて、甲府は同年代の人を呼んでみましょうかといって、探してたら、「渡會さん、この人、タメですよ」という話になったんだ。
中田裕二
――それが『渡會将士 JAPAN? TOUR』、2020年1月、甲府公演。コロナ直前ですね。中田さん覚えてます?
中田:覚えてます。めちゃくちゃ歌がうまいし、いろいろ機材を駆使したり、即興で曲を作って歌ったりとか、すごい芸達者な人だなと思いました。
渡會:なんだっけ、ギターのボディを叩くやつ。スラム奏法か。あれを裕二くんがやってて、「あ、これはみんなにかっこいいと言われるやつだ」と思ってた(笑)。自分にない技術を持ってたんで、逆に自分も、芸達者だなと思いましたね。
――そこで一気に距離が縮まって。
中田:話してみたら、共通点もあって、タイプ的に似てるのかな?と思いましたね。音楽の突き詰め方とか、とらえ方とか。お互いに洋楽がすごい好きだから。
――ちなみにアーティストやジャンルで言うと、どのへんが共通点ですか。
中田:たぶん好きなジャンルは違うと思うんですけど、洋楽のシンガーソングライターのやり方をすごく意識してるというか、ルーツミュージックみたいなものをしっかり消化できてるアーティストが好きなのかなっていう感じがします。
渡會:(中田の)この間のアルバム(『LITTLE CHANGES』/2021年)を聴いても、ルーツがはっきりしてるというか、最近のシティポップじゃなくて、昔からあるオールド・ソウルとか、そういう感じだったし。プレイヤーも、渋い人選んでるもんね。スミさん(隅倉弘至)の仕事もすごいなと思った。人選も含めて、ルーツがしっかりしているというのをすごい感じましたね。
――渡會さんのルーツって、どのへんでしたっけ。
渡會:僕はもうぐちゃぐちゃで、幼少期に聴いてたのがサイモン&ガーファンクルとかで、母親がグループサウンズが好きで、ビートルズとかも家にあったんですよ。そういうのを聴きながら、小学校低学年の時に、東京ディズニーランドでやってたマイケル・ジャクソンの「キャプテンEO」を見て、死ぬほど感激して、マイケル・ジャクソンのCDを買ってもらって、ずっと聴いてました。それで気が付いたら、ソウル、ファンク、R&B、ブルースとかが下地にある人を好んで聴いてた、みたいな感じはあります。
――中田さんは?
中田:僕は、生まれはチャゲアスで(笑)。でもね、チャゲアスって、ものすごくいろんなジャンルを消化してる音楽なんですよ。最初は演歌フォークで、途中からニューウェーブが入ったり、ソウル方向に舵を切ったり、途中は完全にAORだし、特に後期は黒っぽい要素が強くなるんですよ。それを聴いて育ってるんで、リズムの取り方とか、メロディの入れ方とかが、同世代の多くのミュージシャンとは違いますかね。僕ら世代だと、同時期に流行っていたメロコアとか、青春パンクとか、グランジとか、そういう系をやってる人のほうが多かったんで、そんな中で、チャゲアスを聴いてたばっかりに、タテノリができなかったという。
渡會:あははは。
中田:あのスピードでダウンピッキングができなかった(笑)。ついシャッフルしちゃう。
渡會:ああ、そうね、シャッフルができるタイプのミュージシャンと、できないタイプのミュージシャンは、大きく分かれると思う。
中田:特に90年代、2000年代のミュージシャンは、すごいはっきり分かれると思います。そういうのもあって、僕はチャゲアスを経て、家では玉置浩二さん、安全地帯、井上陽水さん、中森明菜さんとかがよくかかってました。自覚しながら洋楽を聴いたのは、最初はたぶんビートルズとかだったと思うんですけど、そこからTHE YELLOW MONKEYに出会って、ロックをいろいろ掘るようになりました。僕にとってTHE YELLOW MONKEYは、ロックの教科書的な存在だったんですね。「これはツェッペリンだな、クイーンだな」とか、そうやってロックを探って行って、だんだんヨコノリのR&Bとかネオソウルとかを聴き始めて、そこからどんどんルーツに戻って行く感じですね。マーヴィン・ゲイとか。
――すごくよくわかる経緯ですね。
中田:渡會くんのほうがたぶん、もうちょっと新しいのを聴いてる気がする。エド・シーランとか、ああいうところもちゃんと押さえてる感じがする。僕はレトロソウルなんですよね、完全に。
渡會:僕は、今の人がレトロソウルを再現しようとしてやってるのを聴いて、そこから本物のレトロソウルを聴いて、「これをデジタル処理でやってるのか」とか、そういうものを楽しんでる感じかな。
渡會将士
――その後、2022年2月、渡會さんの配信イベント『to be NEW SCHOOL』に中田さんがゲスト出演してます。あのライブシリーズにはどういう意図があったんですか。
渡會:ざっくりと自分のこれまでの話をしつつ、最新の野外ライブ映像を見せたりして、4回に分けて配信したんですけど。ゲストを、年下の人、同年代の人、先輩の人、異業種の人、という感じで4種類の人選を考えてみようということになって、同年代の人は?ってなった時に、この年代のミュージシャンってめちゃくちゃ少ないんで。一個上か下になると、有名な人がいっぱいいるんですけど、同年代は本当にいなくて。
中田:不毛の世代(笑)。まだ収穫できてない。これから収穫される。
渡會:遅咲きの(笑)。その中で、自分と同じようにソロで、いろんなジャンルの音楽をちゃんと聴いてるんだなってわかるから、ベストな人選だなと思ってお願いしました。
中田:最初にドキュメンタリーを見せていただいて、すごく面白くて。いろんな才能があって、絵も描けるし、本も書けるし、才能を持て余してるという感じが(笑)。
渡會:あははは。
中田:本人的にもどこを主軸にしていくか、たぶん全部まとめてトータルで渡會くんなんですけど、迷いながらも自信があって。しかもメンバーのインタビューで、こんな発言まで見せちゃうんだ?というものもあって、懐が広いな、人間らしいなと思って、すごく面白かった。絶対的な才能があって、それを自分でどう扱っていいかがわからないみたいな感じが。
渡會:あんまり意識してないんだけどね。アウトプットすること自体が大事だと思ってるから、やればやるほど、「音楽ではできないけど、これだとできるんだよな」みたいなことがどんどん増えてくる。逆に、音楽以外の方法でアウトプットしたあと、文章のとらえ方がめちゃくちゃ変わって、ちゃんと音楽にフィードバックできるので。言い訳に聞こえるかもしれないけど、海外のスポーツ選手が、シーズンオフに別のスポーツをやってるみたいな。
中田:野球選手がゴルフやってるみたいな。それができちゃうからすごい。
渡會:違う脳みそを使ったほうが、(音楽に)戻って来た時に、いろいろ整理されているというか。そんなイメージですね。
中田:アウトプットは何でもいいんでしょうね、そこにハマれば。マルチクリエイターだと思います。
――そういう意味で言うと中田さんは、どういうタイプのクリエイターだと思ってますか。
中田:僕は全然マルチじゃないんですよ。基本的には音楽しかできないんで、自分を語る時にそれ以外のネタがない。うらやましいです。
渡會:でも、今日もさすがと思ったんだけど、ちょっとしたスイーツを持ってきてくれたじゃないですか。初めてライブをやった時も、お菓子を買ってきて「食べる?」って。その気遣い、オレはまったく1ミリもできないから、大人としてうらやましいと思った。
中田:気遣いというか、僕は食べ物とか、酒場とか、そういうものが好きなので。
渡會:そうそう。「おいしいお店ある?」って聞いたら、ぶわーっと、ものすごい教えてくれる。この人は飲み歩いてる!と思った(笑)。ミュージシャンって、制作が忙しかったり、なかなかつらい部分もあるよなっていうのはわかってるんですけど、お店をぶわーっと教えてもらった時に、「この人、人生楽しんでるな」と思った。すごい輝きを感じた。
中田:そんなことないです。ただ僕は、そういうところからフィードバックしてるところはあります。暮らしに趣味性がないと、歌詞も書けないし、「音楽が好きだ、ロック好きだ、バンドが好きだ」だけじゃ、歌詞が出てこないんですよ。若い時はいろいろ妄想で、「ミスチル(Mr.Children)っぽい曲を書こう」とかしてましたけど。
渡會:それ、マジで最近どうしてる? 作詞問題。
中田:やっぱり、身を削るしかないですよね。だから、やるしかない。
渡會:裕二くんの歌詞の、あの艶っぽさはどこから来るんだろう。常に、いい湿度があるじゃない? なんかエロいんだよなーっていう、湿度と照りと。あれはどこから来るのか。
中田:小さい頃に歌謡曲を聴いていたというのはあるかもしれない。歌謡曲が持ってるセクシーさに、子供心に惹かれてたし。あと、やっぱり飛鳥さんの歌詞の影響はでかいです。飛鳥さんの歌詞は、本当にエロかったんで。
渡會:あー、そっか。めっちゃわかる部分もあるけど、裕二くんはまたちょっと違う、艶っぽいエロさがあるんだよな。サウンドも含めて出来上がってる部分だとは思うけど。
中田:好きなんでしょうね。東京でよく飲みに行く場所も、もともとここは芸者街だったとか、花街だったりとか、そういうところをめがけて行くところはありますね。なんか、女の情念が未だに息づいているところに行きたがりますね。つい足が向いてしまう。
渡會:この間やってた「下北沢心中」(<中田裕二の謡うロマン街道 特別公演~下北沢心中~>)とか、タイトルだけで「っぽい」と思ったから。
中田:「曽根崎心中」みたいな。
渡會:それ言われて、今すごい繋がった。
ENDO
SPICEの何でも屋 a.k.a いっちょかみ。マネジメント、レーベル運営、A&R、プロデューサー、ディレクター、制作、キャスティング etc。やる気の感じられない見た目に反して音楽・エンターテイメント業界への愛は深いが、新しい才能を見つけると見境なくなる病がたまに傷。
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