【TWEEDEES インタビュー】どんなポップスを作ればいいかを深く … – Yahoo!ニュース

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L→R 沖井礼二(Ba)、清浦夏実(Vo)
TWEEDEESが4thアルバム『World Record』を完成させた。コラボ曲やセルフカバーなども含む色とりどりのポップスが出揃った約4年振りのフルアルバムとなる本作について、“この作品はあらゆる分断への抵抗です”と沖井礼二(Ba)はリリース発表時にコメントしている。果たして制作の背景と楽曲に込められた想いはどういったものだったのだろうか? TWEEDEES インタビューのその他の写真
──約4年振りのフルアルバム、おふたりはどんな作品になったと感じていますか? 沖井:逆に、どんなアルバムだと思いましたか? ──リリース発表時に沖井さんがコメントされていた“分断”といったテーマももちろんじわじわと伝わってきたのですが、最初にパッと思ったのは、すごく甘美でドリーミーなサウンドが序盤から際立っていると言いますか。1曲目「Victoria」の幕開けの♪ティッターン ドゥビドゥディ エディデ~と清浦さんが歌うスキャットがある種の魔法、おまじないのように聴こえて、その合図ですぐにグッと入り込める感じがしました。「Victoria」の《街角を夢で染める》とか、「Béret Beast」の《夢のようなロマンス》とか、“夢”というワードも歌詞に多く見られたので、なおさら夢心地な気分に浸れる、いろいろな物語へと連れて行ってくれる印象のアルバムだなって。 沖井:おー! ありがとうございます。 清浦:とても嬉しいお言葉です。私たちとしてはこの4年間でコラボなどもたくさんさせていただきながら、ちょっとずつ曲が増えていった感じなんですよ。マンガ『国境のエミーリャ』との「ルーフトップ・ラプソディ」「二気筒の相棒」、アニメ『ユーレイデコ』との「meta meta love」、帽子ブランドの『CA4LA』との「Béret Beast」というコラボ曲に加えて、提供曲のセルフカバー(SOLEILの「ファズる心」と竹達彩奈の「Sinfonia! Sinfonia!!!」をTWEEDEESバージョンでリアレンジ)とか。いろいろなタイプの曲が入っているけど、風通しはすごく良くて。4枚目なのに、1stアルバムみたいな手応えもあるんですよね。 沖井:『DELICIOUS.』(2018年10月発表のアルバム)や『The Second Time Around』(2016年7月発表のアルバム)って、曲作りからリリースまでの期間がギュッと詰まっていたんですけど、今回はこの人(清浦)が言ったように、ありがたいチャンスをいただいて書かせてもらった曲がいくつか入っているんですね。コラボの曲に関しては、その時々で“来たるべき4枚目に必ず入れよう”と思いながら作っていたのもあって、僕もまさに1stアルバムに近いものになった気がします。つまり、長い時間をかけて何十曲も書いた中でのベスト的な内容…そういうまとめ方ができたかなと。 ──なるほど。 沖井:TWEEDEESってあまりシングルリリースが中心ではないバンドですけど、僕が昔やっていたCymbalsの初期はマキシシングルを連続で出しつつアルバムを作っていたりしたので、その感覚にちょっと近かったかもしれないと、今思いました(笑)。 清浦:コロナ禍の状況でも外部の方からお題をいただけたのは救いでしたね。そのおかげで新境地が開けたと思うし、気づけた感じがするんですよ。どこにいてもTWEEDEESがTWEEDEESらしくいられることに。そういう強さが今の私たちにはあるんだなって。 沖井:例えば「meta meta love」は“後期YMOのようなイメージでお願いします”と具体的なオファーがあったんです。僕はYMOが大好きで嬉しかったけれど、だからこそ自分からはそういう発想が出なかったりするので、“やっちゃっていいんですか!?”“散開ライヴのサウンドをイメージして作ろうかな?”みたいな感じで新鮮に楽しめました。TWEEDEESの曲って基本的に何かのBGMになれることを目指しているし、そのお題を誰かに考えてもらうのは全然OKで。 清浦:外部からのきっかけでTWEEDEESがいろいろな世界に飛び込んでいった、そうした世界を記録するという意味を込めて、タイトルは“World Record”にしたんです。 ──アルバムの曲が揃ってきた段階で、清浦さんから自然と出たタイトルという感じですか? 清浦:そうですね、私が決めました。あと、歌詞に“夢”がたくさん出てくるとおっしゃっていただいたんですけど、それプラス“世界”もかなり多いことに歌っていて気づいたので、“ワールド〇〇”にしようと閃いたんですよね。“世界新記録”とか“世界一”っていう意味ではなく、この4年間の世界の記録をアルバムに残したいと思いまして。 沖井:TWEEDEESがいろんなワールドを冒険した記録ってことですね。もともと僕は“世界”という言葉を歌詞に使いがちだったけれども。 清浦:今回は特に多いですよ。やっぱり内向きにならざるを得ない状況を経験したことによって、外の世界を意識する感覚に自然となったというか。コロナだけじゃなくて戦争も起こってしまいましたし、そうした中での分断だったり、思うところが日々あったので、歌詞の言葉選びには少なからず投影されましたよね。 沖井:“夢”という言葉がよく出てくるのと“世界”という言葉がよく出てくるのは、僕はほぼ同じ理由な気がします。ここでどうしてもコロナの話をしなきゃいけないなと思うんですが… ──はい。 沖井:コロナ禍が始まった頃で言えば、ライヴもできなくなり、友達や家族にも会えなくなったわけじゃないですか。今まで自分が書いてきたポップスであり、エンターテイメントは聴き手の夢を補強するために作っていたんですけど、その夢を見させないようにしたのがコロナだと思っていて。“どこかに行きたい”とか、“誰かに会いたい”とか、“こんなことをしたい”とか、そういうのを全部やめて“家に閉じこもっていなさい!”となってしまった。夢の天敵なんですよ、コロナって。 ──確かにそうですね。 沖井:僕は音楽も映画も好きだけど、どんな音楽を聴いても泣けなくなっちゃったし、どんな映画を観てもつまらなくなっちゃったし…まるで砂を食べているような感じで。大好きな映画だったはずなのに、登場人物が誰もマスクをしていないだけで没入できないとかね。どんな曲を書けばいいのかも分からなくなった。というのがコロナ禍の初期症状だったんです。 清浦:沖井さんはかなり苦しんでましたよね。 沖井:うん。とはいえ、バンドも音楽も辞めるつもりはなかったので。“じゃあ、何を表現すべきなのか?”と考えた時に、今までみたいな無邪気に愛でるだけの夢ではなく、もっと強固に夢を信じられる音楽を作らなきゃいけないと思ったんです。現実を忘れればいいとかではなく、むしろ忘れないように。未来の空気だったり、こうしたシリアスな状況になったことで生まれた個人個人の内なる世界だったりも含め、より自覚した上で曲作りをしなければいけないと。それが第2期のイメージですね。 ──第2期? 沖井:コロナと対峙して迎えたアーティスト・沖井礼二の第2期ってことです。で、意識的に曲を書き散らかしていって、その曲たちが水槽の中で浮いたり沈んだりしていたのが第3期。水槽からなんとか掬い出して録音したのが第4期という感じでしょうか。 ──音楽を楽しめなくなった、曲が書けなくなったという時期は長かったですか? 清浦:かなり長かったと思いますよ。 沖井:結局、その時期が終わったとは言えないよね。コロナが消滅したわけじゃないし。好きだった映画を昔のように楽しめないのは、今もまだ続いているので。自分が過去に作った曲に対しても、そういった症状があるわけですよ。これはスランプみたいなことではなくて、おそらく僕が脱皮というか、変容しなければいけないタイミングなんだろうと思っています。何しろ世界の全てが変わってしまったわけですから。 ──これまでとまったく性質の異なるアルバムということですよね。 沖井:そうですね。なおかつ、従来のTWEEDEESが持っていた魅力や指針も絶対に維持しなければならないという気持ちがありました。とにかく、自分に嘘をついているようなレコードにはしたくなかったので。 ──清浦さんのコロナ禍初期における心境というのは? 清浦:身動きが取れなくなって、歌う機会も減って、漠然とした不安だったり、自分の存在意義を否定しそうになったり、私もかなり絶望感はありました。かと言って、沖井さんも曲を書けなくなっていたし、無理にTWEEDEESをやるのも違うよなって。まずはコロナの状況が収まらないと、様子を見ないとどうにもならない。なので、趣味に没頭して心身ともに健康でいること。それを常に考えていて。 ──すごく正しい行動だと思います。 清浦:ですよねー。もはやそれしかできなくなかったですか? “自分の健康が保てた上でのエンターテイメントでしょ!”という気持ちもありましたからね。 沖井:彼女は山登りが好きじゃないですか。何が言いたいかというと、マスクを外せる場所に行くんですよ。それって偶然だけど、コロナ前と変わらずに楽しめるいい趣味だなと思います。僕はレコードを聴くとか、映画を観るとか…あとは、洋服か。そのあたりが趣味だから、コロナに狙い撃ちされた感じだったので。 清浦:沖井さんはね、もっと状況を変えれば良かったんだよ。登山するなり、キャンプするなり、ゲームでも全然OKだったと思うんだけど、制限された時間で新しいことをやってみるとかさ。今になって振り返ってみると、そう感じたりもしますね。 沖井:このアドバイスを今後に活かしていきたいと思います(笑)。
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