金融教育に関する実践報告コンクール（金融広報中央委主催、金融庁など後援）で、神奈川県横須賀市立夏島小の高岡政晴教諭（32）のリポートが優秀賞を受賞した。「小学生がお金を稼ぐ！？」をテーマに、手作り雑巾などを販売し、その利益を「ふるさと納税」に寄付して返礼品を受け取る――といった5年生の授業の取り組みを紹介し、高い評価を受けた。
昨年から高校家庭科では、投資について学ぶ授業が始まった。高岡教諭は、小学校での金融教育が「無駄遣いしない」「だまされない」という視点に始終し、タブー感さえあることに疑問を感じ、総合的な学習の時間を活用して「小学生から学べるお金の授業」を実践した。
学習目標として、掲げたのが「お金に触れる経験を積むこと」。そこで、お金を稼ぎ、ふるさと納税で寄付する活動を計画。地域住民向けの「きふフェス」を開催し、「運動会で踊ったダンス」を披露して良かったら50円をもらい、手作り雑巾を2枚100円で販売した。当日は、45分間に約70人が訪れ、8500円の売り上げがあったという。
児童らは授業で、カフェラテをコンビニとコーヒー専門店で買った場合の違いについて意見を出し合うなどして、お金の価値はモノの対価だけでなく、味や雰囲気などさまざまな価値が含まれていることも学んだ。また税理士などの専門家を講師に招いたオンライン授業では「お金は道具であり、その道具の使い方について学ばないことは、無免許運転をしているようなもの」などとお金について学ぶ大切さも教わったという。
高岡教諭が取り組みをリポートにまとめ、同コンクールに提出。優秀賞になり、昨年12月26日に表彰された。審査員からは「子どもたちが働いてお金をもらうという勤労の喜びを実感している」との評価があった。
高岡教諭は「お金の学習を通して、もらう喜びやお金が誰かのためになる充実感などを知ることができ、小さいうちから学ぶ必要性を改めて感じた。この取り組みを多くの人に知ってもらい、お金の授業をやってみよう、という小学校が少しでも増えれば」と話している。（進藤健一）
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