東京初期衝動 | Skream! ライヴ・レポート 邦楽ロック・洋楽ロック … – Skream!

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LIVE REPORT
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Skream! マガジン 2023年01月号掲載
2022.12.19 @下北沢SHELTER
Writer : フジジュン Photographer:横山マサト
2022年は2月に2ndアルバム『えんど・おぶ・ざ・わーるど』、11月に1stミニ・アルバム『らぶ・あげいん』をリリース。全国ツアーにイベント出演と、コロナ禍ながら精力的な活動を見せた東京初期衝動が、年末年始をまたぐ全国ツアー”東京初期衝動ツアー2022-2023 「東京初期衝動御一行様全国忘年会新年会会場はこちら」”を開催した。年内ラストとなる東京公演は、下北沢SHELTERでのワンマン。

声出しOK、SEと観客の歓声に迎えられ、ジャカジャーン! と景気づけると、まれのギターとしーなちゃん(Vo/Gt)の色っぽい歌声で始まった曲は「Because あいらぶゆー」。あさか(Ba)となお(Dr)が音を重ね、”殺しておけばよかった”の叫びで激しく転調すると、しーなちゃんが”下北沢SHELTER! 今日は一番盛り上がっていくぞ!”と煽り、フロアにダイブするくらい、前のめりなパフォーマンスを見せる。「ベイビー・ドント・クライ」、「BAKAちんぽ」とライヴ・チューンが続き、ど頭からフロアをかき回すと、「マァルイツキ」でセンチな表情も見せた。

“今から一番盛り上がった人、あとで楽屋呼びます!”と始まった、銀杏BOYZ「あの娘は綾波レイが好き」のカバーでさらにフロアをブチアゲると、「山田!恐ろしい男」を拡声器で歌って、「高円寺ブス集合」で”バニラ高収入!”のバニラコールを煽って、「梅毒」で”あとで楽屋に呼ぶ”と指名した観客の名前を叫んでと、イカれた扇動者のようなパフォーマンスで観客の気持ちを焚きつけたしーなちゃん。近頃のロック・バンドに見ない、ライヴハウスならではの自由な立ちふるまいや演出も、彼女らの魅力。やっぱ面白ぇなぁ! ちなみに指名された観客は終演後、ステージ上でメンバーに囲まれて、照れながら記念撮影してました。良かったね!

しーなちゃんの弾き語りで始まり、たっぷり気持ちを込めて歌い上げた「中央線」が会場の空気を変えると、ライヴは後半戦。最新作『らぶ・あげいん』からは、「ボーイズ・デイ・ドリーム~ドッカーンver~」、「ボーイフレンド」を披露したこの日。彼女らの楽曲の魅力である耳馴染みのよいメロディとキャッチーなワード、そして個々のレベルアップでたくましさを増したバンド・サウンドで、ツアー4本目にしてどの曲もライヴに馴染んでる印象だ。特に「ボーイフレンド」は音源の胸キュン感を残しつつ、ドライヴ感の増したライヴ・アレンジがばっちりハマって、今後のライヴでも大いに活躍しそうな予感。

“2019年12月18日、ここで『SWEET 17 MONSTERS』のリリース・ツアーをやって、あのライヴ後にコロナ禍になっちゃって。今までいろんなライヴをやってきた中で、あの日が一番のライヴでした。今日は2019年12月18日を越えるライヴをしたいと思います”

しーなちゃんがこの日のライヴに懸ける想いを語り、バンドの成長を感じる強靭なサウンドで「世界の終わりと夜明け前」、「STAND BY ME」を披露すると、ライヴは終盤戦へ。代表曲「再生ボタン」にフロアから熱い拳と掛け声が上がって最高潮の盛り上がりを見せるも、演奏を終えたしーなちゃんが”間違えたからもう1回やるよ!”と告げ、「再生ボタン」をリピート再生。異常なテンションの歌と演奏から、そのままの勢いと爆音で「ロックン・ロール」をぶちかまして、本編をフィニッシュした。

「黒ギャルのケツは煮卵に似てる」、「兆楽」と会場中を巻き込んだ馬鹿騒ぎで始まったアンコールでは、”やっとエンジンかかってきた”としーなちゃんがいたずらな笑顔を見せ、この日3度目の「再生ボタン」を披露。アンコール・ラストは最新作の最後に収録された「エンドロール」。女の子の強さやピュアさや愛らしさやなんやらと、いろんな魅力が詰め込まれたエンド・ナンバーで会場中を笑顔にして、この日のライヴをしっかり締めくくった。忘年会を終え、新年会へと続くこのツアー。2月の東京ファイナルで、ツアーでさらに鍛え上げた彼女らの姿と2023年の大躍進を見るのが楽しみだ。

初の6曲入りミニ・アルバムは、前作『えんど・おぶ・ざ・わーるど』の延長線上に位置する作風と言えるかもしれない。すでにMV公開済みの「ボーイフレンド」では銀杏BOYZのサポート・ギタリストを務める山本幹宗をサウンド・プロデュースに起用。歌詞とメロディは美しく磨き抜かれ、トキョショキ史上最も爽快なポップス・ナンバーに仕上がっている。さらに「俺流サニーデイ・サービス」においては本家の曽我部恵一(Vo/Gt)をコーラスで迎え、こちらも良質なポップ曲。そして、「梅毒」は今のご時世に警鐘を鳴らすように、トゲトゲしいパンク・サウンドでユーモアたっぷりにメッセージを投げつけている。「ボーイズ・デイ・ドリーム~ドッカーンver.~」はバンド・アレンジに生まれ変わっており、これもライヴで聴いてみたい。(荒金 良介)
“アイツらを黙らせろ僕が僕である為に”と、バンドの決意表明のように高らかに打ち上げるストレートなロック・ナンバー「腐革命前夜」を皮切りに、底抜けにキュートなポップ・ソングや歪んだガレージ・パンク、淡いミディアム・ナンバーまでをも呑み込んでゆく東京初期衝動の2ndアルバム。前作『SWEET 17 MONSTERS』から約2年3ヶ月ぶりとなる今作は、銀杏BOYZに強いリスペクトを掲げて爆走する彼女たちが、決して単なる勢いや衝動だけでは語れないバンドであることを証明するような1枚になった。聖なるサウンドに乗せて、”2021年もすこし大変な時だったネ”と語り掛ける「クリスマス」など、アルバムの節々でふいに垣間見られるしーなちゃん(Vo/Gt)の優しさにぐっときてしまう。(秦 理絵)
昨年新ベーシスト あさかが加入した東京初期衝動の新体制初ED。異なる方向に振り切った全3曲は、ライヴハウス直系のインディー・ロックから売れ線のJ-POPまで、実は東京初期衝動が多面的なポテンシャルを秘めたバンドであると感じさせる1枚。打ち寄せる波の音をSEに弾ける夏のパーティー・チューン「さまらぶ♥」、ベースの低音が別れの痛みをやわらかく包む仄暗いバラード「blue moon」、銀杏BOYZ直系の疾走する青春パンク「春」と、まったく違う方向へと振り切っている。ラヴ・ソングのようでもありメンバー脱退の悲しみを断ち切る歌にも聞こえる「春」は、”あなたと見る景色が変わったって/僕はそれでも歌いつづけるだろう”と、バンドの新たな決意が滲む歌詞も印象的。ここから彼女たちの第2章が幕を開ける。(秦 理絵)
ポップ盤、ロック盤、パンク盤とか、いろんな作品を作ってみたいです
愛と絶望に満ちた”世界の終わり”に鳴り響く希望のアルバム――『えんど・おぶ・ざ・わーるど』
“私は嫌われてもいい。別にみんなが好きじゃなくてもいいと思ってるから” 喪失感を胸に未来へと突き進む東京初期衝動、第2章開幕!
2022.12.19 @下北沢SHELTER
2022.02.12 @LIQUIDROOM ebisu
2021.12.24 @渋谷チェルシーホテル
2021.09.20 @USEN STUDIO COAST
2021.07.30 @LIQUIDROOM ebisu
2021.05.22 @USEN STUDIO COAST
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