Arakezuri / ANABANTFULLS / UNMASK aLIVE / urei(O.A. … – Skream!

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LIVE REPORT
Japanese
Skream! マガジン 2022年11月号掲載
2022.09.24 @下北沢LIVEHOLIC
Writer : 内堀 文佳 Photographer:堺柊人
下北沢LIVEHOLICのオープン7周年を記念して、6月から続いているライヴ・イベント”LIVEHOLIC 7th Anniversary series”。台風15号(温帯低気圧)により公演の数時間前まで降っていた大雨で涼しくなっていたこの夜は、同会場にてたびたび開催されている企画”俺の生き様!!”と”爆躍”との共催で、urei、UNMASK aLIVE、ANABANTFULLS、Arakezuriの4組が登場。まさに台風一過の如く、各バンドが眩しく輝く、灼熱のステージが繰り広げられた。

まずはオープニング・アクトのureiがショート・チューン「英雄」でスタート・ダッシュを掛ける。勢い良く駆け抜ける温かいギター・ロックに草野寛太がまっすぐな日本語詞を乗せ、もひおとひろむの声も合わさることで、よりその言葉に感情が宿り、聴衆の心を包み込んでいく。「PEACE」では、”オープニング・アクトとか、短い時間とかマジで関係なくて、いつもやってること、初めて観る人にもいつも観てくれてる人たちにも、今日ここに来たドキドキ、全部かっさらって帰ります”(草野)とこのあとに控えるメイン・アクトたちに真っ向勝負を仕掛けるかのように語りを挟み、ライヴにかける熱意が窺えた。最後に「夢に夢見て」を披露し、トップバッターとしてこの夜のエモーショナルなトーンを確立した。

メイン・アクト1番手として登場したのはUNMASK aLIVE。後光の中、リバーブの効いたKDの声出しから「Focus」で始める。疾走する「mirage」では爽やかなサウンドの中にシャウトやテンポ・チェンジで緩急をつけたり、「酔夢」ではゆったりとした二胡の音色にハードなシャウトを絡ませたりと、楽曲の幅広さを見せつけた。また「NAGOMILIA」や、「KARMA」の3拍子のアウトロではオーディエンスも大きく身体を揺らし、音源よりもさらに激しさを増した演奏と、視覚的なアグレッシヴさの融合で、ライヴの醍醐味を感じさせる。MCで、大雨と大渋滞に翻弄されながらどうにか関西から東京までやってきた道のりを通して、”楽しいこといっぱいあるから”ライヴハウスに何度でも足を運ぶのだと、改めて意義を感じたと語ったKD。そして観客も、KDはじめバンドと同じ気持ちだから、同じく悪天候の中集まったのだろう。ラスト2曲「9号線の果てに」、「Nagisa」まで、全員で大いに楽しんでいた。

この日随一の骨太なサウンドを響かせたANABANTFULLSは新曲「Hack Hack Hack!」でスタート。そのままYouTubeでのMV再生回数が自身トップ2の「大人になれよ」、「Welcome to the Miracles」を畳み掛ける。安田コウヘイのがなる歌声と泥臭く雄々しい楽器隊のアンサンブルが、ここまでの2バンドのフレッシュな印象とは対照的で、観客も聴き入っているようだった。”ureiも「TOKYO CALLING」出たとき観に行って、なんてキラキラしたバンドなんだと思ってて、アンマス(UNMASK aLIVE)はもとからめちゃめちゃ好きだったんでやれて嬉しくて、Arakezuriは大阪のツアー誘ったんですけど断られたんで今日共演NGだったんですけど(笑)”と安田が各バンドとの繋がりを賛辞や冗談を交えながら話すと、会場にはそんな関係性に思わずほっこりしてしまう、心地よい空気が流れていた。ラストは”愛の歌をやって帰ります”(安田)と始めた「mirror」からアンセム「乾杯!」が炸裂し、彼らの宴は締めくくられた。

エレファントカシマシの「俺たちの明日」をSEに、”前にしか興味ねぇ!!”と白井竣馬(Vo/Gt)の絶叫から1曲目「ファンファーレ」をスタートさせたArakezuri。オープニングに相応しい爆発力を持った音の中にマーチのリズムを取り入れた、緩急をつけつつも前のめりな姿勢を一切崩さない構成に、観る者は否応なしに気持ちが昂る。続けて「最愛の日々を越えて」、「シャニムニ」でさらに勢いをつけると、テンションが最高潮に達したフロアからは愛に溢れたヤジが飛び、この場の空気は完全にArakezuriのものになっていた。手拍子と共に始まった「クアトリーセンチュリー」の、”夢で飯は食えてないけど/夢をおかずに飯を食えてる”という歌詞は、LIVEHOLICのような収容人数が少なめのライヴハウスを主戦場に活動する数多のバンドを代弁すると同時に、彼らの夢を支えるLIVEHOLICのようなライヴハウスに贈る最大の感謝の言葉のようにも聞こえ、胸が熱くなる人もいたはずだ。ライヴハウスは自分らしくいられる場所である、この日集まったオーディエンスがバンド、音楽、そしてライヴハウスのヒーローである、と白井が宣言し、「素顔」、「ヒーロー」で締めた本編。そして、興奮冷めやらぬフロアからのアンコールの要望に応え投下した「信じる明日へ」で終演するまで、会場にいた全員が心をひとつにしたライヴハウス賛歌が止むことはなかった。
[Setlist] ■urei
1. 英雄
2. ロックバンド
3. ALMIGHTY
4. マジックアワー
5. PEACE
6. 夢に夢見て

■UNMASK aLIVE
1. Focus
2. 謳花
3. mirage
4. 酔夢
5. NAGOMILIA
6. Klesha
7. 108
8. KARMA
9. 9号線の果てに
10. Nagisa

■ANABANTFULLS
1. Hack Hack Hack!
2. 大人になれよ
3. Welcome to the Miracles
4. オルタネイト・パンク
5. Brother
6. 目を覚ませ!
7. mirror
8. 乾杯!

■Arakezuri
1. ファンファーレ
2. 最愛の日々を越えて
3. シャニムニ
4. リヴソング
5. クアトリーセンチュリー
6. 夏暮れ
7. テンダー
8. 素顔
9. ヒーロー
En. 信じる明日へ
『自然発火』から2年ぶりのリリースとなるTOWER RECORDS限定のアルバム。ハード&ヘヴィなリフとともに新たなグルーヴを追求しつつ、持ち前のダンス・グルーヴをスケールアップしたことを思わせる「天国発電」、前作で自家薬籠中のものとした歌モノの魅力を磨き上げた「火種」、ハードコアやメタルの影響を意外なアレンジで聴かせる「スパッタ」他の全6曲が印象づけるのは、ギタリストの脱退やコロナ禍という危機を乗り越えたことで、さらに逞しくなったバンドの姿だ。一度列から外れ、”最後尾から 俺たちは唄う”(「火種」)と宣言するANABANTFULLSがここから始める反撃に思いを馳せれば、ワクワクせずにはいられないはず。それはコロナ禍の今を生きるすべての人の気持ちを代弁しているように聴こえる。(山口 智男)
3年ぶりとなるニュー・アルバムは、2017年と2018年に会場限定でリリースした2枚のシングル『乾杯!』、『目を覚ませ!』からの4曲に新曲3曲を加えた全7曲を収録。前アルバムからの3年の間の心境の変化が、グルーヴィ・ロックを掲げる北浦和の4人組の表現を磨き上げた。持ち前のダンス・グルーヴを抑え、前作収録の「ターンブルー」に顕著だった歌心をとことん追求。結果、自らの人生と向き合いながら紡ぎ出したポジティヴなメッセージがリスナーの胸に響く、アンセミックな作品に。そんな歌を際立たせるため、バンドの演奏も無駄を削ぎ落した骨太なものになり、前アルバム以上に多くの人から歓迎されるに違いない。本来のワイルドな魅力は、唯一狂気が滲む1曲「踊る目」で堪能できる。(山口 智男)
ライヴハウス・シーンで注目を集め始めている北浦和の4人組、”アナバン”ことANABANTFULLSが結成から3年、満を持してリリースする初の全国流通盤となるアルバム。”グルーヴィ・ロック・バンド”と自ら掲げるとおり、いわゆる踊れるロックが彼らの身上。しかし、そこに加えた汗と涙、センス・オブ・ユーモア、そしてこれは不世出のヴォーカリスト、安田コウヘイによるところが大きいと思うのだが、ロック・バンドに不可欠なワイルドな魅力が彼らの存在を際立たせている。「Girls On Fire」(Track.2)のどこか歌謡曲っぽいメロディや、「Samba hokki」(Track.7)のサンバのリズムといった変化球もお手の物。ダンス・ビートに頼らず、胸に迫る歌メロで勝負した「ターンブルー」(Track.3)も聴きどころだ。(山口 智男)
“もちろん傑作だけど、これで終わりじゃない”――一度列を外れたバンドが最後尾から反撃を仕掛ける!
グルーヴィ・ロックを掲げるANABANTFULLSが、この3年間の集大成と胸を張る2ndアルバムをリリース
目の前のお客さんを無敵にするグルーヴィ・ロック
"Skream!"と"激ロック"を運営する激ロックエンタテインメントによるライヴ…
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2022.09.24 @下北沢LIVEHOLIC
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