諦めていた「楽しさ」再び ペアの支え居心地いい – 読売新聞オンライン

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 フォーク、社交、モダン、ブレイク……。ダンスにも色々ある。そして、車いすダンスというジャンルもある。人はなぜ踊るのだろう。自己表現? 共生社会の実現? 車いすダンスの練習に混ぜてもらって、一緒に踊って考えた。

 ズンチャッチャ、ズンチャッチャ――。仙台市青葉区の体育館。鈴木弘子さん(58)(同区)は背筋を伸ばして車いすに深く座る。両手を広げ、向き合って立つ沼田とみ子さん(73)にお辞儀する。3拍子のワルツに合わせて2人で踊り出す。
 手を取り合い、2人の腕で作った円を中心に回る。くるくる。沼田さんのリードで自在に動く。「楽しい」。思わず声が出る。

 ちょっと前までは、楽しいなんて思えなかった。つらくて怖かった。
 次男が生まれた30歳代前半。腰が痛み出す。抱っこしているせいかしらと、軽い気持ちで病院を受診した。告げられた病名は「脊髄性筋 萎縮いしゅく 症」。全身の筋力が低下する難病だという。中学で軟式テニス、社会人になって硬式テニスもしていた私がどうして。混乱した。
 「早く公園に行こうよ」。子どもにせかされても、体が前に進まない。手がかじかむような感覚で、服のボタンが留められなくなったのは10年ほど前だ。リハビリはつらい。「周りの足手まといかな。早く死んじゃうのかな」

 3年前、ネットサーフィンで車いすダンスを見つけた。リハビリの代わりになるかもと、自宅近くにある練習場へ見学に行った。音楽が始まると空気が変わる。生き生きとした車いすダンサーの姿にくぎ付けになった。
 最初はうつむいて入った練習場。右腕をペアの相手が支えてくれる。「疲れたな」と思う前に、休憩を設けてくれる。とても自然に。意地っ張りな性格だったはずが、甘えてしまう。ここは居心地がいい。
 コロナ禍前、2019年9月のダンスフェスティバル。袖にレースをあしらった青色のロングドレスに身を包み、キラキラしたネックレスをつけて舞台に上がった。踊っていると、ネガティブな感情はもうない。病気で諦めていた気持ちがわき起こる。「楽しい」
 講師の丹野泰子さん(60)は「練習用に黒のブラウスを新調してやる気満々。笑顔があふれ出ている」とうれしそうに見守る。
 今は顔を上げて練習場に入る。「車いすダンスは自分がやりたいこと。だから、しかめっ面している時間はないですよ」

◆車いすダンス
 車いすに乗った人と立った人が2人で手を取り合って踊る。車いす同士で踊ることもある。英国で約60年前に始まり、リハビリを兼ねた舞台芸術として欧州やアジアで発展。日本では約50人が競技者として国際大会に出場するなどしている。車いすの乗り手をウィールチェアーダンサー、立って踊る人をスタンディングパートナーと呼ぶ。

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