みうらじゅん「あんなに腰振れないしね」、安齋肇「若さがにじみ出てる」…「洋楽展」ウラ話 – 読売新聞オンライン

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 イラストレーターのみうらじゅん(63)と安齋肇(67)が洋楽ビデオを見ながら、好き勝手にツッコミを入れるBSプレミアム「笑う洋楽展」。音楽とは無関係のゆるゆるトークが中高年層からの熱い支持を得て、かつてはレギュラー番組だった。その最新作が4日と11日に放送される。昨秋の2本シリーズ「コロナに負けないで」の続編。髪もヒゲも伸ばし放題の2人に番組への思いを尋ねたら、案の定、脱線だらけの“仙人”コンビに真顔で煙に巻かれた。(読売新聞オンライン 旗本浩二)

――ヒゲを伸ばしてどれくらい?
みうら  去年「ステイホーム」と言われるようになった頃からずっとですね。コンビとしては () れないですよ、この番組のために伸ばしてますから。
 ほんとは収録なんか行きたくなかったんですが、藤崎さん(当初から番組を手掛ける藤崎 (ゆずる) チーフ・ディレクター)が「ハコにしましたから」って言うから、久しぶりに行ったら、アクリル板で囲まれてその中に展示される (ろう) 人形みたいな扱いでうれしくなった。蝋人形になるなら、安齋さんもおれもこの状態じゃないとよくないだろうって思いましてね。
――まるで仙人のようですが?
みうら  ロックを語る上でこのヒゲは必要ですから。今までボーボーじゃなかったことが、失礼だったなって思っています。
安齋  むしろボーボーの人の方が多いもんね。
みうら  60、70年代はボーボーの人が基本でしたからね。ジョン・レノンだって若い頃から伸ばしていた。だけど、ぼくら、もうそんなに伸びないですよね。伸び悩みですよ、ヒゲね。もうちょっと若い時から伸ばさないとダメなんだね。止まっちゃったよ。もうこの年になったら伸びないでしょう。

――番組は毎回、「胸毛男」「ヒゲヒゲ団」などユニークなテーマを決めて進行するが、それはいつ聞かされる?
みうら  事前には聞かされないですよ。だってこれは「藤崎さんショー」ですもん。それにぼくらが参加しているだけですから。藤崎さんが決めてるんですよ。ぼくらは決めないし、知らせてほしくないと言った覚えもない。だけど、結構、ラクですよ。打ち合わせもないし、その時々で思ったことを言ってるだけなんで。
安齋  なによりカットしてくれるからね。
みうら  収録なんて1時間半以上やる時もあるんですけど、ほとんどカットですよ。

――収録で気を付けていることは?
みうら  臭くないことですかね。ちゃんと風呂には入って。エチケットですから。
安齋  みうらくんが出ているテレビにしろ、なんにしろ、企画って自分で立てるじゃないですか。この番組が唯一ですよ、他人が企画したものに乗っかっていくのは。
みうら  番組はいろいろやらせてもらったけど、初めてです。一番初めの打ち合わせの時に藤崎さんから「NHKが買ったものの、流す機会がないビデオがたくさんたまっていて、それをなんとか紹介したいので助けてください」って言われたんですよ。
安齋  この番組に関しては主演というより、ゲストですよね。

――これまでで話が弾まなかったテーマは?
みうら  そんなこと覚えてないです。
安齋  テーマに沿って話ができない時は違う話してますからね。
みうら  そのビデオについてしゃべった覚えは、ほぼないですよ。音楽番組じゃなく、トーク番組ですから。大学の頃とかに 流行(はや) ったMTVを見ながら友達と酒飲んでしゃべってるような話をしているだけですよね。
安齋  まさにそこですよ。番組を見ている人もテレビに向かって話してるらしいね、こっちの話に入って来て。
みうら  ZOOMとかだと思っているんだろうね。
――公開収録を行った時、中高年ファンの応募が殺到したが?
みうら  中高年の人たちはノリが悪いからやりにくい。一生懸命見ていただいているんだろうけど、やっぱりワーッて沸かないね。
安齋  しょうがないんですよ、あれは。そのぐらいの年になると、みんな一家言あるから。自分でも何か言いたいんだよ。
みうら  そうだよね、ほんとは舞台に上がりたいんだよね、みんな。

――盛り上がったテーマは?
みうら  (番組トークが)絶対にそのミュージシャンに届かない、見ていないだろうって時は、一番盛り上がっていると思う。
安齋  距離が遠ければ遠いほどね。相手のパンチが届かなければいい。
みうら  勝手なことを言わないと面白くないですから。気をつかわないビデオの場合が一番いいですよ。とりあえず、相手からの抗議がないことを前提に進めさせてくれているからしゃべりやすいですね。
――昔の音楽ビデオの方が魅力的だった?
安齋  昔は映像を合成するのだって、いちいち大変だった。でも、その拙さみたいなのが面白さにつながっていた。
みうら  60年代から70年代の頭ぐらいまでは、個性派がいいとされていて、それがロックたるものとされてきた。それを今見ると面白いんだよね。そういう考え方がさ。今はそういうのないから。
安齋  あと、一番すごいのは「若い」ってことなんじゃないかな。ミック・ジャガーとかデヴィッド・ボウイの腰の振り方からして若さがにじみ出ている。

みうら  自分の実体験と重ね合わせるのも変だけど、あんなに振れないしね。ぼくらの方がこういう状態だから面白いんだよね、やっぱり。
安齋  だからさ、ほんとの意味で今、一番必要なのは「笑う洋楽展」なのかも。ステイホーム時代にね。
みうら  もし自分らが若かったら、その音楽について詳しいってことを声高に言ってしまうかもしれないけど、今はもう「めっちゃ詳しいんだ」なんてことを全く言わないから。うんちくとかも、もう語らないですもんね。ただその場面がおかしいってだけでしゃべってる。だから音楽番組じゃないんですよ。
 こないだ、「東京事変」の番組に出演したんですが、それで初めて(自分らのことを)見た若い視聴者がいる。「なんだ、この樹木みたいな2人は?」って感じたんじゃないかな。もう樹木としか見えなかったと思いますね。
安齋  年輪とかじゃなく、木の表面のカサカサした感じでしょ。
みうら  そう。樹齢60年以上のやつが2本立ってるから、なんだと思ったんでしょうね。
安齋  今にも倒れそうだしね。
みうら  だから今ですよね、この番組やるなら。それも毎週ですよ。そう思いました。前より絶対、今の方がおかしいですよ。

――ファンへのメッセージは?
みうら  かつて一般の方のスタジオ見学というのがあったんですが、どう見てもこの番組のファンとは言い難い、ほかのスタジオロケが見られなかったんで仕方なく来ている方たちのような時があった。
安齋  完全に寝てる人とかいましたしね。
みうら  やっぱり演者としては気になるよね、寝られると。でも、昼から夜まで1日4本 () りだった時なんて、その少ないお客さんたちとの持久戦みたいな状態だったもん。
安齋  お客さんが笑うと、そこばっかり突いていくようになるよね。
みうら  退屈されるとつらいから、収録が長引いた時なんて「すいませんでした」って謝ってました。若い人たちが進行する番組と違うから、変でおかしいんですよ。
安齋  最大の特徴はベストテンとかがないこと。みんなが見たいビデオが見られるわけじゃないから。見たいビデオはYouTubeで見ればいいわけで。
みうら  この番組で、見たいビデオは1回も見たことないね。たいがいは80年代が主なんで。
安齋  みうらくんはボブ・ディランが好きなんだけど、80年代の作品のプロモビデオはほんとに見たくないって言ってたもんね。
みうら  あれはレギュラー放送の最終回だったと思うんだけど、嫌がらせのように藤崎さんが流したんだよね。

安齋  だけど、これは「藤崎さんが笑う洋楽展」だから。
みうら  そう。藤崎さんにほめてもらえるかどうかだからね。
安齋  だから楽屋に藤崎さんが来た時は、新人の芸人みたいに緊張してるもんね。
みうら  いつもひやひやしてますよ。
――ライバル番組は?
安齋  「みんなのうた」かな。
みうら  あれもファン多いですからね。
安齋  だけど「みんなのうた」も好きな歌が聴けるわけじゃないよね。
みうら  おれのイメージでは、ライバルは民放の某情報番組かな。どうにかしなきゃって必死だもん。与えられたテーマでどうにか転がしてるじゃん。あの感じかなあ。
「笑う洋楽展」  2013年1月に全3回の企画として誕生。14年4月から18年3月までレギュラー放送された。「孤独のダンス」「寒そうなロケ」「じっとしていられない人」「八の字眉で歌う人」などのユニークなテーマを、毎回、みうらと安齋に提示。2人の当意即妙なコメントが人気となり、公開収録時には、約200席に約3000通の応募があった。気になる今回のテーマは、4日が「お客さんがいなくても」、11日は「東京での出来事」。いずれも午後10時50分から。
(写真はNHK提供)
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