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RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM オフィシャルレポート
海外音楽情報専門podcast『speakeasy podcast』とSPICEの連動企画。毎週金曜日に海外でニューリリースになった楽曲やアルバムの中から、MCを務める竹内琢也がオススメの曲を紹介。Spotifyの『New Music Friday』のプレイリストやイギリスのOfficial UK Chartsなどでピックアップされているリストを独自に集計して選んだ楽曲をお届けする。
今週の気になるニューミュージック5選
Feline
ジュース・ワールドが12月10日（金）に、自身4枚目で没後2枚目となるアルバム『Fighting Demons』をリリースしました。このアルバムからは「Already Dead」と、ジャスティン・ビーバーとのコラボソング「Wandered To LA」が先行で配信されていました。「Wandered To LA」はSpotifyのグローバルのプレイリスト『Today's Top Hits』のTOP10にリリースした翌日にいきなり入るなど、ヒットの予感大です。アルバムにはそのほかエミネム、ポロG、トリッピー・レッド、BTSのSUGAらが参加。エミネムは2012年に公開されたドキュメンタリーでのインタビューの声が「Eminem Speaks」という曲で使われています。今週12月8日（金）はジュース・ワールドの命日でした。
Alicia Keys – Come For Me (Unlocked) Visualizer
アリシア・キーズの8枚目のスタジオ・アルバム『KEYS』が12月10日（金）にリリースされました。このアルバムは2枚組で、Disc1には「Originals」、Disc2には「Unlocked」として同じ曲のバージョン違いをそれぞれに収録しています。先行して「LALA（Unlocked）（feat.スウェイ・リー）」と、「Best Of Me」が配信されており、9月に行われた『MTV Video Music Awards』でスウェイ・リーを迎えて披露した「LALA（Unlocked）」を皮切りに、ライブでいくつかの楽曲が披露されていました。アルバムにはプシャ・T、ブランディ・カーライル、スウェイ・リー、カリード、ラッキー・デイらが参加しています。
Tame Impala – No Choice (Official Audio)
オーストラリアのミュージシャン、ケヴィン・パーカーによるバンド、テーム・インパラの新曲「No Choice」が12月7日（火）に公開されました。テーム・インパラは、これまでのストリーミング再生回数が累計15億を超えている最新アルバム『The Slow Rush』のデラックス・ボックスセットを来年2月18日（金）にリリース予定。その中にはBサイド曲やリミックスが収録される模様。新曲の収録も発表されていて、この「No Choice」もデラックス盤の中に収録されるものとみられます。
Ruel – GROWING UP IS ____ (Official Live Video)
12月10日（金）にオーストラリア出身の19歳のシンガーソングライター、ルエルの新曲「GROWING UP IS ____」がリリースになりました。今年2月にリリースした「too many feelings」、8月にリリースしたディラン・Jとの「Notice Me」に続く、2021年3曲目となるシングルです。オーストラリアで最も権威のある音楽賞『ARIAミュージック・アワード』で過去にブレイクスルー・アーティスト賞を受賞、昨年もベスト・メール・アーティストやソング・オブ・ザ・イヤーにノミネートされるなど本国では人気で、今週の『Spotify New Music Friday AU&NZ』ではカバーを飾っています。
Jimmy Fallon ft. Ariana Grande & Megan Thee Stallion – It Was A…(Masked Christmas)
ジミー・ファロンが、アリアナ・グランデとミーガン・ジー・スタリオンをフィーチャリングに迎えたクリスマスソング「It Was A…（Masked Christmas）」を12月10日（金）にリリースしました。ジミー・ファロンは人気番組『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』の司会者。この曲はタイトル通り、コロナ禍におけるクリスマスをネタにしたコメディタッチの曲です。
各音楽メディアが、12月に入って続々と年間ベストソングや年間ベストアルバムを発表しています。TIME誌はファルッコの「Pepas」を年間ベストソングに、フローティング・ポインツ、ファラオ・サンダース＆ザ・ロンドン・シンフォニー・オーケストラの『Promises』を年間ベストアルバムにセレクト。
Farruko – Pepas (Official Video)
Floating Points, Pharoah Sanders & The London Symphony Orchestra – Promises [Full Album]Rolling Stone誌は、年間ベストソングにウィズキッド feat.テムズの「Essence」、年間ベストアルバムにオリヴィア・ロドリゴの『Sour』をセレクトしています。
WizKid – Essence (Official Video) ft. Tems
Olivia Rodrigo – good 4 u (Official Video)
アメリカのPitchforkは、年間ベストソングにキャロライン・ポラチェックの「Bunny Is A Rider」、年間ベストアルバムにジャズミン・サリヴァンの『Heaux Tales』をセレクト。
Caroline Polachek – Bunny is a Rider (Official Video)
Jazmine Sullivan – Pick Up Your Feelings (Official Video)
その他ビルボード、NME、ガーディアン、ニューヨーク・タイムズなど様々なメディアが年間ランキングを発表しています。そしてイギリスの国営放送・BBCが、2022年にブレイクが期待される新人アーティストのリスト『BBC SOUND OF 2022』の候補を発表。今年、ロングリストとして発表になったのは、ベイビー・クイーン、セントラル・シー、エニー、ローラ・ヤング、ミミ・ウェッブ、ピンクパンサレス、プリヤ・ラグー、テムズ、ウェット・レッグ、ヤード・アクトの10組。受賞者は1月に『BBC News』と『BBC Radio 1』で発表される予定です。
pinkpantheress – just for me (Official Video)
Central Cee – Obsessed With You (Official Video)
Wet Leg – Chaise Longue (Official Video)
それでは今週のチャートの動きです。クリスマスシーズンに突入して、トップ10にクリスマスソングが続々と入ってきています。USシングルチャートは、3位がマライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」、4位がブレンダ・リーの「Rockin' Around The Christmas Tree」、5位がボビー・ヘルムズの「Jingle Bell Rock」、7位がバール・アイヴスの「A Holly Jolly Christmas」と、トップ10のうち4曲がクリスマスソングに。1位はアデルの「Easy On Me」と変わらずでした。その他、大きな変動はありません。
Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You (Official Video)
USアルバムチャートもクリスマスアルバムのチャートインが増えてきました。先週9位だったマイケル・ブーブレの『Christmas』がさらに順位をあげて今週は3位にチャートイン。ビルボードによるとこのマイケル・ブーブレの『Christmas』は、2011年にリリースされ計5週間首位を獲得し、その後クリスマスシーズンには毎年チャートインして10年間連続でトップ10入りを果たしています。今年は11月19日（金）にデラックス盤をリリースしており、その効果で3位まで上昇していると見られます。ヴィンス・ガラルディ・トリオの『スヌーピーのメリークリスマス』も先週の21位から10位になりトップ10入りを果たしました。
Michael Bublé – Jingle Bells (ft. The Puppini Sisters) [Official HD]
Vince Guaraldi Trio – Linus And Lucy
USアルバムチャート1位は、アデルの『30』で2週目の首位をキープ。先週に、2021年最大の数字を叩き出して首位を獲得したアルバムですが、2週目としても最大記録となりました。ちなみに、今週『30』のフィジカルのセールスが100万枚を突破。昨年テイラー・スウィフトの『folklore』以来、1年ぶりの100万枚突破となりました。2020年に100万枚を突破したのは『folklore』だけで、2019年に100万枚を突破したのもテイラー・スウィフトの『Lover』だけです。
Adele – Easy On Me (Official Video)
UKシングルチャートもアデルの「Easy On Me」が変わらず1位をキープ。注目すべきは、2位に入ったゲイルの「abcdef」。今年アトランティック・レコードと契約を結んだゲイルが、8月13日（金）にリリースしたメジャーデビューシングルで、その後のTikTokでバイラルとなりストリーミングも上昇。イギリスでは、シングルチャート初登場からわずか3週間で2位になりました。12月のクリスマスソングが多数チャートインする中で、新人アーティストの2位獲得は快挙といえます。Spotifyのグローバルチャートでも、トップ3に入っています。
GAYLE – abcdefu (Official Music Video)
そして、USチャートと同じくクリスマスソングがチャートイン。マライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」が3位、ワム!の「Last Christmas」が4位でした。
Wham! – Last Christmas (Official Video)
UKアルバムチャートもアデルの『30』が1位で、2週目の首位をキープ。2位には、ウエストライフの12枚目のアルバム『Wild Dreams』がチャートイン。2000年代にイギリスで最もアルバム・セールスを上げたウエストライフは、14曲ものイギリス No.1シングルを輩出してきたスーパー・グループで、今でも根強い人気を誇っています。これで12枚のスタジオ・アルバム全てがトップ3ヒットとなりました。
Westlife – Alone Together (official visualiser)
今週はウエストライフに加えてテイク・ザットのメンバー、ゲイリー・バーロウの初のクリスマス・アルバム『The Dream Of Christmas』が5位にチャートイン。上にも書いたマイケル・ブーブレのクリスマス・アルバム『Christmas』が6位に入っています。
Gary Barlow – How Christmas Is Supposed To Be (Official Video) ft. Sheridan Smith
12月10日（金）配信の『speakeasy podcast』（#155）では、今週の様々な音楽ニュースを取り上げていますので、お時間ある時に聴いてみてください。
文＝竹内琢也
竹内琢也
2010年からラジオをメインフィールドにインタビュアーとしての活動をスタート。SHAWN MENDES、LORDE、CLEAN BANDIT、JESS GLYNNE、BECK、NORAH JONES、JACK JOHNSON、ALABAMA SHAKES、など海外アーティストへのインタビューも多数。
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