「Vtuber楽曲大賞」4年目の投票結果発表、バーチャルアーティストが一般化した2022年を総括 – 音楽ナタリー

楽曲部門・MV部門それぞれの上位50曲を視聴リンク付きで紹介
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Vtuberによるオリジナル曲の年間ランキングを一般投票で決めるファンイベント「Vtuber楽曲大賞」の結果が発表された。2019年に初めて行われたこのイベントも今年で4回目。2021年11月28日から2022年11月27日までに発表された曲を対象に、曲のよさから選ぶ「楽曲部門」と、ミュージックビデオのクオリティから選ぶ「MV部門」の2部門で投票を受け付けた。
今回の投票数は4103。集計結果の発表イベントは12月9日に東京・ロフトプラスワンで行われ、「Vtuber楽曲大賞」主催のキャン氏とふじき氏、株式会社CAMBRの飯寄雄麻氏、音楽ライターの森山ド・ロ氏、東京・秋葉原エンタスの責任者であるTAKUYA the bringer氏が開票結果についてトークを繰り広げた。
取材・/ 橋本尚平
左から、キャン氏、ふじき氏、TAKUYA the bringer氏、飯寄雄麻氏、森山ド・ロ氏。
今年の結果を受けて、森山氏は「にじさんじとホロライブ以外で入ってくるアーティストが固まってきていて、いわゆる個人勢の人たちが上位から消えたことからも、メインストリームが本気を出してきたのを感じました。企業勢は新曲を出したり、メディアに露出するペースが速いので、そこの力が強いんだなと思います」と総括し、個人勢に対して「もうちょっとサブスクに力を入れてもいいんじゃないかなと思います。今の音楽業界の流れではプレイリストで曲を広めることが流行っているのに、聴けない曲が多いからそれができないことが多いので」と提案。ふじき氏は「個人でやっている方々を以前より気軽に『Vtuber』という枠に当てはめて考えづらくなっているのではないでしょうか。アバターという表現方法がより一層広まり、必ずしもVtuberというタグに寄っかからなくても評価してもらえるようになってきたので、それはいいことだと思うんですけど、一方でこういう場で個人勢の方がランクインしづらくなっているのかもしれません」と指摘した。
飯寄氏はランキングを振り返って「11位から30位くらいまでは、去年よりもいろいろなバリエーションがあって面白かった」とコメント。この結果についてTAKUYA the bringer氏は「これは一般層の人たちが聴いてるバーチャルアーティスト楽曲のランキングとは違うんだろうなと思います。2022年はこれまでと比べて、メディアを通してバーチャルアーティストの楽曲がかなり広い範囲に広まったけど、たぶん一般層の人はそれをバーチャルアーティストとして聴いていなくて、単純に曲として聴いているんですよ。このランキングは『#Vtuber楽曲大賞2022』というハッシュタグを知っている人だけが投票したものだけど、例えば音楽的同位体の影響なんかもあって、2022年は『Vtuberだってことは知らないけどこの曲は好き』というのがある人が世の中にいっぱい広まった年なので。だからこそ、2021年よりも今年の結果は面白くなったと思うし、これから先も絶対に『Vtuber楽曲大賞』は続けていくべきだと思いました」と語った。
そしてキャン氏は「にじさんじとホロライブの勢いがあるとはいえ、俯瞰してランキングを見ると、細かい部分は去年とまったく同じにはなっていないんだろうなと。そう考えると、Vtuberの音楽はカルチャーとして変遷しているし、定点観測をする機会として置いていくために楽曲大賞のようなものを続けていくのはすごく大事なんだろうと思います」と語り、Vtuber音楽の今後について「“音楽を主体としてやってる人たち”の本気度も、“企業がバーチャルタレントとしてやってる人たち”の本気度も、どちらもどんどん増しています。企業側も『曲ってグッズでしょ』みたいな考え方じゃなくて、しっかりしたアーティストと組んでクオリティの高いものを作ろうとしているので、純粋にいい曲が増えたというのが今年の印象です。そしてたぶん来年、そのもう1つ下のレイヤーが増えていくんじゃないかと思います。ソニーが小型モーションキャプチャーデバイス『mocopi』を発表したこともありますし、アバターをまとったTikTokerが音楽をやり始めるとか、そういう流れも生まれそうですし。それによってバーチャルアーティストのマップがまた変わっていくんだろうなと予想します」と言及した。
左から、キャン氏、ふじき氏、TAKUYA the bringer氏、飯寄雄麻氏、森山ド・ロ氏。
音楽シーンにおいては“二段飛ばし”みたいなすごい出来事は実は少なくて、にじさんじやホロライブの幕張メッセ公演、花譜の日本武道館公演は、アーティストや箱の成長と拡大という意味では想像ができる流れでもあった。2021年から2022年のこの1年間のVtuber音楽シーンはムーブメントからカルチャーになって浸透していき、それまでの文脈でないライトなユーザーがまったく別の消費の仕方をするようになってきた、というのがシーンを俯瞰して見たときの個人的な感想です。
アザミさんをはじめ、ぼっちぼろまるさんもmemexさんも2019年から知っていましたが、楽曲大賞の登壇者5選に入れたのは初めてです。このタイミングで選出したのは、ここまで活動をしてきたうえで、新たな挑戦だったり、これまでとは異なるアプローチをしている方を“アーティスト”として評価したかったんだと思います。2018年から4年経ったVtuberカルチャーの中で、クリエイターとして甘えた活動をしている人は自然と淘汰されると思いますし、バーチャルとかジャンルに縛られない新たな才能がどんどん押し寄せてくる今後に期待していきたいです。
原点回帰じゃないですけど、“バーチャルシンガー”が輝いてたなと個人的に感じた年でした。
前回の楽曲大賞から今日までで、年間を通して聴いた回数の多い曲の上位5曲です。特に上の3曲を初見の方はマジで聴いてほしいです。
「今年はVtuberでどんな曲が流行っただろう?」と考えたものの、細分化されすぎたため誰しもが納得するようなヒットソングはあんまりなかったんじゃないかと。そんな中、VTuberに隣接する“アバターの表現”として、VOICEVOXが流行し、その中にVtuber春日部つくしの声を元にした「春日部つむぎ」がいたことは特筆したいです。春日部つくしさん自身のワンマンライブもとても楽しめ、非常に印象に残りました。
 
 
※記事初出時、楽曲部門のリスト内に誤りがありました。お詫びして訂正します。
この記事の画像(全3件)
朝ノ瑠璃✪忍者系VTuber声優 @asanoruri
《紫電一閃》のMVが上位50曲の中に入ってたあああああああありがとおおおおおお!!!!😭😭😭😭

今月リリース予定の《ベテルギウスの夜に》も楽しみにしててね!!!3ヶ月連続シングルリリースなのでもちろん来月も新曲出ます🫰😳 https://t.co/XUlpzytlza https://t.co/OCpvmiqSkL
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