オーディション発の次世代スターを紹介する企画の第４回は、韓国の大型プロジェクト番組「Ｉ―ＬＡＮＤ」で誕生した７人組グローバルボーイグループ、ＥＮＨＹＰＥＮ（エンハイプン）が登場だ。今年デビュー２年目で、昨年は米ビルボードアルバムチャートで１１位を記録する快挙を達成。日本のヒットチャートも席巻し、所属事務所の先輩であるＢＴＳに続く世界基準の活躍が注目されている。 （取材構成・山内倫貴）
２０２０年１１月のデビューからわずか約１０カ月で米ビルボードのトップ２０にランクインした平均年齢１８・６歳のイケメン７人が世界に羽ばたく。
ＥＮＨＹＰＥＮは５月３日に日本第２弾シングル「ＤＩＭＥＮＳＩＯＮ：閃光」をリリース。オリコン週間シングルランキングで１位となり、昨年７月発売の日本デビューシングルに続き、２作連続で初登場１位を記録。海外男性アーティストでは史上初の快挙を達成するなど絶好調だ。
デビューを勝ち取った「Ｉ―ＬＡＮＤ」は従来の人気オーディション番組とは一線を画す内容。日韓などで２０年６～９月に放送され、２００億ウォン（約２０億７８００万円）の制作費が投入された大型プロジェクト番組だ。
アイドルを目指す２３人がレッスンを重ねながら、最高のチームパフォーマンスを完成させるため仲間同士が苦渋の決断で優劣を評価。実力によって豪華版と質素版の宿泊施設を行き来するシビアな共同生活をするリアリティー番組の要素が強く、最終的には１００カ国以上の視聴者投票で６人、プロデューサーの協議で１人が選ばれた。
２週間にわたる最終視聴者投票の１位はリーダーのＪＵＮＧＷＯＮ（ジョンウォン、１８）で約１４２万票。６人合計では約７１６万票に達した。
番組出演中の３カ月はスマホの使用は禁止され、真剣勝負でレベルアップ。ＪＵＮＧＷＯＮはデビュー前の会見で「『Ｉ―ＬＡＮＤ』では歌やダンス、ステージでの表情やチームワークを学び、とても大切な時間でした」と感謝していた。
グループ名は記号のハイフンから７人の絆や音楽で世界をつなぐことを意味する。〝オールセンター〟と評されるビジュアルなどで魅了する一方、多感な７人が抱く不安や葛藤などダークな面を歌詞やダンスで表現し、２１年１０月発売の初アルバム「ＤＩＭＥＮＳＩＯＮ：ＤＩＬＥＭＭＡ」はアルバムチャート「ビルボード２００」で１１位を記録。世界の同世代から共感を呼んだ。
７月４日には第３弾ミニアルバム「ＭＡＮＩＦＥＳＴＯ：ＤＡＹ１」をリリース（日本は同２０日発売）。世界ツアー開催の期待が高まる中、最年少で岡山出身のＮＩ―ＫＩ（ニキ、１６）は「東京ドーム公演が目標」と日本初ライブを熱望する。
グループでは「Ｋ―ＰＯＰで最も注目される存在になる」が目標。韓国では練習生などアイドル予備軍は約１００万人ともいわれ、その人気をけん引するグループのひとつが米グラミー賞で２年連続ノミネートされた所属事務所の先輩であるＢＴＳだ。米ビルボードのアルバムチャートではＳｕｐｅｒＭやＢＴＳ、Ｓｔｒａｙ Ｋｉｄｓが１位を記録しており、ハイレベルなＫ―ＰＯＰ界で切磋琢磨しながら世界の頂点を狙う。
★「コカ・コーラ」の〝顔〟に ＥＮＨＹＰＥＮは今年の「コカ・コーラ」サマーキャンペーンアーティストに決定。英ロックバンド、Ｑｕｅｅｎの代表曲「Ａ ＫＩＮＤ ＯＦ ＭＡＧＩＣ／カインド・オブ・マジック」をカバーする音楽コンテンツ「Ｃｏｋｅ Ｓｔｕｄｉｏ」に参加している。日本では昨年３月から１年間、ニッポン放送「ＥＮＨＹＰＥＮのオールナイトニッポンＸ」でパーソナリティーを務め、今年１月期の日本テレビ系「ムチャブリ！わたしが社長になるなんて」では主題歌「Ａｌｗａｙｓ」を担当した。
■ＥＮＨＹＰＥＮ（エンハイプン） ２０２０年１１月リリースのミニアルバム「ＢＯＲＤＥＲ：ＤＡＹ ＯＮＥ」でデビュー。同１２月放送のフジテレビ系「ＦＮＳ歌謡祭」で日本の地上波でパフォーマンスを初披露し、２１年７月のシングル「ＢＯＲＤＥＲ：儚い」で日本デビュー。同年のオリコン年間ランキングの「アーティスト別セールス部門 新人ランキング」では１位の女性歌手、Ａｄｏ（１９）に続く２位を記録。
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