三月のパンタシア「四角運命 / アイビーダンス」発売記念|みあ×三原康司(フレデリック)対談+みあ単独インタビューの2本立て特集 – 音楽ナタリー 特集・インタビュー – 音楽ナタリー

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三月のパンタシア「四角運命 / アイビーダンス」 PR
2022年6月22日
三月のパンタシアが両A面シングル「四角運命 / アイビーダンス」を6月22日にリリースした。
シングルには表題曲としてテレビアニメ「カッコウの許嫁」のエンディングテーマ「四角運命」と、フレデリックとのコラボ曲「アイビーダンス」が収録されている。「四角運命」はシリアスなロックナンバー。力強いビートに乗せて、“四角関係”の渦中にいる少女たちの葛藤や切なさが艶やかに歌われている。「アイビーダンス」は作詞をみあ、作曲をフレデリックの三原康司(B)、編曲をフレデリックが手がけたダンスナンバー。中毒性のあるギターリフや軽やかなサウンドが心と体を揺らす、三月のパンタシアの新たなライブのキラーチューンだ。カップリングには東京・銀座の商業施設「GINZA SIX」のWeb CMソングである「ユアソング」を収録。みあの書き下ろし小説「多分、私たちひとりじゃない」が楽曲の原案となっており、シングルの初回限定盤にはその小説が同梱される。
音楽ナタリーではみあと三原康司と対談を実施し、お互いの印象や楽曲の制作過程を語り合ってもらった。さらにみあの単独インタビューも行い、三月のパンタシアのメッセージが詰まったシングルを紐解いていく。
取材・文 / 中川麻梨花撮影 / 星野耕作
──今回、みあさんが作詞、康司さんが作曲、フレデリックが編曲というコラボで「アイビーダンス」が生まれました。お二人は今回の制作をきっかけに初めてお会いしたんでしょうか?
三原康司(フレデリック) そうですね。トラックダウンで初めてお会いしました。
みあ お会いしたのはそのときが初めてなんですけど、私はリスナーとしてフレデリックの楽曲をずっと聴いていました。コラボしたいと思ったのは……まず、“3月”という三月のパンタシアにとって一番特別な月にファンのみんなに何かをプレゼントしたくて、みんなと一緒に遊べる曲を作りたいと思ったんですよね(「アイビーダンス」は3月に先行配信された)。コロナ禍でまだライブではお客さんに歓声を遠慮してもらっているという状況の中、「声が出せないなら、一緒に踊ればいいじゃないか」という考えに至って。踊れるダンスチューンを発表してみたいという思いから、楽曲を構想していったんです。これまで私はボカロPの方々と多くの楽曲制作をしてきましたし、そういった皆さんが作る機械的な音色のよさを生かしたダンスチューンも好きでよく聴いているんですが、今回はライブを想像したときに、エレクトロっぽい要素がありながら、バンドサウンドがより立ち現れてくるような楽曲にしたいなというイメージがあって。そういう中で自分の頭の中で鳴ったのがフレデリックの音楽だったので、お声がけさせていただきました。
三原 すごくうれしいです。僕らもライブを大事にしているバンドで。歓声が出せない中でリズムでコミュニケーションを取るというところにおいて、自信を持って活動しているんです。お客さんとコミュニケーションするうえでのそういうポイントを感じながら、僕らを選んでくれた部分もあったのかなと思って。
左からみあ、三原康司。
みあ 3年ほど前に新木場STUDIO COASTでフレデリックのライブを拝見したんですけど、そこで見たフロアの光景がすごく印象的だったんです。どの曲でもお客さんが心から体を動かしたくて仕方ないという感じで。そういう高揚感やキラキラしたものを引っ張り出すフレデリックのサウンドの印象が自分の中で色濃く残っていて。今回ライブで遊べる曲を作りたいと思ったときに、自分もああいうライブができたらいいなという、理想像を持ってお声がけさせてもらったというのもありました。トラックダウンで初めてお会いしたときにこの話をしようかなと思っていたんですが、4人いらっしゃったので、どなたに話したらいいかわからなくて(笑)。
三原 オファーをいただいたとき、すごくうれしかったですよ。三月のパンタシアは、フレデリックがいるバンドシーンとはまた違った場所で活躍されていて。自分たちとはまた別の魅力があるというか。フレデリックって、自分たちとは違った人に刺激を受けることが大好きなバンドなんですよね。一緒にコラボレーションをしたり楽曲提供したり、新しいものを見出すことを大事にしていて。だから、三月のパンタシアに楽曲提供することで、新しい化学反応や相乗効果が生まれて、お互いにこれまでとは違う景色が見れるんじゃないかなと期待していました。あと、僕らも三月のパンタシアのことを知っていましたし、歌声や楽曲に対しての色の入れ方、情景の見せ方がとても魅力的だなと思っていたんです。今回こうやって一緒に楽曲を作れたことの喜びを感じます。いい出会いだなと。
みあ フレデリックは“フレデリズム”という形で自分たちのジャンルを発信されているじゃないですか。独自性の高いジャンル、ブレない軸を作り出していて、それがリスナーのみんなに周知されている。そこも私はすごく尊敬しているんですよね。三月のパンタシアも“ブルーポップ”というジャンルを定着させたいという思いがあって。
三原 ブルーポップっていうワード、素敵ですよね。
みあ ありがとうございます。ちょっと塞ぎ込んでしまうような憂鬱さ、ブルーな気持ちをポップな音楽に昇華して、拭い去ってあげることができたらいいなという思いを持って活動しているんです。フレデリックは自分たちのジャンルを確立しながらも、その中で毎曲いろんなアプローチで挑戦を続けているという印象があって。今度はどんな曲なんだろうって、いちリスナーとして楽しみにしています。
三原 うれしいなあ。
みあ とにかくいっぱい尊敬するところがあるんですよ。耳に残るようなメロディがループしていくポップさと、気骨なロックサウンドのどちらも同時に両立させられる音楽性に惹かれて、フレデリックの音楽を聴くようになって。音楽と結び付くアートワークも隅々までこだわっていますよね。三月のパンタシアもイラストと楽曲を結び付けて音楽を表現しているので、そういった面でも尊敬する部分が多くて勝手に学ばせてもらっています!
三原 そんなそんな(笑)。僕も三月のパンタシアのアートワークや、色への考え方が面白いなと思っていて。それこそ“ブルーポップ”という部分だったり。曲調の振り幅がありながら、ブルーという色を軸にしていて一貫性を感じます。中でもやっぱり歌声が印象的ですね。みあさんの歌声によって、ブルーポップという言葉が印象付けられるというか、説得力が増すように感じます。みあさんはいろんな作家から楽曲提供を受けていますが、作家が違うと1曲1曲に対する向き合い方というか、表現の仕方も大きく変わってくると思うんです。いろんな経験をしてきたからこそ、得たものが多そうだなって。ボカロPの方々からバンドシーンの人まで、多種多様なポジションにいる人たちと一緒にやっていくうえで、どういうふうに歌や作詞に向き合っているのかな、というのは気になるところですね。
みあ まさにいろんな方とコラボレートしながら楽曲制作をしているので、そのたびに刺激を受けていますね。歌唱ひとつにしても、「こういうテイストの楽曲だったら、歌い方を変えてもっとエッジを利かせたほうが作風に合うな」とか毎回試行錯誤を重ねているので、その中で自分が意識せずとも積み重なっている力はあるかもしれないです。「アイビーダンス」に関してはポップソングにしたいという思いがあったので、軽やかでポップな匂いをみんなにも感じてもらえるようなアプローチで歌ったり。アートワークに関しても、ミュージックビデオは三パシ史上一番シュールな面白さがある映像になってるんじゃないかなと(笑)。チャレンジを重ねながら活動していく中で、その都度受けた刺激を自分の中で昇華して実らせて、また大きなものに変えていくという作業は大変な部分もあるけど、面白みがあるからこうやって続けられてるんだなと思います。
三原 いろんな方との出会いが好きなんですね。
みあ そうかもしれないです。ポップな自分を表現したいという気持ちもあるけど、クールなロック調の音楽もみんなに楽しんでもらいたいなとか。
三原 すごく素敵なことだと思いますよ。いろんな幅を持ってる方なんだなと。僕らも作品の振り幅があるバンドだとは思うんですけど、いろんな音楽に対応するのって技術が必要だし、その都度生まれ変われるような精神性も必要なんですよね。みあさんはそれが何度もできて、ちゃんと経験を糧にしてる人なんだなと感じます。
左からみあ、「アイビーダンス」のミュージックビデオに登場しているパンダくん、三原康司。
──フレデリックに作編曲をオファーした段階では、みあさんから楽曲のイメージをどの程度伝えていたんですか?
みあ サウンドやメロディに関する具体的な部分はほとんど委ねる形で、私からスタッフさんを通して「ライブでファンのみんなと一緒に遊べる曲、踊れる曲を作りたいです」と、テーマとなる思いをお伝えしました。
三原 先ほども少しお話ししたように、オーディエンスとリズムを通してコミュニケーションを取っていくというところで、フレデリックは独特のスタイルがあると思っていて。それで言うと、「アイビーダンス」は「オンリーワンダー」や「オドループ」のような形で作っていった感じでした。
みあ 楽曲を受け取って、イントロを聴いた時点で「これこれ!」って胸が高鳴りました。聴いていて自然と頭を揺らしちゃう。フレデリックはそういう気持ちよさを音楽で引き出すことにものすごく長けているバンドだなと改めて思いましたし、この曲を自分で歌えるのがすごく幸せでした。
──編曲において意識したことはありますか?
三原 イントロのキャッチーさだったり、本当にこのフレーズでいいのかということだったり、磨きを入れる作業はしました。自分たちのどっしりしたダンスミュージックの要素は必要だけど、軽やかな感じも出したくて。ちゃんと涼しい感じというか、気持ちよく聴けるようなバランスを取りながら作っていましたね。
みあ 春らしい風通しのいい楽曲だなという印象があって。三月に出す意味合いもサウンドに込められているのかなと感じました。
三原 そうですね。やりようによってはもうちょっとロックっぽく、軽やかにならない方法もあったと思っていて。BPMが高いので、キックをずっしりさせたらフレデリックでやるライブチューンになってくると思うし。けど、実際にみあさんが歌ってみてどうなるかというのは、ある程度バンドの中でイメージしながら作っていました。やっぱりうちの健司(三原健司 / Vo, G)が歌うのとは全然違うので。そういった部分でどうやったら曲が面白くなっていくかというのはメンバー間で話し合いましたね。
みあ 私は特にサビが好きで。「ゆけ!」と繰り返すところも、そのあとの「花の匂いがして」で奇をてらったような展開になるところも。あと、ライブを想定してクラップを入れてくださってますよね。私もレコーディングで一生懸命手を叩いたんですけど、ちょっと音が痩せすぎていて交代させられて、私のやつは使われなかったです(笑)。
三原 そんなことがあったんや(笑)。「花の匂いがして」の落ちる部分は、普段フレデリックでやっていそうでやっていない感じでもあったりして。サビのあとに間奏につながることが多いけど、1回メロディを落とすのは、みあさんの歌声に合いそうだよねという話はしてました。けっこう特殊な構成になってると思いますね。
──浮遊感のあるDメロも印象的でした。
みあ この前ライブで披露したとき、ここはお客さんが自由に踊っていました。人を気持ちよくさせるメロディなんだなって。
三原 Dメロの「枯れることもなく散ることもない花なんて ありえないから」という歌詞、すごくいいですよね。繊細な部分を持ってる子なんだろうなと。
みあ 実は持ってます(笑)。時間って有限だし、何事も無限なものはなかなかないので、その一瞬一瞬を大切にしていきたいなという思いを込めたフレーズですね。
三原 「一瞬一瞬を大切にしたい」というのは僕らもバンド内でよく話しています。今を感じ取って生きているところに共感し合えるのも、同じアーティストとして活動していて、コロナ禍でライブがやれなかったからだろうなって。ともにがんばっていきたいですね。
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