グウェン・ステファニーのベスト20曲 : ソロやノー・ダウトでの名曲をランキング – https://www.udiscovermusic.com/

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ノー・ダウト(No Doubt)での20年間に及ぶ活動、および現在進行中のソロ活動を通して、グウェン・ステファニー(1969年10月3日生まれ)はあらゆるジャンルの壁をやすやすと超え、ポップ・アイコンとなり、ロック界で最も成功した女性のひとりとなった。ノー・ダウトの活動によって彼女はアメリカでスカ・ブームに火をつけ、10年ごとに自分自身の姿をガラリと変身させながらこの業界を生き抜いてきたのだ。
彼女は数々の記録的なヒット作を残してきたが、常に自分の音楽的直感を信じ何かの後追いをすることなかった。その結果、むしろポップスの世界の方が彼女の後を追う格好になっていった。プリンスからネプチューンズ、エルヴィス・コステロに至るまで、誰とでもコラボレートしてきたステファニーは、グランジがまだ君臨していた時代に、レゲエ、1980年代ポップ、ニュー・ウェイヴをメインストリームに持ち込んだ。
そしてグウェン・ステファニーの気持ちの正直さと優れたメロディ感覚は、1990年代のデビュー以来、現代のポップミュージックを形作る役割を果たしてきた。今回は、ノー・ダウトのメンバーとしてリリースした作品とソロ名義でリリースした作品の双方から、グウェン・ステファニーのベスト・ソングを20曲をご紹介していこう。
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テレビ中毒を比喩的に表現したこの曲は、1992年にノー・ダウトのデビュー・シングルとしてリリースされている。この曲を聴くと、当時のノー・ダウトが、どのような方向に向かうべきか、まだ模索していたことがわかる。
ここにはメンバー各々がさまざまな方面から受けていた影響が折り重なっており、エリック・ステファニーの2トーン・スカ、ステファニーの躍動感のあるヴォーカル、トム・デュモンの熱狂的なソロが融合したこの曲はかなり奇抜なものとなっているが、ステージ上でノー・ダウトの熱狂的なエネルギーを表現する上では完璧だった。
 
ステファニーは『Love.Angel.Music.Baby』に続いて2006年にリリースされた『The Sweet Escape』でもさまざまなジャンルと複数のプロデューサーのあいだを飛び歩いていた。簡素なネプチューンズのビートの「Yummy」やエイコンの助けを借りたドゥーワップの「The Sweet Escape」のあいだに紛れていたのが、この「Early Winter」である。
ここでの彼女は、お得意の告白調のパワー・ポップに回帰していた。キーンのティム・ライス・オクスリーと彼女が共作したこの失恋をテーマにしたバラードは、グウェンのヴォーカルの真価を試すような曲だった。そして、彼女のソロ・アーティストとしてのキャリアにあって最高の1曲となったのだった。
 
ノー・ダウトのアルバム『Rock Steady』から11年のあいだに、ステファニーは自らのファッション・ブランドを立ち上げ、家庭生活を築き上げ、ソロ・アーティストとしての活動を開始していた。そうして再結成したノー・ダウトのアルバム『Push And Shove』は、歳月の経過をまったく感じさせない作品だった。彼らはスカのルーツに戻り、「One More Summer」では1980年代のポップ・ミュージックに対する愛情を惜しみなく注ぎ込んでいた。
『Push And Shove』のデラックス・エディションには、破局について歌ったこの「One More Summer」のアコースティック・ヴァージョンも収録されているが、そちらはさらにすばらしい仕上がりだった。
 
1998年になると、ノー・ダウトは映画のサウンドトラックで引っ張りだこのグループになっていた。そうした仕事のおかげで、彼らは昔から憧れていたエルヴィス・コステロと仕事をするチャンスを得た。コステロと彼の前妻ケイト・オリオーダンの共作による「I Throw My Toys Around」は、ノー・ダウトのギタリスト、トム・デュモントのスクラッチのようなリフとステファニーのハスキーなヴォーカルが童謡のようなメロディーの中に共存している。
コステロもサポート・ヴォーカルを担当しており、その結果「I Throw My Toys Around」はアトラクションズのシングルB面のようなサウンドに仕上がっている。
 
ヴォーカル・エフェクトがポップ・ミュージックの定番になる前から、ステファニーは「Trapped In A Box」などの曲でさまざまな工夫を凝らしてヴォーカルを歪ませていた。そしてスカ風味の「Bathwater」では、さらにシアトリカルな歌声になっている。
 
『Rock Steady』でのノー・ダウトは以前から得意としていたレゲエ・スカ・サウンドに回帰した。それがもっともあらわになったのがアルバムのタイトル曲で、このチル・アウトのダブは、テーマの面でアルバムをうまく締めくくっている。ここでのグウェンは、さまざまな嵐を経験を経験しつつも落ち着きを取り戻してきた自らの人間関係 (プライベート及びバンド活動)を振り返っているのだ。
 
ノー・ダウトのパーティー・アルバム『Rock Steady』にも、心にしみるバラードは何曲か収められている。そのひとつがヤズーの影響を受けた「Running」である。アルバムのタイトル曲と同じように、この「Running」でもステファニーは恋愛を最初の盛り上がりだけでなく、長く続ける上で大事なことについて歌っている。ここには、ソングライターとしての彼女の成熟が表れている。
 
「Hey Baby」は推進力のあるダンスホール・ビートとバウンティ・キラーのゲスト参加によって、アルバム『Rock Steady』のパーティーをさらに盛り上げている。ノー・ダウトで唯一の女性メンバーであるグウェンは、ツアー中に目の当たりにした舞台裏の出来事を歌い、自分ならではのコール&レスポンスを生み出している。シングルとしてリリースされたこの曲はチャートのトップ10入りを果たし、1996年に1位を獲得した「Don’t Speak」以来の大ヒットとなった。
 
グウェン・ステファニーのベスト・ソングの多くと同じように、「Ex-Girlfriend」はパンク、ヒップホップ、ロックが融合した彼女のスタイルの幅広さを示している。曲の中で非難される元恋人と同じように、この曲も立ち止まっては歩き出すという流れを繰り返し、やがて轟音のギターと重厚なサビでエネルギーが爆発する。ハイプ・ウィリアムスが監督したミュージック・ビデオはアニメからインスピレーションを受けており、MTVでも話題になった。
 
ノー・ダウトの作品でも自らのソロ作品でも、ステファニーはアルバムごとにプライベートな生活とプロとしての生活を見直してきた。それはソロデビュー・アルバムでも同じだった。4・ノン・ブロンズのリンダ・ペリーと一緒に制作したこのメタ・ダンス・ポップ調のヒット曲で、彼女はソングライターとしての壁を打ち破り、自分自身に蹴りを入れている。
 
好きか嫌いかは別にして、グウェン・ステファニーがソロ名義でリリースした大ヒット曲「Hollaback Girl」の文化的なパワーは否定できない。トニー・バジルを彷彿させる抜群のヴォーカルを披露しながら、グウェンは自分のファンたちにお返しの拍手を送っている。ハイプウーマンとチアリーダーの歌声が入ったこの曲はチャートを席巻し、グウェンの中で最も有名な曲のひとつとなった。
 
このピリピリとしたニュー・ウェイヴ調の曲がアルバム『Return To Saturn』のほかの収録曲と違うように聞こえるとしたら、その理由はこれがもともと1999年にロサンゼルスのレイヴ・カルチャーを題材にしたティーン向けカルト映画『Go』のために録音されたことにある。
元トーキング・ヘッズのメンバーであるジェリー・ハリスンがプロデュースを担当した「New」は、ベーシストのトニー・カナルとドラマーのエイドリアン・ヤングによる激しいリズムセクションとシンセに乗ったグウェンの切迫したヴォーカルが特徴的だ。ここでは、ノー・ダウトの音楽的な才能が存分に発揮されている。
 
ノー・ダウトのアドレナリン満載のスカに合わせて踊っていないとき、グウェンはこの『Rock Steady』の収録曲のようなメロディアスなポップ・ヒットを作り出すことができた。ユーリズミックスのデイヴ・スチュワートと共作したこの「Underneath it All」は、レディ・ソーのゲスト参加とレゲエのベテラン・コンビ、スライ&ロビーのプロデュースにより、本物のジャマイカ風味を備えている。
 
アルバム『Tragic Kingdom』のオープニング・トラック「Spiderwebs」は、アルバム全体を貫く一種の人間ドラマの舞台作りをしている。これもグウェンとカナルが共作した曲である。電話でのストーカー行為や「電話への侵入」をテーマにした曲としては、最高にキャッチーな仕上がりだろう。
 
ノー・ダウトはレゲエやスカだけでなくニュー・ウェイヴからも影響を受けており、デュラン・デュラン、ペット・ショップ・ボーイズといったグループにも愛情を惜しみなく注いでいる。それは、「Just A Girl」が電波に乗った瞬間から明らかだった。
1984年にトーク・トークがリリースしたシングルを忠実にカヴァーしたこの「It’s My Life」は、UKのポップ・バンドを正当に評価する内容だった。そしてこのマーク・ホリスの名曲を新たなオーディエンスに紹介する役割を果たしている。
 
グウェン・ステファニーは暴動を巻き起こすような女ではなかったが、それでも歴史に残る最高のフェミニスト・ロック・アンセムのひとつを作ることができた。最初のうちはわざと甘ったるいヴォーカルで歌って「女の子らしい」無力感を表現しているが、やがてすべてが解放される。それによって「Just A Girl」は、グウェン・ステファニーのソロ曲の中では、一番最高とは言えないかもしれないが、ベスト・ソング・リストに加えるにふさわしい1曲になったのだ。
 
「Don’t Speak」のスピリチュアルな続編である「Cool」を聴けばわかるとおり、ソロになったあとのグウェンもノー・ダウトを人気者にした内省的なポップスを得意としていた。恋愛面でピリオドを打ってからかなり経ったあとも、カナルとグウェンの音楽的なケミストリーはまだまだ衰えてはいなかった。
 
2001年のロック界においては、不安と生体時計の問題をテーマにしたコンセプト・アルバムというものは前代未聞だった。しかしアルバム『Return To Saturn』は、リリースされてから現在までのあいだに古びることなく上手に年を重ねてきた。その理由の多くは、この曲にある。
グウェン・ステファニーのベスト・ソングの多くと同じように、「Simple Kind Of Life」はポップ・ロックの決めフレーズの上で真剣にか弱さを表現している。家族との生活を維持しながらアーティストとしての独自性を保つにはどうしたらよいのか。そんな女性特有のジレンマを掘り下げたポップソングはそう多くはない。しかしグウェンはそれを見事に表現している。
 
恋愛関係の破局を描いたアルバムとしては、『Tragic Kingdom』は最高傑作のひとつである。このアルバムには、この曲のような苦痛に責め苛まれた苦い味のポップ・ソングが何曲も収められていた。ヤングの轟音ドラム・ソロが始まると曲は勢いを増していき、グウェンは絶叫するフロント・ウーマンに変身して強力なヴォーカル・パフォーマンスを披露している。
 
一年間に及ぶ恋愛関係がドラマティックな形で終わりを迎えるが、そんな時に作った曲が1990年代を代表する不滅のロックバラードになり、そのおかげで自分のバンドがスーパースターの座に就く。そんな展開は予想できるだろうか?
「Don’t Speak」では、グウェンはソングライターとして抜群の力を発揮すると共に、この上なく熱のこもったヴォーカル・パフォーマンスを披露している。この曲の大ヒットとステファニーの知名度アップを受けて、この曲はシンガーとバンドのあいだのやや緊張した関係のメタファーにもなった。それは、この曲のミュージックビデオの中でも巧みに表現されている。
 
Written By Laura Stavropoulos


 
 
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