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洋楽ファン注目の作品がリリースされた。ビッグ・レッド・マシーンの「ハウ・ロング・ドゥ・ユー・シンク・イッツ・ゴナ・ラスト？」だ。ビッグ――は、米バンド、ザ・ナショナルのアーロン・デスナーとボン・イヴェールのジャスティン・ヴァーノンのユニットで、本作が２枚目のアルバムとなる。
それぞれアルバムが全米チャートトップ３に入ったことのある人気バンドのメンバーで、ともに今年のグラミー賞で最優秀アルバム賞に輝いたテイラー・スウィフトの「フォークロア」に参加した。本作ではスター歌手のテイラーをはじめフリート・フォクシーズのメンバーやシャロン・ヴァン・エッテンら、現在の米音楽界を語る上で欠かせない面々が手腕を発揮している。
テイラーの作品がそうであったように、本作も浮ついた所のない、落ち着いた感じのアルバムだ。アーロンもジャスティンもキャリアを積んだミュージシャンだが、青春期の心の揺れをイメージさせる曲が目立つ。テイラーが歌う「レネゲイド」は、心に傷を負った人に「あなたは長い間頑張った ブラインドを開けて 顔を見せて」と訴え、「不安があるから 全てを私に見せてくれないの？」と諭すように問いかける。シンセサイザーやドラムマシンを使った凝ったサウンドだが、繊細で優しく、自然と耳になじむ。
アーロンは「大人になるにつれ、不安や恐怖や心配ごとが増え、間違いを犯して人を傷つけてしまうこともある。みんな葛藤を抱えている」とアルバムのモチーフを説明。「赤ちゃんを優しく揺らしてあげているような、美しい、反復するギターとピアノの旋律を核に曲を作っている」と語った。たしかに、どの曲も聴き手の心を
そして今夏、最も話題になったであろう洋楽作品は、昨年のグラミー賞で主要４部門全てを制した１９歳のビリー・アイリッシュの新作「ハピアー・ザン・エヴァー」だ。全米チャート首位を獲得。メランコリックなエレクトロニックサウンドが軸で、歌詞では有名になってしまった自身の内面を掘り下げる。服装や体形についてとやかくいわれたくない、強制されたくないと等身大の１０代の心情を歌うが、ビリーは円熟したソウルシンガーのように、
作り手の年齢も、内容も異なる２作だが、内省的で親密なムードは通じる部分がある。長引くコロナ禍で誰もが疲れている。聴き手の心にじわりと染み込む両作品は、幅広く愛されるだろう。（桜井学）
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