スザンヌ・ベガ 35年前に児童虐待を歌う <さんいん洋楽愛好会> – 山陰中央新報社

POP

 米国の女性シンガー・ソングライター、スザンヌ・ベガの1987年のヒット曲「ルカ」は児童虐待を歌っている。
 「僕の名前はルカ」で始まる歌詞。君の上の2階に住んでいて、もめごとやけんかのような音が夜遅くに聞こえても「何があったの?」って聞かないで、と歌う。つらい日常を語り、最後は、物が壊されたり投げられたりしない所で1人になりたいと願う。救いのない物語である。
 CDの解説には「ルカという名前の男の子は実際に私の家の近くにいるけれど、歌の内容は創作なの。でも、こうした出来事はニューヨークではいつも起こっている」というベガのコメントが載っている。
 のんきに暮らしていた学生時代だった。透明感のあるボーカルと切なくもポップなメロディーに引きつけられ、歌詞の内容を知って驚いた。「海の向こうでは子どもへの虐待が社会問題になっているのか」と。35年前の国内では顕在化していなかったように思う。
 その後2000年に児童虐待防止法が施行され、04年に11月が児童虐待防止推進月間に定められた。悲しいが、ルカは日本にもいる。苦しむ親子を救える社会でありたい。
 実は「ルカ」を収録したセカンドアルバム「孤独(ひとり)」には「夜の影」という歌がある。こちらは母親の視点で書かれ、「眠りに落ちるあなたを見ているよ」「私があなたを守り、明るく照らすよ」の歌詞が優しく響く。「お母さんが幼い子どもに、安心しておやすみ、と語りかけるような歌」とベガはコメント。子どもたちの安らかな夜を願うばかりだ。(洋)
 
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