『グリース』サントラの魅力:オリビアの岐路となり3千万枚売れた … – https://www.udiscovermusic.com/

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2022年8月、史上最も輝くポップスターの一人であり、魅力的なパフォーマーであるオリビア・ニュートン=ジョン(Olivia Newton-John)が亡くなってしまったことは、ひどく心が痛む出来事だ。
「If Not For You」「I Honestly Love You」「Please Mr. Please」や、「A Little More Love」「Magic」「Xanadu」といった名曲たち、そして彼女の銀幕での輝く瞬間や、ベストセラーとなった映画『グリース』のサウンドトラック・アルバムに対する現代人の関心も再度高まることだろう。
1978年に公開された映画『グリース』は、1958年当時のアメリカの高校生活を愛情をもって巧みに再現することに成功し、決してノスタルジックになることはなかった。1978年4月にビー・ジーズやクリームのマネージャーだったロバート・スティグウッドのRSOレーベルから2枚組LPとしてリリースされたこの映画のサウンドトラックは、2つの全く異なるポップ時代の精神を見事に封じ込めた、極めて優れたレコードの1つである。
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このアルバムでは、1950年代後半という時代とロックンロール黎明期の若者の無邪気な陽気さが巧みに表現されている。それだけではなくこの作品は、1970年代後半の音楽の時代精神を象徴することで全世界で大ヒットを記録し、通算3,000万枚以上の驚異的な世界的成功を収めた。
大作映画とそれに付随する音楽という新しい挑戦に挑んだオリビア・ニュートン=ジョンの勇気は、十分に報われたのだ。1981年、彼女はレコード・ミラー誌でこう語っている。
「私はアメリカでの伝統的な人気を失うことをとても恐れていました。というのもアメリカでは、私はほとんどカントリー歌手としてみなされていたんです。でも、『グリース』をやったとき、それが好転して、新しいことに挑戦することを解放してくれました」
オリビアがジョン・トラボルタとデュエットした「You’re The One That I Want」は、ほぼすべてのチャートで1位を獲得。オリビアが1960年代半ばから知っている長年の友人でコラボレーターのジョン・ファーラーによって書かれたこの曲の推定売上は約650万枚にのぼる。オリビアはこの楽曲についてこう振り返る。
「彼(ジョン・ファーラー)は私に曲を聞かせて、“どう思う?”と尋ねたんです。私は“ああ、神よ、素晴らしい”と応えました。あの曲には素晴らしいエネルギーに満ちていたんです」
 
このアルバムの楽曲を担当した作曲家の中には、当時映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のサウンドトラックで大注目を集めていたビー・ジーズのバリー・ギブも参加していた。そしてバリー・ギブはこの映画『グリース』のタイトル曲を、フォー・シーズンズで15年以上のキャリアを持つフランキー・ヴァリに歌わせるという、思いがけない抜擢を行った。
バリー・ギブがプロデュース、ピーター・フランプトンがギターで参加した「Grease」は5月にシングルとしてリリースされ、8月には全米シングル・チャートで2週連続首位を獲得して、100万枚のセールスを記録。そのころには、サントラ・アルバムは全米アルバムチャートで12週連続1位を獲得している最中で、アメリカでの公式認定は800万枚だが、調査会社サウンドスキャン以前の売上を含むと合計で1400万枚と考えられている。
以前、フランキー・ヴァリは筆者に対し、『グリース』についてこう語ってくれた
「(ビー・ジーズとは)信じられないほど長い間、お互いのファンだったんだ…ある日、どういうわけか、バリー・ギブから電話がかかってきた。彼は “映画『グリース』のために書いた曲だが、君にぴったりだと思うから聴いてほしい” と言ってきた。そして、聴いてみたら吹き飛ばされたよ。これは売れる曲だってわかった。親しい友人だったドン・コスタを家に呼んで、“これを聴かなくちゃ”と聞いてもらったんだ。バリーとギターだけのデモだったんだけど、彼は“これは大ヒットになる”と言ってくれたよ」
ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン=ジョンは『グリース』のサントラで、ジム・ジェイコブスとウォーレン・ケイシーが作曲したもうひとつの永遠のアンセム「Summer Nights」でもデュエットを披露している。
ジムとウォーレンはジョン・トラボルタが歌うロッカーの曲「Greased Lightnin’」も作曲。他にもルイス・セントルイスとスコット・サイモンによるジョン・トラボルタが歌うバラード曲「Sandy」、ジョン・ファーラーはオリビア・ニュートン=ジョンによる愛らしいバラード曲「Hopelessly Devoted To You」を作曲している。
映画『グリース』でリッゾを演じた俳優のストッカード・チャニングによる魅力的なバラード「There Are Worse Things I Could Do」や、ティーン・エンジェルを演じたフランキー・アヴァロンが「Beauty School Dropout」でリードボーカルを務めるなど、映画同様、サウンドトラックにも俳優たちが参加している。
また、ウッドストックでの画期的なパフォーマンスで有名なロッカーのシャ・ナ・ナ(Sha Na Na)は、収録楽曲のうち6曲で本格的で心地よいロックンロールを披露している。
Written By Paul Sexton

映画『グリース(オリジナル・サウンドトラック)』
1978年4月14日発売
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