「正直、誰が明菜をコントロールするのかと…」 制作宣伝・寺林氏 … – Yahoo!ニュース

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12/3(土) 17:00配信
中森明菜
【歌姫伝説　中森明菜の軌跡と奇跡】 ８年間所属していた事務所から独り立ちした中森明菜は１９８９年１２月２８日、個人事務所「コレクション」を設立し、７カ月後の９０年７月１７日には第１弾シングル「Ｄｅａｒ　Ｆｒｉｅｎｄ」を発売した。８月１日には「夜のヒットスタジオＳＵＰＥＲ」（フジテレビ系）に仏ニースから生出演、約１年ぶりのテレビ出演となった。 【写真２枚】初々しいビキニ姿の中森明菜 等 独立後は所属レコード会社のワーナー・パイオニア（現ワーナーミュージック・ジャパン）ともギクシャクしたという。それでも明菜は楽曲制作には藤倉克己を指名した。当時を知る音楽関係者は語る。 「ワーナーでデビュー前から明菜の制作宣伝を統括してきた寺林（晁）さんも外れ、スペッキオという制作子会社に異動。さらに９０年にはワーナーを退社した。今、思うのは、あの時期、明菜にとっても寺林さんを失ったことは大きな痛手だったでしょう」 寺林は、洋楽系のイベント会社「ウドー音楽事務所」からワーナーに引き抜かれてきた。ワーナーでは自らのセクション「企画制作課」を立ち上げ、マドンナなど洋楽はもちろん、矢沢永吉やＣＨＡＧＥ＆ＡＳＫＡ、少年隊、さらに明菜も契約段階から関わってきた。 デビュー後も１年間、明菜の宣伝を担当した富岡信夫（現モモアンドグレープスカンパニー代表取締役）は「明菜にとって寺林さんは絶対的な存在でした。実際、明菜の制作宣伝は寺林さんの手腕によるものが大きかった。矢沢（永吉）さんもワーナー移籍の条件の一つに寺林さんを担当に指名したそうですから…。だからではないでしょうが、明菜も寺林さんに不満を口にすることはなかったですね」と語る。 その上で当時の状況を「新人の明菜に、洋楽の予算まで引っ張ってきて宣伝費１億円を投じたほどですから、その見極めも半端ではなかった。私はその後、ワーナーを離れましたが、思い出すのは、日本レコード協会が『日本ゴールドディスク大賞』（８７年）をスタートしたときのことです。寺林さんは『第１回は絶対に明菜にとらせる』と社内で檄を入れたと聞いています。この賞はＣＤの売り上げだけで決めるものだったので、さすがに威勢だけかと思いましたが、終わってみると、大賞は邦楽が明菜で洋楽はマドンナ。しかも新人賞は少年隊と、寺林さん担当のアーティストが独占した。これには唖然（あぜん）でした。ところが、その２年後に寺林さんが明菜から外れたと聞いたときはそれ以上に驚きました。正直、誰が明菜をコントロールするのかと…。明菜のことですから冷静に考え、寺林さんとのラインを持った藤倉さんだけは外せなかったように思いますけどね」。 実際、「Ｄｅａｒ　Ｆｒｉｅｎｄ」に続くシングル「水に挿した花」についても明菜は藤倉に制作を一任した。 「（ワーナーと）もめていたのは確かで、さすがに僕も担当から外されると思っていましたが、明菜から『続けてほしい』といわれたのです。新曲は制作前からドラマ『水曜グランドロマン』（日本テレビ系）の主題歌に決まっていました。ただ僕は、このタイミングでオリジナル・アルバムを作りたいと思っていて、曲集めもしていたのです。その中の１曲が『水に挿した花』で、明菜とも話してニューヨークでレコーディングをしました。明菜は、確かデビュー曲の『スローモーション』をロサンゼルスでレコーディングしたと思いますが、僕が制作担当になって、海外レコーディングしたのは『水に挿した花』だけ。本当はアルバムのレコーディングをしたいと考えていたのですけどね」 藤倉は当時を振り返った。その新曲「水に挿した花」は９０年１１月６日に発売された。　＝敬称略　【芸能ジャーナリスト・渡邉裕二】 ◇ 渡邉裕二氏の「中森明菜の真実」（ＭｄＮ新書）が好評発売中です。 ■中森明菜（なかもり・あきな）　１９６５年７月１３日生まれ、東京都出身。８１年、日本テレビ系のオーディション番組「スター誕生！」で合格し、８２年５月１日、シングル「スローモーション」でデビュー。「少女Ａ」「禁区」「北ウイング」「飾りじゃないのよ涙は」「ＤＥＳＩＲＥ―情熱―」などヒット曲多数。ＮＨＫ紅白歌合戦には８回出場。８５、８６年には２年連続で日本レコード大賞を受賞している。 「水に挿した花」のジャケットは明菜の撮影だという
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