Sexy Zoneが放つ“懐古主義“ではない80年代オマージュ|日刊サイゾー – 日刊サイゾー

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――ジャニーズを愛するおじさんが考える、アイドルと世相のあれこれ。
 Sexy Zone 8枚目のアルバム『ザ・ハイライト』が6月1日にリリースされました。アルバムのリード曲「Forever Gold」のミュージックビデオ(MV)もYouTubeで公開されています。シンセサウンドが印象的なカラッと明るい楽曲に、ソフトスーツや原色系ファッションなど、いわゆる80年代テイストを全面に押し出した作品となっています。アルバムタイトル「ザ・ハイライト」のロゴは、どことなく往年の歌番組「ザ・ベストテン」(TBS系)を彷彿とさせます。

 80年代テイストの音楽は、2010年代後半あたりから長く続く80年代ブームの流れでよく耳にします。80年代テイストを、面白いと感じるか、懐かしいと感じるかで、世代がはっきり分かれます。1974年生まれの私は当然、懐かしいと感じる世代です。一方、1980年代後半以降に生まれた「ゆとり世代」の間で、2010年代に「昭和レトロ」」ブームが起こりました。そのブームは1990年代中盤以降に生まれた「Z世代」に広がり、昨年あたりから「昭和レトロ」「平成レトロ」などが人気となっているようです。
 特定の時代をリアルに生きてきた者にとって、かつて自分が生きた時代が、レトロと呼ばれリバイバルブームが起こることは、少なからず違和感のある現象かもしれません。ノスタルジーとしては理解できても、リバイバルはオリジナルの時代そのものではないからだと思います。80年代と80年代テイストは別物なのです。80年代を生きてきた者にとっては、80年代をテイストだけ切り取ることは、意外と難しいことでしょう。では、80年代と80年代テイストの違いは、一体何でしょうか?
 振り返れば、80年代は「アイドル全盛期」と呼ばれた時代でした。私が熱狂した「たのきんトリオ」も、80年代前半を代表するジャニーズのアイドルです。女性アイドルでは、松田聖子が1980年にデビューしました。これに「花の82年組」と呼ばれる中森明菜、小泉今日子などが続き、多くのアイドルが人気を競う時代になります。ジャニーズでは「シブがき隊」が同じ82年デビューです。85年には、秋元康が制作に関わった「おニャン子クラブ」がテレビ番組から誕生し、アイドル界を席巻します。この「おニャン子クラブ」からソロデビューした工藤静香に、中山美穂、南野陽子、浅香唯を加えた4人が「アイドル四天王」と呼ばれました。80年代後半は、この4人を中心に多くの女性アイドルが活躍する競争の激しい時代となりました。ジャニーズでは、85年に少年隊、87年に光GENJI、88年に男闘呼組と、立て続けにデビューし、多くの人気を獲得しました。一方、80年代中盤はチェッカーズやC-C-Bといったバンドもチャートを賑わせ、彼らもまたアイドル的人気を博しました。このように、80年代の日本のエンタテインメントは、多くのアイドルと共にありました。
 ちなみに80年代の私はというと、アイドルに熱狂しつつ洋楽なども聴く、子供ながら早熟な音楽嗜好を持っていました。当時は、マイケル・ジャクソンが世界のエンタテインメントの中心にいました。流行の音楽はポップスというより、ブラックコンテンポラリーとハードロックの印象が強いです。80年代サウンドの特徴として、シンセサウンドがどのジャンルでもわかりやすく取り入れられていましたが、日本の歌謡曲的なポップスは世界の流行とは一線を画すものであったように思います。その後ユーロビートが世界的に流行し、日本の歌謡曲でもカイリー・ミノーグやマイケル・フォーチュナティなどがカバーされ、私もカバーをきっかけにオリジナルを聴くようになりました。日本人にとっての洋楽風な楽曲は、このユーロビートのカバーが多く認識されているように思います。
 ところで私は小学生の頃、叔父の影響で、ドリー・ドッツというオランダの女性ボーカルグループの曲を好んでよく聴いていました。今思えばマニアックですが、アイドル的な面もありつつ、後のユーロビートにもつながる音楽性がありました。私がSexy Zoneの「Forever Gold」を聴いて真っ先に思い浮かべたのも、ドリー・ドッツの「Rollerskating(邦題:恋のローラースケーティング)」という曲でした。その意味で、「Forever Gold」の80年代テイストはある程度忠実に80年代を再現していると感じています。ただ、実際に「Forever Gold」が近いのは、80年代洋楽よりは、筒美京平が作曲した小泉今日子の「まっ赤な女の子」や早見優の「夏色のナンシー」に近い、明るめな日本のポップス、という気がしています。

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